名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

第159回名南将棋大会結果速報(弐)

2016-03-26 | 名南将棋大会
今日は第159回名南将棋大会(弐)を行いました。結果速報です。

D級優勝
地下好さん


E級優勝
大石泰志さん


F級優勝
松井祐三さん

鈴木義照さん


G級優勝
山口稀良莉さん



優勝おめでとうございます。
参加いただいた皆様ありがとうございました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山将棋研究(106); 四間飛車に引き角

2016-03-26 | 大山将棋研究
昭和48年6月、二上先生と第28期A級順位戦です。


大山先生の四間飛車、二上先生は玉頭位取りかと思いましたが、45歩を見て

引き角です。あまりうまくいくイメージはないです。

二上先生はすぐに24歩といくのを選びました。

部分定跡ではあるのですが、この歩を打つのではやや不本意。

そのまま収まれば振り飛車が4筋の位を取っているだけ有利になりやすいのですが、角をぶつけるのが二上先生の狙いでした。

2筋に歩を謝らせてこれなら互角です。

角を打ちあって35歩は軽い手。でも68銀として角筋をキープしておくのもあったでしょう。大山先生は角を追います。

飛車を3筋に回って銀をぶつけるのが構想ですか。なるほどです。

銀交換のあと、自分だけ銀を打つのでは不満なのですが、端を攻められるのでいい勝負。

端を謝るのはプロはやらないのです。銀を打ち込んで、55角が成立しないので成桂ができます。ただ、打つ前に47金から36歩を狙うのはあるのかなあという気がします。

大山先生は成桂の代償を求めます。

この金取りの受け方は悩みます。

金打で受けたので大山先生は端を攻めます。ここからは大山先生がリード。

端の折衝でどこまで得ができるか。

これで と金ができます。

と金を引き寄せるのは大山先生らしい指し方。二上先生の86香も好手です。歩切れなので取るしかないです。香損でも歩の数が違います。

味の良い香打ち。

さらに手厚い攻め方です。

角交換の後歩の後ろ側に銀を潜り込みます。歩を手に入れて77歩が狙い。68玉に89角78金同玉と呼び戻して

歩を手に入れました。77歩が痛いので香を取る余裕はなく、55角から攻め合いです。

どこまで寄り付けるか。大山先生も必死で受けます。

二上先生らしい鋭い寄せです。ですがここで83香成から迫ってもぎりぎり詰みません。

ですから二上先生は飛車を切るのですが、角を取られてこれも詰まず。

銀をとって香車を払われました。

大山先生が飛車を取らずに玉頭を処理したのが好判断で、勝ち筋になりました。

後手玉に詰みはなく、先手玉は詰めろ。

早逃げも角を取って放り込めば詰みです。角金と打って銀をはがして96桂の筋です。


二上先生は詰将棋(創るほうも解く方も)の名手。対振り飛車の作戦は独特で、中飛車に引き角にするのを(タイトルを思い出せないのですが)本で読んだことがあります。この引き角はあまりうまくいかないのですが、66角とぶつけることができて互角の中盤です。互いに疑問手は見当たらず、大山先生の84角に47金打としたあたりで何か別の受け方(66銀とか75歩とか66歩とか)をすべきだったか、もっと前に43銀と打ちこんだのが早かったか。終盤まで僅差ですが大山先生が有利で、どうにか寄せ合い1手勝ちになりました。とても良い将棋です。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:二上達也8段
後手:大山9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 6八玉(59)
8 4二飛(82)
9 7八玉(68)
10 6二玉(51)
11 9六歩(97)
12 9四歩(93)
13 5八金(49)
14 7二玉(62)
15 5六歩(57)
16 4三銀(32)
17 6八銀(79)
18 8二玉(72)
19 7七銀(68)
20 4五歩(44)
21 2五歩(26)
22 3三角(22)
23 7九角(88)
24 5二金(41)
25 3六歩(37)
26 6四歩(63)
27 2四歩(25)
28 同 歩(23)
29 同 角(79)
30 2二飛(42)
31 2五歩打
32 7二銀(71)
33 3七桂(29)
34 4四角(33)
35 5七角(24)
36 2六歩打
37 2九飛(28)
38 3三桂(21)
39 6六角(57)
40 2五桂(33)
41 4四角(66)
42 同 銀(43)
43 2六飛(29)
44 2四歩打
45 6六角打
46 3七桂成(25)
47 同 銀(48)
48 3三角打
49 3五歩(36)
50 5四桂打
51 7五角(66)
52 3五銀(44)
53 2九飛(26)
54 6三銀(72)
55 3九飛(29)
56 7四歩(73)
57 8六角(75)
58 8四歩(83)
59 3六銀(37)
60 8五歩(84)
61 9七角(86)
62 3六銀(35)
63 同 飛(39)
64 3五銀打
65 3九飛(36)
66 9五歩(94)
67 5五桂打
68 9六歩(95)
69 7九角(97)
70 4六歩(45)
71 同 歩(47)
72 7二銀(63)
73 4三銀打
74 同 金(52)
75 同 桂成(55)
76 5一角(33)
77 9三歩打
78 同 香(91)
79 5三成桂(43)
80 4六桂(54)
81 5九金(58)
82 5八歩打
83 4九金(59)
84 4八歩打
85 同 金(49)
86 8四角(51)
87 4七金打
88 9七歩成(96)
89 同 香(99)
90 9六歩打
91 同 香(97)
92 同 香(93)
93 9七歩打
94 9八歩打
95 8八銀(77)
96 7五歩(74)
97 5七角(79)
98 9九歩成(98)
99 同 銀(88)
100 9七香成(96)
101 同 桂(89)
102 9六歩打
103 8五桂(97)
104 9七歩成(96)
105 9八歩打
106 9六と(97)
107 8八銀(99)
108 9五と(96)
109 8六香打
110 同 と(95)
111 同 歩(87)
112 5一香打
113 4三成桂(53)
114 6五銀打
115 7五角(57)
116 同 角(84)
117 同 歩(76)
118 7六銀(65)
119 6八玉(78)
120 8九角打
121 7八金(69)
122 同 角成(89)
123 同 玉(68)
124 6五香打
125 5七金(48)
126 5六香(51)
127 5五角打
128 5七香成(56)
129 同 金(47)
130 2三飛(22)
131 6四角(55)
132 7三金打
133 8四香打
134 8三歩打
135 7三桂成(85)
136 同 銀(72)
137 9四角打
138 7二金(61)
139 7四金打
140 9三金打
141 3五飛(39)
142 6四銀(73)
143 7六角(94)
144 8四金(93)
145 3四飛(35)
146 7四金(84)
147 3二飛成(34)
148 7五金(74)
149 6一銀打
150 7一歩打
151 7七歩打
152 5九歩成(58)
153 8九玉(78)
154 7六金(75)
155 同 歩(77)
156 7八角打
157 投了
まで156手で後手の勝ち






