名南将棋大会ブログ 名古屋

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大山将棋研究(97); 四間飛車に中央位取り

2016-03-17 | 大山将棋研究
昭和48年5月、灘蓮照先生と第2回早指し選手権です。


大山先生の四間飛車に灘先生は中央位取り。でも36歩を突く急戦のほうなら左銀を56にもっていかねばなりません。

組んでみたものの開戦できず、47に上がった金を引き戻します。

大山先生の31飛を見ての灘先生の仕掛け。

22角成が飛車に当たるという寸法で、仕掛けのタイミングとしてはよかったようです。

けれどそのあと23馬くらいしかないのでは戦果は小さく、飛角をさばけそうで大山先生が有利です。飛車を縦に引くと65銀で支えきれなさそう。36に寄れば

あっさり飛角交換ということになりました。

灘先生のほうは自分だけ手持ちにした銀を42に使ってしまうのが不満で、飛車を下した大山先生のほうがよさそうです。

65桂を防いでの66歩に75歩。これを手抜いたので先手玉が危険になります。

灘先生は構わず攻め合いですが、1回は67銀としておくべきでしょう。

軽く桂馬を攻めたのが急所で、攻め合いは大山先生の確実な1手勝ちです。69金打で粘るべきだったでしょう。

たたかれて先手玉は狭いのです。

飛車を切って難しくない寄せです。

投了図。


灘先生は早見え早指しだったはず。手の見えるままに進めたが1手負けだったということでしょう。受けておけばまだ難しいと思うのですが。大山先生の角切りから35銀で飛車を殺すのは本筋ではないと思うのですが、7筋を攻めて飛車だけで寄せてしまいました。後手をもって軽く並べておけばいいでしょう。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:灘蓮照8段
後手:大山9段
先手省略名:灘
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4三銀(32)
9 3六歩(37)
10 4二飛(82)
11 5七銀(48)
12 6二玉(51)
13 6八玉(59)
14 7二玉(62)
15 7八玉(68)
16 8二玉(72)
17 6八銀(79)
18 7二銀(71)
19 9六歩(97)
20 9四歩(93)
21 5五歩(56)
22 5二金(41)
23 5八金(49)
24 6四歩(63)
25 2五歩(26)
26 3三角(22)
27 5六銀(57)
28 6三金(52)
29 5七銀(68)
30 7四歩(73)
31 6八金(69)
32 1四歩(13)
33 1六歩(17)
34 7三桂(81)
35 4六歩(47)
36 1三香(11)
37 4七金(58)
38 8四歩(83)
39 2六飛(28)
40 4一飛(42)
41 3七桂(29)
42 5四歩(53)
43 同 歩(55)
44 同 銀(43)
45 5五歩打
46 4三銀(54)
47 4八金(47)
48 5一角(33)
49 5八金(48)
50 3一飛(41)
51 4五歩(46)
52 同 歩(44)
53 5四歩(55)
54 同 銀(43)
55 2二角成(88)
56 6二角(51)
57 3五歩(36)
58 5一飛(31)
59 2三馬(22)
60 3五角(62)
61 3六飛(26)
62 5七角成(35)
63 同 金(58)
64 3五銀打
65 同 飛(36)
66 同 歩(34)
67 4二銀打
68 5二飛(51)
69 4一馬(23)
70 5九飛打
71 5三歩打
72 6二飛(52)
73 6六歩(67)
74 7五歩(74)
75 3四角打
76 7六歩(75)
77 5二歩成(53)
78 同 金(61)
79 同 角成(34)
80 同 飛(62)
81 同 馬(41)
82 7七歩成(76)
83 同 桂(89)
84 7六歩打
85 7四歩打
86 7七歩成(76)
87 同 玉(78)
88 7六歩打
89 8六玉(77)
90 5七飛成(59)
91 6三馬(52)
92 8五金打
93 9七玉(86)
94 8六角打
95 投了
まで94手で後手の勝ち



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20160317今日の一手<その296>; 疑問手を重ねない

