名南将棋大会ブログ 名古屋

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大山将棋研究(95); 四間飛車穴熊に玉頭位取り

2016-03-15 | 大山将棋研究
昭和48年5月、坪内利幸先生と第14期王位戦です。


大山先生の四間飛車に坪内先生は持久戦。

位取り模様ですが、大山先生は74歩と位取りを拒否するのはあったはず。端を突きあったのに穴熊にします。まだ使えるかどうかやってみようと思ったのでしょう。バリエーションが広い方が対策を絞られなくてよい、と思う人です。

坪内先生は角を右に転回しようとして

45歩を見て戻します。43金と替ったので悪くはないです。

やっと玉頭位取りになりました。

これで一応組上がりです。ここから大山先生は左金の移動をするのは定番。

坪内先生の仕掛けですが、これをやるなら76銀のままがよかったでしょう。

角を好点に打ちあい

互いに飛車をかわします。

手筋の歩。68飛を防ぐのと、形を乱す意味です。残れば拠点になります。76銀の形だったら大分違いますね。

横からの攻めに対しては堅さに大きな違いができたので飛車をぶつけます。

坪内先生は香車を取らずに何かなかったのでしょうか。この形で飛車を打たれたらダメでしょう。

この穴熊を攻略するのは困難。坪内先生は粘るしかありません。

桂馬を取るのは受けのためでしたが

馬を切って銀を打ち込まれたら駒を取り返されるのですから望み薄です。

軽い手がありました。同馬は54桂が痛いので受けが無くなります。

大山先生は簡単に寄せてしまいました。

大山先生は連敗でしたが、格下には負けません。少し実験的な指し方でも勝ってしまいます。67歩は良い手筋でした。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:坪内利幸5段
後手:大山9段
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 7六歩(77)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4三銀(32)
9 5八金(49)
10 4二飛(82)
11 6八玉(59)
12 6二玉(51)
13 7八玉(68)
14 7二玉(62)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 5七銀(48)
18 8二玉(72)
19 6六歩(67)
20 5四銀(43)
21 6八銀(79)
22 5二金(41)
23 6七銀(68)
24 6四歩(63)
25 7七角(88)
26 9二香(91)
27 3六歩(37)
28 3二飛(42)
29 2五歩(26)
30 3三角(22)
31 1六歩(17)
32 1四歩(13)
33 5九角(77)
34 4五歩(44)
35 7七角(59)
36 4三金(52)
37 7五歩(76)
38 9一玉(82)
39 8八玉(78)
40 8二銀(71)
41 7八金(69)
42 7一金(61)
43 7六銀(67)
44 6二飛(32)
45 6七金(58)
46 4二金(43)
47 8六歩(87)
48 5二金(42)
49 8七銀(76)
50 5一金(52)
51 3八飛(28)
52 4四角(33)
53 6五歩(66)
54 7七角成(44)
55 同 桂(89)
56 6五歩(64)
57 4四角打
58 6四角打
59 1八飛(38)
60 1二飛(62)
61 7六金(67)
62 6二金(51)
63 6五桂(77)
64 1五歩(14)
65 同 歩(16)
66 6七歩打
67 8五歩(86)
68 1五飛(12)
69 同 飛(18)
70 同 香(11)
71 同 香(19)
72 5八飛打
73 6六角(44)
74 2八角成(64)
75 6三歩打
76 同 銀(54)
77 8四歩(85)
78 同 歩(83)
79 5一飛打
80 7二銀(63)
81 2一飛成(51)
82 3九馬(28)
83 6九桂打
84 5七馬(39)
85 同 角(66)
86 6八銀打
87 1三角成(57)
88 6九銀(68)
89 7七玉(88)
90 7八銀成(69)
91 同 銀(87)
92 4六歩(45)
93 6七銀(78)
94 5九飛成(58)
95 6三歩打
96 同 金(62)
97 6四歩打
98 6六歩打
99 同 玉(77)
100 6四金(63)
101 5三桂成(65)
102 5七金打
103 4六馬(13)
104 6五歩打
105 投了
まで104手で後手の勝ち





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20160315今日の一手<その295>; 力戦でこそ形勢判断が重要

2016-03-15 | 今日の一手
20160315今日の一手

1月30日の名南将棋大会から、NさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。




一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得ですが後手に持ち歩があるのでカウントせず、竜を作られている分だけ損です。
玉の堅さは銀の位置の差で後手のほうがやや堅いです。
先手の攻め駒は45飛と持ち駒角で2枚。
後手の攻め駒は27竜と持ち駒角で2枚。

総合すれば後手がやや有利です。

大局観として
このまま第2次の駒組みになれば玉の堅さはカバーできるのですが、竜を作られているだけ損です。できれば駒損を回復しておきたいところです。持久戦が進めば後手が持ち歩を使ったり歩のない筋に先手が位を取ったりして1歩得が生きるという場合もあるのですが、3,4筋は後手玉と遠いので望み薄です。


△ 実戦は22歩でした。先手のNさんはこれを狙って角交換に持ち込んだのです。でも33桂と逃げて飛車に当たってしまうので成立は難しそう。46飛と逃げて38歩

28歩は打てません。16角同竜同歩39歩成

金を損しては駄目ですね。先手玉が壁銀なのですぐに寄せられてしまいました。

38歩に49角の受けはありました。

39歩成27角29と の2枚換えは54角が嫌でしょう。28角には38角

24竜21歩成19角成22と

43金32と45香(44のほうがいいかも)

42と同金66飛

これは互角でしょうか。


○ 28歩はおとなしい手ですが狙いがあります。

24竜に15角があります。

33桂24角45桂68角

竜が消えれば損得なし。45の桂はそのうち取れますから先手が十分です。最初に竜と角を交換するほうがいいのでしょうが、やや先手もちです。


○ 先に15角でも同様で

33桂に28歩

45桂27歩14歩26角

角の位置が違うのですが、どちらが得かは好みです。


× 46飛など待つ手は

24竜28歩とされても

竜を作られている分だけ不満です。

また、38歩には28歩があるのですが(実戦の22歩では2歩で打てなかった)

39歩成27歩29と22角

2枚換えで後手が駒得ですから12金77角成19と

後手は歩切れでも3枚換えにして指せるでしょう。19のと金を使えば有利になります。

22飛でも31金打があって

問題なしです。



力戦になると形勢判断や大局観が重要になります。見たことがない局面でこそ形勢判断をしっかり行って、形勢が悪くなりそうな要因は消しておくか代償を得るか、ということを考えます。
まだ互いに攻め駒が少なければ先は長く、駒の損得が勝敗を分けることが多いです。竜が残るか消すことができるかというのは小さな差ですが、こだわらなければいけない場合があります。




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