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山将棋研究(105); 四間飛車に中央位取り

2016-03-25 | 大山将棋研究
昭和48年6月、佐藤大五郎先生と第2回早指し選手権です。


佐藤先生の四間飛車。マキ割り流無敵四間飛車、という得意戦法です。(自称なのでうまく説明できませんが豪快な攻め将棋)

端を詰められて穴熊を思わせるのですが

結局美濃囲い。56銀が早いので大山先生は中央位取りに。

端は詰められていますが、ダイヤモンド美濃で歩を交換すれば佐藤先生が好調です。

けれどそのあとの指し方がいけません。佐藤先生は玉頭方面に手をかけましたが、大山先生は位取りを生かして左桂を交換にいきます。この交換は陣形の厚い大山先生が有利。

佐藤先生はさらに端を狙って銀を立ちますが、金銀が離れていくことに。

さらに左金も7筋を守るために離れていきます。

ここからは大山先生の独壇場です。歩を合わせて銀をぶつけていきます。

銀を交換すれば58に打てますね。

どんどん行きます。

両取りよりも歩を突きだすほうが筋がよいです。

と金を作って大山先生が優勢です。飛車が死にました。

すぐに飛車を取ってもいいのですが、焦りません。

ここでようやく角を切って飛車を取ります。

最後は入玉できるかどうかですが、

駒得が大きくて簡単に捕まえました。


まるで私が振り飛車を指すとこうなる、というような将棋です。持久戦になるとわからないのです。ダイヤモンド美濃まではいいのですが、銀冠は間違いで左から動かなくてはいけませんでした。金銀が乱れたのを見てからの大山先生の指し手が気持ちいいです。早指しということもあって一方的になりました。
こういうのを並べると、位取りの将棋を指したくなりませんか?

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:佐藤大五郎8段
後手:大山9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 8四歩(83)
5 7八銀(79)
6 6二銀(71)
7 6七銀(78)
8 5四歩(53)
9 6八飛(28)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 1四歩(13)
15 2八玉(38)
16 5二金(61)
17 5八金(69)
18 1五歩(14)
19 4六歩(47)
20 4二銀(31)
21 5六銀(67)
22 5三銀(62)
23 3八銀(39)
24 5五歩(54)
25 4七銀(56)
26 5四銀(53)
27 3六歩(37)
28 6四歩(63)
29 3七桂(29)
30 8五歩(84)
31 7七角(88)
32 4四歩(43)
33 5六歩(57)
34 同 歩(55)
35 同 銀(47)
36 5五歩打
37 4七銀(56)
38 4三金(52)
39 2六歩(27)
40 7四歩(73)
41 9八香(99)
42 9四歩(93)
43 9六歩(97)
44 5三銀(42)
45 2五歩(26)
46 4二金(41)
47 6九飛(68)
48 3三桂(21)
49 2七銀(38)
50 4五歩(44)
51 同 歩(46)
52 同 桂(33)
53 同 桂(37)
54 同 銀(54)
55 4六歩打
56 5四銀(45)
57 3八金(49)
58 7二飛(82)
59 2六銀(27)
60 7五歩(74)
61 同 歩(76)
62 同 飛(72)
63 6七金(58)
64 7二飛(75)
65 7六歩打
66 4四銀(53)
67 5九角(77)
68 4五歩打
69 1六歩(17)
70 4六歩(45)
71 同 銀(47)
72 4五銀(44)
73 3七銀(46)
74 4六歩打
75 1五歩(16)
76 5六銀(45)
77 4八歩打
78 6七銀成(56)
79 同 飛(69)
80 5六歩(55)
81 4六銀(37)
82 4五歩打
83 3七銀(46)
84 5八金打
85 7七角(59)
86 5七歩成(56)
87 6五歩(66)
88 5五桂打
89 6六飛(67)
90 6五歩(64)
91 2四歩(25)
92 同 歩(23)
93 2三歩打
94 3三角(22)
95 2二銀打
96 4四角(33)
97 5六桂打
98 2六角(44)
99 同 銀(37)
100 6六歩(65)
101 6四桂(56)
102 6二飛(72)
103 6三歩打
104 同 飛(62)
105 1一銀(22)
106 6四飛(63)
107 2二歩成(23)
108 4一玉(32)
109 1七玉(28)
110 2九飛打
111 1四歩(15)
112 1五歩打
113 投了
まで112手で後手の勝ち