2016-03-17 | 今日の一手
20160317今日の一手

1月30日の名南将棋大会から、MさんとAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。




一昨日の一手の回答

☆形勢判断をします。
香と桂歩歩の交換で、後手は歩切れですからやや駒得です。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は39角と持ち駒桂で2枚。
後手の攻め駒は74飛22角64香91香で4枚。
総合すれば後手が有利です。

大局観として
問題図の少し前

ここで88桂と投入すれば手堅かったのですが、77金と立って64香39角56歩で問題図。22角の利きが通って、77の金を取られて桂馬で取り返すという筋がかなり先手玉を薄くするので受けにくくなっています。つまり77金が疑問手。
放置すれば77角成同桂67香成があります。77角成同桂76飛というのも96飛があるので困りますね。どうにか受ける手段を考えなければいけません。後手の攻め駒が4枚、たいした駒得でもありませんし、受けきりは難しいです。多少の犠牲は覚悟して頑張れる順を探さなければなりません。


× 普通の受けは78銀でしょうか。

77角成同桂57歩成

角で取って47金はまずいでしょう。57同飛76飛88桂46飛

両取りが決まってしまいます。


× 88桂は

77角成同桂67香成

受けになっていません。


× 88玉は67香成でだめですね。



△ 86玉なら

一応耐えています。94飛88桂84飛

揺さぶられて97玉は77角成同桂67香成


ですから84飛は取るしかなさそうです。84同角同歩で

78銀なら47角が痛く

59飛29角成48金28馬56銀85桂

こんな感じで駒損しながらの受けです。粘れますがこれではあまり見込みがないです。

飛車を取った後は56銀のほうがよさそうです。

85歩97玉77角成

77同桂67香成同銀89角

詰めろで銀取りです。99飛67角成78銀

案外これなら粘れそうです。とりあえず選択候補にしておきましょう。


× 56銀は自然ですが

77角成同桂76飛88玉55歩

67香成があるので困ります。


× 66桂は普通の受けなのですが

66同香同歩(同金は角を切られて76飛)85桂

86玉77桂成同玉96香

この時端を受けにくいのです。56銀99香成78銀94飛

97歩は89成香同銀97飛成98香85桂

これがぴったり。

96香の時に98歩は57歩成で

57同角は47金、57同飛は98香成です。

97歩と受けても

97同香成同桂96歩98歩97歩成同歩65桂

という筋でだめ。


○ ということで、実戦は66歩でした。攻め駒は近づけて受けよという手です。

66同香に同金と取ってしまったため

66同角同角76飛

これでは粘りようがありません。

66同香にほかの受けですが、68歩は67香成が盲点。

67同歩77角成同桂76飛

香をもらったので少しは条件がいいのですが、88玉96飛

飛車成が受からないのでまずそうです。

67香成に同金は

99角成78銀に94飛88桂95歩が手順の攻めです。

95同歩同飛96歩45飛同歩79銀

77銀は89馬でまずそう。98飛は88銀不成同飛85桂ですからいい受けがありません。

68歩ではなく88銀です。

94飛98玉69香成には66歩

角筋を止めて受けきれそうです。

とすれば88銀には64飛でしょう。

65歩同飛56銀68香成

飛車の取り合いはまずいです。28飛に77角成同銀67飛成

67同銀同成香79桂

まだ先は長いですがどうにか受けられるようです。


形勢が悪くなると好手はなかなかありません。それでも77の金を取られないように、あるいは取られても玉の囲いが弱くならないように考えねばなりません。

それで66桂が第一候補ですが、取られて85桂があるので却下。

78銀は77角成に同銀を用意しているのですが、67香成があるのでだめ。

実戦の66歩が(見えれば)次の候補で、同香に88銀がうまい手順です。77角成の後で67香成という順を防いでいます。
実戦では66同香に同金と取ってしまったのが敗着。2手続けて疑問手を指せば負けます。1手疑問手を指しても、そこで踏ん張れば案外形勢は悪化していないということもよくあるものです。











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