五月初旬にシルクラブにて催された「小島悳次郎(こじまとくじろう)の型染めの世界」展へ出かけました。心待ちにしていた展観だったし、小島氏のご次男夫妻の親切な案内にも恵まれて、わたしも友人らも興奮気味に半日をすごしました。小島悳次郎の型染め、と聞いてすぐに思い出すのは、清野恵里子さんの『きもの熱』で和久傳の若女将、桑村祐子さんが結城縮のお単衣に合わせていた藍地の帯「唐草鳥獣紋」。さまざまな動物や植物が色彩ゆたかに並び、まるで音楽を奏でるような楽しいモチーフは、洋楽をこよなく愛した小島氏ならではの作品ですが、清野さん所蔵のその帯も、樋口可南子さん所蔵のどんぐりの帯も、久しぶりのお里帰りをよろこんでいるかのように、たくさんの愛おしい遺品たちの中に溶けこんでいました。
五月初旬にシルクラブにて催された「小島悳次郎(こじまとくじろう)の型染めの世界」展へ出かけました。心待ちにしていた展観だったし、小島氏のご次男夫妻の親切な案内にも恵まれて、わたしも友人らも興奮気味に半日をすごしました。小島悳次郎の型染め、と聞いてすぐに思い出すのは、清野恵里子さんの『きもの熱』で和久傳の若女将、桑村祐子さんが結城縮のお単衣に合わせていた藍地の帯「唐草鳥獣紋」。さまざまな動物や植物が色彩ゆたかに並び、まるで音楽を奏でるような楽しいモチーフは、洋楽をこよなく愛した小島氏ならではの作品ですが、清野さん所蔵のその帯も、樋口可南子さん所蔵のどんぐりの帯も、久しぶりのお里帰りをよろこんでいるかのように、たくさんの愛おしい遺品たちの中に溶けこんでいました。