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20160325今日の一手<その300>; 攻め駒を増やす

2016-03-25 | 今日の一手
20160325今日の一手

2月20日の名南将棋大会から、OさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。




一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の数に損得はないのですが、竜を作っているのでその分は先手が得です。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は53竜16角で2枚。
後手の攻め駒は24飛65角で2枚。

総合すれば先手がやや有利です。

大局観として
竜を作った分だけ得なので、持久戦を目指すという考え方もあります。その時は16角を切ったら持久戦というわけにはいかないので、どこかに移動することになります。
攻め駒が2枚しかないのでもう一枚増やしてしまえば(穴熊ゆえの特殊事情で3枚の細い攻めをつなぐことになりやすい)攻めの継続もあり得るでしょう。もう一枚はどこから持ってくるか考えましょう。


△ 実戦は66歩でした。

角筋がそれたら43角成から2枚換えで3枚の攻めになりますね。それが狙いです。76角に77歩52歩と進みました。

49銀は取らせても43角成が成立すれば攻め駒3枚です。52歩はこれしかなさそうです。59竜54角48銀14歩

これは少し困っています。手順省略でこういう図になり

駒損で攻められてはまずいです。

途中48銀ではなく56竜14歩26歩

としておけば、竜を作っての持久戦ですから1歩損でも互角でしょう。

もう少し戻って77歩と打たずに58銀が自然なのですが

後手に54飛とされるかもしれません。58銀に当たっています。この時変化がいくつかあり、43角成は

43同金同竜58飛成33竜67銀

これは69銀から千日手になりそうです。

43竜と取れば

58飛成63竜52歩

やはり千日手か。

54同竜は

54同銀67銀

これなら先手が指せそうです。
ということは66歩76角58銀には52歩から持久戦になりそう。それで互角です。


△ 66歩としないで58銀が自然な手です。

前の変化と少し違いがあるのは54飛に43竜。

58飛成63竜

この時に角に当たっています。63同銀61角成は後手玉が寄ってしまいます。ですからこの場合は54飛ははっきり先手よし。52歩から

竜を引いて持久戦です。

これくらいになれば歩を損しないで竜を作った分だけ得ですからやや先手よしです。


△ それ以外のゆっくりした手、75歩とか38銀とか48銀とかで持久戦も1局です。


△ 攻めるなら と金を作る52歩でしょうか。

直接51歩成を受ける手がありません。44銀に51歩成

53銀61角成同銀同と

攻め駒は3枚になりましたが小駒だけなのでどうか。71銀93玉62と と使われるといけないので44角と受けて、攻めが細く見えます。受けきれれば後手が勝ちます。はっきり言いきれないのですが、後手が有利なのだと思います。


○ 意外な手ですが、77桂が有力です。

穴熊のパンツ脱ぎです。桂馬を攻め駒に使おうという意味です。47角成は2枚換え。43角成同金同竜

少し囲いが薄くなりましたが、こういうのは歓迎です。27飛成の寄せ合いは38銀打同馬同銀同竜41竜

16角や62金を見て寄せ合い勝ちです。

77桂に54角は52歩

今度は44銀とするわけにはいきませんから、これも先手有利。

77桂には76角ということになるのですが

56竜94角65桂

52歩には53歩で十分。55歩には26竜とぶつけてしまえばいいでしょう。53桂成が残っています。


穴熊なら3枚の攻め駒でいい、と思ってもらうと困るのですが、受けを考えなくてよいという場合は強い攻め方ができます。4枚で攻められるようになれば優勢で、3枚で攻めているうちに受け間違いがあれば勝ってしまいます。だから穴熊が流行するのですが、受け間違いがなければ攻めは細いのです。かなりの技量を要求されます。だから特に級位者の場合はお勧めしません。有段者になって、読みが得意な方なら採用してもよいのでしょう。

竜を作っていれば持久戦にしてもよいです。その時には76の歩を取らせないほうが良いです。実戦の66歩ではなく58銀が自然でしょう。

攻め駒を増やすのに と金を作る52歩は飛角を捨てることになり、自信がありません。

歩を使えるのが5筋だけなので手をつなぐのは難しそうに見えます。
こんな時に77桂(パンツ脱ぎ)がたまに有効になることがあります。条件は桂馬を跳ねても玉の堅さで優っていること。さらに65桂と使って3枚目の攻め駒になります。
こういう手が有効になるというのは感覚だけではわかりにくいと思います。もう一枚攻め駒を増やしたい、77桂はどうか、と読んでみるしかありません。読まないで跳ねてしまえば悪くなることのほうが多いでしょう。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山将棋研究(104); 四間飛車に玉頭位取り

