お江戸の用を早々に済ませ、湯島の天神さまの梅を見に。白足袋のきれいなうちにきつい夫婦坂を上がり、本堂へまずはお参り。お目当ての梅林は全体に三~四分咲き、これから見ごろというところ。早咲きの梅に寄り香を聞き、出店の大福餅を三つもとめて大満足だから、いい気なもので。
江戸時代から140年つづく和紙の老舗「ゆしまの小林」の梅文様。これは小林製の折り紙の意匠で、ずいぶん前に買いもとめたものです。ゆしまの小林はお茶の水の「おりがみ会館」を運営しています。 |
梅園入口あたり、「泉鏡花 筆塚」なる石碑の先に、雪岱様のすらりとした柳腰の和服美人が立っていたような、いなかったような。負けじと臙脂色の上田紬にあられ小紋のコオトで「紅梅になごり雪」風を吹かせて歩いたら、通りがかりやお店でずいぶんほめられる。下町人情はいつも人をその気にさせるので。よい気分のまま、ほかに誰も寄らない宝物館で靫彦、大観、栖鳳、春草らの紅梅図白梅図、恩賜の御衣に涙する菅公の絵などなどひとり占めしてお宮をしめくくり。おあとは春光ふりそそぐ旧岩崎庭園にてお薄と紅梅の練りきりを所望、満身春になった
お宮でもとめた大福三種。手前からごま大福、豆大福、ずんだ大福。湯島の餅屋さんとおもいきや、京都大原の老舗でした。おまけに「みたらしだんごの逆バージョン!」という、みたらしをつつみこんだひと口サイズのお餅を付けてくれました。ごちそうさま ^^ |
さわやかな早緑色の豆餡がたっぷりの、ずんだ大福を割ったところ。 湯島の語義は「聖水のそばにある」という意味とか。 |