2016-03-24 | 大山将棋研究
昭和48年6月、西村先生と第6回連盟杯争奪戦です。


大山先生は四間飛車、西村先生は玉頭位取りに。

大山先生は5筋の歩交換から54銀と組み替えてさらに石田流を目指しますが、ここまで手数がかかっているので、西村先生の陣形がしっかりしていて危険です。

西村先生は角交換を挑みます。振り飛車から77角成しかない場合は大体は成功です。西村先生が主導権を持ちました。

交換すれば角を打ち込めます。

この角でどれだけ反撃の効果があるかですが

55で角を交換してまた打ち込めます。

じっと歩を打ってみれば、大山先生がまずくなさそうです。こういうところの感覚が素晴らしい。ここで87銀として馬を助けるのもないことはないのですが、西村先生は馬は捨てるつもりで2筋突破を狙います。

大山先生は中段の飛車で横利きを生かすのが好きですね。その前の37歩も手筋です。

西村先生は と金を活用して、馬を殺されました。

馬は83で銀と交換、さらに銀をぶつけるのが勝負手です。

銀交換から49角が疑問手。角を渡すと飛金取りがあります。角を打たずに38歩成で悪くなかったでしょう。

大山先生は56金と76銀を取らせてもらえるから問題なしと見ていたのでしょうが、玉が薄くなるのが痛いです。

銀2枚を投入すれば悪くないように見えるのですが

この角が敗着。先手玉は薄くても飛車の横利きがあってすぐに寄りません。71金とか83銀とか守っておけば粘れました。

後手玉を端に追ってから87金と打つのが攻防で、勝ちましたという手です。

投了図。

玉頭位取りに対して軽く指すのはあまりうまくいきません。手厚く備えて仕掛けを封じるのがよいということになっています。角交換で西村先生がリードしました。でもそのあと54歩と打って馬が狭いから指せる、という大山先生の感覚がよく、飛車を6段目に使う得意な形になりました。ところが角を渡してもよいという判断がまずく、粘らなかったのでわりとあっさり終わりました。西村先生はいつでも85歩から84歩という筋があるので83の地点で馬銀交換でもよし、とみたのがよかったのでしょう。



#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:西村一義7段
後手:大山9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 6八玉(59)
8 4二飛(82)
9 7八玉(68)
10 6二玉(51)
11 9六歩(97)
12 9四歩(93)
13 6八銀(79)
14 7二玉(62)
15 5六歩(57)
16 4三銀(32)
17 5七銀(48)
18 5二金(41)
19 5八金(49)
20 8二玉(72)
21 7五歩(76)
22 5四歩(53)
23 6六歩(67)
24 6四歩(63)
25 7七銀(68)
26 4五歩(44)
27 7六銀(77)
28 4四銀(43)
29 4八飛(28)
30 6三金(52)
31 7七角(88)
32 7二銀(71)
33 8八玉(78)
34 5五歩(54)
35 同 歩(56)
36 同 銀(44)
37 5六歩打
38 4四銀(55)
39 7八金(69)
40 5三銀(44)
41 6七金(58)
42 5四銀(53)
43 8六歩(87)
44 3五歩(34)
45 8五歩(86)
46 1四歩(13)
47 2五歩(26)
48 3二飛(42)
49 2八飛(48)
50 3四飛(32)
51 6五歩(66)
52 7七角成(22)
53 同 桂(89)
54 6五歩(64)
55 2二角打
56 3六歩(35)
57 同 歩(37)
58 6四角打
59 5五歩(56)
60 同 角(64)
61 同 角成(22)
62 同 銀(54)
63 4三角打
64 3一飛(34)
65 6五角成(43)
66 5四歩打
67 8四歩(85)
68 同 歩(83)
69 2四歩(25)
70 3七歩打
71 2三歩成(24)
72 3六飛(31)
73 3二と(23)
74 2六歩打
75 4六歩(47)
76 同 歩(45)
77 4二と(32)
78 6四歩打
79 8三歩打
80 同 銀(72)
81 同 馬(65)
82 同 玉(82)
83 5六銀(57)
84 同 銀(55)
85 同 金(67)
86 4九角打
87 5八銀打
88 4七歩成(46)
89 4九銀(58)
90 5六飛(36)
91 3四角打
92 7六飛(56)
93 6一角成(34)
94 7二銀打
95 7一馬(61)
96 8二銀打
97 7二馬(71)
98 同 玉(83)
99 5二と(42)
100 3四角打
101 6一銀打
102 8三玉(72)
103 7二銀打
104 9三玉(83)
105 9五歩(96)
106 同 歩(94)
107 8七金打
108 4六飛(76)
109 8一銀(72)
110 8五歩(84)
111 7六桂打
112 3八と(47)
113 9五香(99)
114 投了
まで113手で先手の勝ち




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山将棋研究(103); 四間飛車穴熊に位取り

2016-03-23 | 大山将棋研究
昭和48年6月、大内先生と第21回王座戦です。


大内先生が中飛車に

さらに穴熊です。大内先生の振り飛車穴熊はいつからでしょうか?端歩を受けてからでも穴熊にするのが大内先生らしいです。大山先生は6筋の位を取ります。対穴熊ということもありますが、7筋よりは6筋の位のほうが角を使いやすいので形がいいです。

この角が問題で、やりたくなるのもわかりますが疑問手です。45歩が王手になるのに金も締まらないうちにけん制はだめです。大山先生は時々こういう手があるのですが、わざと少し悪くしているというか、手詰まりを避けようとしているというか、相手の力を試すようにやってきなさいという手を指すことがあるのです。こういう時に自然な指し手でとがめられると指しにくくなります。だから中原先生に分が悪いのか、という気がします。

45歩に66銀左。これはあまり良い形ではありません。そして44銀。55歩がありますし、31角成には42金21馬51飛という筋で馬が死にます。私もかなり前にこの筋にはまり、困ったことがあります。

しっかり金を寄せて穴熊が大分堅くなりました。金の動きの制約(52金とできない)がある中飛車に穴熊は相性が良いです。一方大山先生の囲いは5筋が手厚いのですが、穴熊に対して85歩と伸ばせないので穴熊攻略はやりにくく、横から攻めるしかなくなります。端の突き合いがあっても86角を移動しないと端攻めはやりにくいのです。つまりは大山先生の作戦負け。しばらくは我慢するしかありません。

その我慢ができなくて37桂と使ってしまったので攻撃目標ができた大内先生は3筋から動きます。

詰められている端から攻めるというのが驚きます。14同香は15角27飛36歩があるので取れません。こういうところ、ごめんなさいと16歩というのはプロはやらないのですが、我慢するのもあるように思います。

2筋を破ったけれど25飛37角成32と では74桂もあるので自信なし。

成香を引かれて飛車が助からないので32と から取り合いしかありません。

大山先生は41とを使って攻め合いしかないです。横からだけしか攻められないので大内先生が有利。

互いに飛車と と金で攻め合い

香車が急所に入りました。大内先生が自然に優位を広げます。

派手な手が出ます。これで飛角総交換かと思ったら

大山先生が飛車を逃げ、大内先生も馬を寄せます。これで87の地点を狙う寄せを見ます。44銀が取られるので気が付きません。こうなるのなら大山先生は17飛成のほうがよかったということですね。

銀を取られても79銀は急所。

飛車も使って大内先生は4枚の攻めになりました。寄せ合いは駄目なので大山先生は受けようとしますが

香を捨てて

竜を切って銀打で決まります。

これで詰みです。

86角のけん制は振り飛車穴熊から見れば対応しやすく、早すぎました。85歩まで伸ばしてから86角ならよかったのですが。大内先生のほうから1筋の端攻めが好手、59角成から69馬というのも好手。怒濤流の名前のままの一気の寄せが見事です。大内先生の快勝譜です。上下逆にしてみてください。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山9段
後手:大内延介8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 5六歩(57)
8 5四歩(53)
9 2五歩(26)
10 3三角(22)
11 6八玉(59)
12 5二飛(82)
13 7八玉(68)
14 6二玉(51)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 6八銀(79)
18 7二玉(62)
19 5八金(49)
20 4三銀(42)
21 5七銀(48)
22 8二玉(72)
23 6六歩(67)
24 9二香(91)
25 6五歩(66)
26 9一玉(82)
27 6七銀(68)
28 8二銀(71)
29 7七角(88)
30 7一金(61)
31 8八玉(78)
32 5一金(41)
33 8六角(77)
34 4五歩(44)
35 6六銀(67)
36 4四銀(43)
37 6七金(58)
38 5三銀(44)
39 7八金(69)
40 6二金(51)
41 3六歩(37)
42 5一飛(52)
43 1六歩(17)
44 4四銀(53)
45 3七桂(29)
46 4一飛(51)
47 1五歩(16)
48 3五歩(34)
49 2六飛(28)
50 1四歩(13)
51 同 歩(15)
52 同 香(11)
53 2四歩(25)
54 1九香成(14)
55 2三歩成(24)
56 1五角(33)
57 2七飛(26)
58 1八成香(19)
59 3二と(23)
60 2六歩打
61 4一と(32)
62 2七歩成(26)
63 2五桂(37)
64 3七と(27)
65 1二飛打
66 1七飛打
67 4二と(41)
68 4七と(37)
69 5二と(42)
70 7二金(62)
71 2七歩打
72 8四香打
73 7七角(86)
74 5七と(47)
75 同 銀(66)
76 5九角成(15)
77 2二飛成(12)
78 6九馬(59)
79 4四角(77)
80 7九銀打
81 7七玉(88)
82 2七飛成(17)
83 6八銀打
84 同 銀(79)
85 同 金(67)
86 8七香成(84)
87 同 玉(77)
88 5七龍(27)
89 同 金(68)
90 8六銀打
91 同 玉(87)
92 7八馬(69)
93 5八飛打
94 8七金打
95 投了
まで94手で後手の勝ち


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20160323今日の一手<その299>; 飛車を捨てる位置

2016-03-23 | 今日の一手
20160323今日の一手

2月20日の名南将棋大会から、OさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは先手のほうがやや堅いです。
先手の攻め駒は88飛66角56銀で3枚。
後手の攻め駒は22角64銀65桂で3枚。84飛も数えてよさそうで、4枚に近いです。

総合すれば互角です。

大局観として
先手玉がやや堅いけれども、後手だけ右桂をさばいているのでいい勝負です。さらに8筋の歩を伸ばされて忙しいです。左桂をさばければ有利になります。それができないときはやや悪くなりがちで、どれが勝負になるかということを検討します。


× 77桂でうまくいくならいいのですが

77同桂成同角87歩成

これでどうにもなりません。


○ 実戦は68飛でした。早逃げの手筋です。

87歩成に65銀78と

64銀68と75角89飛成

飛銀交換で と金も作られ4枚の攻め、寄せ合い負けです。

途中で工夫しましょう。78とに67飛と逃げます。

55銀75角89飛成26桂

まあまあのようですが、77と から66銀がありますね。やや後手よしです。

55銀で65銀なら

75角66歩同飛同銀84角

こっちは互角でしょう。

もう一工夫。68飛87歩成に88歩

同と と取れば飛車交換を狙ってまあまあ。先着されても64銀が浮いています。67歩同飛86とでどうか。65銀と取ります。

76と とできませんから取り返すでしょう。65同銀75角66歩同飛同銀84角

3つ前の図より と金の位置が違うのですが、これは先手のほうが得。やや先手が指せるでしょう。


△ 65銀はどうか。

87歩成なら64銀88と75角

実戦では と金が68だったので89飛成がダイレクトで痛かったのですが、これなら違います。87飛成26桂79飛

48金引89飛成34桂24桂25銀

こう進むのなら悪くないです。

65銀には同銀でしょう。

75角81飛77桂76銀(74銀もある)86飛

86同飛同角88飛42角成

42同銀54桂67角(銀を逃げれば72飛から76飛成)42桂成同金39金

先手が駒損ではあるものの、後手玉が薄いのでいい勝負。

変化もいろいろありそうですが、どれも実戦的には互角の変化であろうという感じです。


△ 85歩はどうか。

85同飛に65銀同銀(ここでも87歩成はやや指せそう)77桂

一見はうまくいったようなのですが、66銀85桂56歩

これを56同金と取ると55銀45金56銀58飛57歩59飛77角

というように金が守りから離れて飛車をいじめられることになり先手が悪いです。
56歩に58飛と我慢して

67銀打59飛77角61飛

まあまあ戦えるのですが少し後手がよさそうです。

途中、77桂に87歩成ならば

85桂88と75角

これなら先手が少しいいのですが。飛車より角を取られる方が嫌です。



問題図の少し前

こっちを問題にしようかと思ったくらいなのですが、65歩同桂66角86歩で問題図。でも85歩と取って、同桂なら65歩

これは十分。
85同飛にも65歩

88飛成同角87飛には64歩88飛成63歩成

と進めて指せそう。
65同銀なら同銀88飛成同角65桂82飛

これも指せそうに見えます。86歩は振り飛車からついた歩なので、取ってから65歩が手の流れかという気がします。


さて、それはともかく、問題図では77桂がだめなので手段が難しいです。68飛87歩成88歩はちょっと気が付きにくい手だと思います。これはやや先手よし。これを逃して実戦では6筋で飛車を捨てることになったのですから早逃げの好手が台無しです。

88歩の筋に気が付かなければ、飛車は8筋で捨てるつもりで65銀や85歩同飛65銀を考えます。銀桂交換から入るのでやや苦しいのですが、美濃囲いの堅さというか(上手く指せば)粘りが利く囲いなので勝負になります。逆に後手の囲い(加藤治郎先生の命名だったか、箱入り娘という名前がついています)は粘りは利かないのですがある程度手抜きができる囲いです。

振り飛車党ならこういう中盤で駒がぶつかった局面でうまくさばくことができるかが最初の勝負です。(そこでうまくいかなければ粘ったり、うっちゃりを狙ったりという技術もあるのですが)しっかり読むか、直観を磨くかで互角以上のわかれにもっていきたいです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山将棋研究(102); 三間飛車から乱戦

2016-03-22 | 大山将棋研究
昭和48年6月、花村先生と第14期王位戦です。


花村先生が三間飛車、大山先生は居飛車に。

後手の角筋が通っているためか、普通の位取りの将棋にならず、大山先生は46銀と繰り出します。大山先生はこういうほうが多いですね。花村先生は妖刀、金を繰り出して反撃の構え。

花村先生は右4間と言っていいのでしょうか、6筋を狙います。

右銀を引けば後手の攻め駒は3枚なのでつぶれはしません。

花村先生は攻撃続行ですが、6筋は取り込まずに33角から少しゆっくり指すほうがいいのでしょう。

金銀交換の後、86角と打つものですか?これはよくわからない手です。

花村先生は53を受けずに桂馬を跳ね、大山先生はじっと歩を突きます。45桂が入るとうるさそうですから。

21飛成のほうが普通の手なのですが、飛車先突破が確定すれば角は取ってもらった方がよいという催促で桂馬を跳ねます。

大山先生は寄せ合いで勝とうと思っていませんね。角を取られなかったら33桂をいじめに行きます。

花村先生は桂馬を捨てて歩を垂らし、勝負の形を求めます。取れば33角。

当然ではありますが金打で受けます。67角には66銀なので花村先生の6筋の攻めはここまで。

花村先生は2筋を逆襲しますが、53角成が残っていて

大山先生は角を急所に移動できました。これで66の歩を払えます。

花村先生の65銀から64歩は形つくりに近く、大山先生は34歩から駒の取り合い。先に銀をもらっているので文句はありません。

投了図。


花村先生らしいやや無理な動きを余す大山先生の指し方が独特です。86角や77桂や35歩が大山流ですか。飛車成を重視していないで、生飛車でも横利きを生かして中段で使うのを好んでいるし、玉の囲いをおろそかにはしないのですが、がっちり固めるよりは柔軟性のある形を好んでいる(77玉と逃げ出す)という印象です。少し得が残ればそこからは欲張らないで相手の言い分を聞いて面倒を見てやり、簡単に勝とうとしないのだなあ、と思いました。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山9段
後手:花村元司8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 3五歩(34)
5 6八銀(79)
6 3二飛(82)
7 6七銀(68)
8 6二玉(51)
9 6八玉(59)
10 7二玉(62)
11 7八玉(68)
12 8二玉(72)
13 5六歩(57)
14 7二銀(71)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 4八銀(39)
18 5二金(41)
19 2六歩(27)
20 6四歩(63)
21 5七銀(48)
22 6三金(52)
23 4六銀(57)
24 5四金(63)
25 2五歩(26)
26 6二飛(32)
27 5八金(49)
28 6五歩(64)
29 5七銀(46)
30 6六歩(65)
31 同 銀(67)
32 3六歩(35)
33 同 歩(37)
34 6五金(54)
35 同 銀(66)
36 8八角成(22)
37 同 玉(78)
38 6五飛(62)
39 6六歩打
40 6二飛(65)
41 2四歩(25)
42 同 歩(23)
43 8六角打
44 3三桂(21)
45 4六歩(47)
46 4二銀(31)
47 2四飛(28)
48 8五銀打
49 7七桂(89)
50 7六銀(85)
51 3五歩(36)
52 6五歩打
53 同 歩(66)
54 4五桂(33)
55 同 歩(46)
56 6六歩打
57 7八金打
58 3三銀(42)
59 2六飛(24)
60 2五歩打
61 2八飛(26)
62 2二飛(62)
63 2七歩打
64 6二金(61)
65 6四角(86)
66 6三金(62)
67 5五角(64)
68 4四歩(43)
69 6六角(55)
70 6五銀(76)
71 同 桂(77)
72 6四歩打
73 3四歩(35)
74 6五歩(64)
75 3三歩成(34)
76 6六歩(65)
77 2二と(33)
78 7六桂打
79 7七玉(88)
80 投了
まで79手で先手の勝ち




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山将棋研究(101); 石田流に急戦

2016-03-21 | 大山将棋研究
昭和48年6月、佐藤大五郎先生と第12期十段戦です。


佐藤先生が三間飛車、38金は相振り飛車を意識した手です。佐藤先生は相振り飛車の本も出しているので得意戦法なのですが、大山先生は相振りをやらないのでこれがあだになりました。

玉を囲う前に飛車先交換は怖いです。

さらに45歩を拒否して、佐藤先生は精一杯頑張ります。

大山先生はさすがに怒って飛車を圧迫します。この歩は取れません。

佐藤先生の陣形が乱れて、どうにもなりません。

破れかぶれで突きだして暴れますが

じっと受けられて

これで投了図。46手で一方的に終わりました。

佐藤大五郎先生が頑張りすぎて、64銀から75歩で終わってしまいました。この筋は記憶しておくとよいでしょう。成立するかどうかは形によると思いますが。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:佐藤大五郎8段
後手:大山9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 9六歩(97)
4 4四歩(43)
5 7五歩(76)
6 4二銀(31)
7 7八飛(28)
8 4三銀(42)
9 6八銀(79)
10 5四歩(53)
11 3八金(49)
12 4二玉(51)
13 4八銀(39)
14 3二玉(42)
15 7四歩(75)
16 同 歩(73)
17 同 飛(78)
18 6二銀(71)
19 7六飛(74)
20 8四歩(83)
21 4九玉(59)
22 8五歩(84)
23 4六歩(47)
24 5三銀(62)
25 6六歩(67)
26 6四銀(53)
27 9七角(88)
28 7五歩打
29 7九飛(76)
30 4五歩(44)
31 同 歩(46)
32 6六角(22)
33 7七銀(68)
34 3三角(66)
35 6六歩打
36 9四歩(93)
37 8八角(97)
38 3五歩(34)
39 5八金(69)
40 3四銀(43)
41 6五歩(66)
42 同 銀(64)
43 6九飛(79)
44 6四歩(63)
45 6六銀(77)
46 4五銀(34)
47 投了
まで46手で後手の勝ち
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20160321今日の一手<その298>; 形勢判断から大局観に

2016-03-21 | 今日の一手
20160321今日の一手

1月30日の名南将棋大会から、HさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。





一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
金歩歩と角の交換で、持ち歩がないので3枚換え(というか歩を1つと見て2枚換えと思うほうが良い)で損得なしに近いです。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は45桂と持ち駒角角銀で4枚。
後手の攻め駒は57成銀と持ち駒金で2枚。
総合すれば互角です。

大局観として
玉を固めたいし攻めたいし迷います。単純に守ると45の桂は取られるので駒損になり、攻め駒も3枚に減りますし、駒損で長期戦ではまずいでしょう。
ですから先手を取りながらの受けか、どの駒を渡してよいか考えながら攻めるか、ということになります。相手に駒を渡して4枚の攻めにさせると受けにくくなるので、注意が必要です。


× 実戦は53桂成でした。

53同金に31角52飛(23飛もある)41銀が狙いですが

銀桂を渡すことになるので後手の攻め駒が4枚になり、玉の堅さが違うので攻め合い負けです。手順は省略でこういう図

4枚でしがみつかれて受けきれません。上部脱出をみせて粘るのですが、後手玉にあやがないので望みはありません。


△ 31角が一番自然にみえるのですが

飛車の逃げ方がいろいろあります。32飛には53角成。

45歩54馬42飛44歩

こうやって攻められればうまいです。

53角成には同金同桂成で

先手の攻め駒4枚で後手の攻め駒が3枚ですから、これなら何とかなりそうです。43角22飛54角成~63成桂という狙いか。できればと金で攻めたいところですが、まあまあでしょう。

31角に12飛は

53桂成51金引42銀

これはうまいです。

31角に23飛が有力で

32角13飛21角成

45歩13角成同香12飛29角

先手は飛角交換は攻めるためには仕方ないのですが、後手の攻め駒が4枚になっているので、この寄せ合いは先手玉が薄いのでまずそう。17飛56角成78銀打68金

こういう具合で寄せ合い負けか。別の手段を考えたほうがよさそうです。


△ ちょっとひねって53角と打てば

今度は23飛は44角成なのでありません。角桂どちらかを取るのですが、角を取るほうは53同金同桂成29角

17飛56角成78金打

互いに3枚の攻めで互角でしょう。

45歩と取れば

31角成42飛(23飛や12飛もある)21馬

これはやや先手よしか。
角を打つなら53からのほうがよさそうです。


○33銀はちょっとやりにくい手ですが

飛車を逃げて44銀成なら先手がよいでしょう。33同桂同桂成12飛23成桂

飛車を追いかけつつ、どこかで23角を打てれば攻防になります。角を渡していないので後手は小駒だけでの3枚の攻めですから、少しゆっくりした寄せ合いです。やや先手よし。


△ 受けるなら17飛としておきたいです。

これが好手かどうかはこの図で後手の指し手を考えないとわからないのですが、成銀を取らせるわけにはいかないでしょう。56金と打つか58金と打つか、56成銀とするか。
58金は同金同成銀で33銀

角を渡すと68成銀とされたときに詰めろになるので89金と打つことになりますが、角を渡さない攻め方のほうが良いでしょう。小駒だけなら上から攻められるよりも横から攻められるだけのほうが受けやすい気がします。

56成銀には53角と打って

変化は多いのですが、56成銀で一路遠ざかった感じです。53同金同桂成66成銀に78銀打

こういう図になった時に、18飛57成銀の形なら68金としがみつかれるのですが、今度はありません。17の飛車は28角の時に逃げるか取らせるかは悩みますが、先手玉がしっかりしていれば取らせて寄せ合いです。
また、17飛56成銀のあとで31角

というのも少し得をしていると思います。

56金にも53角でどうか。

後手からは66金~67成銀ですが、78銀打と入れてしまえばよいでしょう。68金と打たれないので、損はしていません。


× 受けるなら39角が見えますが

67成銀に78銀打と受け

78同成銀同金45歩

後手から46歩や36歩で と金つくりがうるさく、4枚の攻めを相手にすることになりそうです。


× 角を打たないで68銀のほうが少し得ですが

68同成銀同金45歩

後手を引く受けでは桂馬を取られてまずいのです。



問題図では桂馬が取られそうで、方針を悩みます。ですが、形勢判断をしっかりできれば、将来その形勢判断がどうなるか考えることは難しくはありません。それが大局観です。
駒の損得に気をつけたら、玉を固めたほうがいいか、攻めたほうがいいかということを考えます。

桂馬を取られそうだから、単純な受け(39角や68銀)ではまずいというのはわかりますね。17飛はいい手かどうかわかりにくいのですが、少し得をしているのではないかと思います。

実戦の53桂成は2枚は駒を渡すことになるので、後手が4枚の攻めでまずい、ということに気が付けば合格です。31角や53角から焦って無理に飛車を取ってしまうと、角を渡して4枚で攻められて負けます。飛車を取るよりも1枚しか駒を渡さず後手玉に迫ることを考えねばなりません。それなら互角に近いでしょう。
攻めるなら筋の悪そうに見える33銀がよさそうで、角を渡さない分だけ自玉が安全な攻め方です。少しゆっくり攻めて飛車を取ったり馬を作って受けたりという狙いです。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする