20160325今日の一手
2月20日の名南将棋大会から、OさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
駒の数に損得はないのですが、竜を作っているのでその分は先手が得です。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は53竜16角で2枚。
後手の攻め駒は24飛65角で2枚。
総合すれば先手がやや有利です。
大局観として
竜を作った分だけ得なので、持久戦を目指すという考え方もあります。その時は16角を切ったら持久戦というわけにはいかないので、どこかに移動することになります。
攻め駒が2枚しかないのでもう一枚増やしてしまえば(穴熊ゆえの特殊事情で3枚の細い攻めをつなぐことになりやすい)攻めの継続もあり得るでしょう。もう一枚はどこから持ってくるか考えましょう。
△ 実戦は66歩でした。
角筋がそれたら43角成から2枚換えで3枚の攻めになりますね。それが狙いです。76角に77歩52歩と進みました。
49銀は取らせても43角成が成立すれば攻め駒3枚です。52歩はこれしかなさそうです。59竜54角48銀14歩
これは少し困っています。手順省略でこういう図になり
駒損で攻められてはまずいです。
途中48銀ではなく56竜14歩26歩
としておけば、竜を作っての持久戦ですから1歩損でも互角でしょう。
もう少し戻って77歩と打たずに58銀が自然なのですが
後手に54飛とされるかもしれません。58銀に当たっています。この時変化がいくつかあり、43角成は
43同金同竜58飛成33竜67銀
これは69銀から千日手になりそうです。
43竜と取れば
58飛成63竜52歩
やはり千日手か。
54同竜は
54同銀67銀
これなら先手が指せそうです。
ということは66歩76角58銀には52歩から持久戦になりそう。それで互角です。
△ 66歩としないで58銀が自然な手です。
前の変化と少し違いがあるのは54飛に43竜。
58飛成63竜
この時に角に当たっています。63同銀61角成は後手玉が寄ってしまいます。ですからこの場合は54飛ははっきり先手よし。52歩から
竜を引いて持久戦です。
これくらいになれば歩を損しないで竜を作った分だけ得ですからやや先手よしです。
△ それ以外のゆっくりした手、75歩とか38銀とか48銀とかで持久戦も1局です。
△ 攻めるなら と金を作る52歩でしょうか。
直接51歩成を受ける手がありません。44銀に51歩成
53銀61角成同銀同と
攻め駒は3枚になりましたが小駒だけなのでどうか。71銀93玉62と と使われるといけないので44角と受けて、攻めが細く見えます。受けきれれば後手が勝ちます。はっきり言いきれないのですが、後手が有利なのだと思います。
○ 意外な手ですが、77桂が有力です。
穴熊のパンツ脱ぎです。桂馬を攻め駒に使おうという意味です。47角成は2枚換え。43角成同金同竜
少し囲いが薄くなりましたが、こういうのは歓迎です。27飛成の寄せ合いは38銀打同馬同銀同竜41竜
16角や62金を見て寄せ合い勝ちです。
77桂に54角は52歩
今度は44銀とするわけにはいきませんから、これも先手有利。
77桂には76角ということになるのですが
56竜94角65桂
52歩には53歩で十分。55歩には26竜とぶつけてしまえばいいでしょう。53桂成が残っています。
穴熊なら3枚の攻め駒でいい、と思ってもらうと困るのですが、受けを考えなくてよいという場合は強い攻め方ができます。4枚で攻められるようになれば優勢で、3枚で攻めているうちに受け間違いがあれば勝ってしまいます。だから穴熊が流行するのですが、受け間違いがなければ攻めは細いのです。かなりの技量を要求されます。だから特に級位者の場合はお勧めしません。有段者になって、読みが得意な方なら採用してもよいのでしょう。
竜を作っていれば持久戦にしてもよいです。その時には76の歩を取らせないほうが良いです。実戦の66歩ではなく58銀が自然でしょう。
攻め駒を増やすのに と金を作る52歩は飛角を捨てることになり、自信がありません。
歩を使えるのが5筋だけなので手をつなぐのは難しそうに見えます。
こんな時に77桂(パンツ脱ぎ)がたまに有効になることがあります。条件は桂馬を跳ねても玉の堅さで優っていること。さらに65桂と使って3枚目の攻め駒になります。
こういう手が有効になるというのは感覚だけではわかりにくいと思います。もう一枚攻め駒を増やしたい、77桂はどうか、と読んでみるしかありません。読まないで跳ねてしまえば悪くなることのほうが多いでしょう。
2月20日の名南将棋大会から、OさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
駒の数に損得はないのですが、竜を作っているのでその分は先手が得です。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は53竜16角で2枚。
後手の攻め駒は24飛65角で2枚。
総合すれば先手がやや有利です。
大局観として
竜を作った分だけ得なので、持久戦を目指すという考え方もあります。その時は16角を切ったら持久戦というわけにはいかないので、どこかに移動することになります。
攻め駒が2枚しかないのでもう一枚増やしてしまえば(穴熊ゆえの特殊事情で3枚の細い攻めをつなぐことになりやすい)攻めの継続もあり得るでしょう。もう一枚はどこから持ってくるか考えましょう。
△ 実戦は66歩でした。
角筋がそれたら43角成から2枚換えで3枚の攻めになりますね。それが狙いです。76角に77歩52歩と進みました。
49銀は取らせても43角成が成立すれば攻め駒3枚です。52歩はこれしかなさそうです。59竜54角48銀14歩
これは少し困っています。手順省略でこういう図になり
駒損で攻められてはまずいです。
途中48銀ではなく56竜14歩26歩
としておけば、竜を作っての持久戦ですから1歩損でも互角でしょう。
もう少し戻って77歩と打たずに58銀が自然なのですが
後手に54飛とされるかもしれません。58銀に当たっています。この時変化がいくつかあり、43角成は
43同金同竜58飛成33竜67銀
これは69銀から千日手になりそうです。
43竜と取れば
58飛成63竜52歩
やはり千日手か。
54同竜は
54同銀67銀
これなら先手が指せそうです。
ということは66歩76角58銀には52歩から持久戦になりそう。それで互角です。
△ 66歩としないで58銀が自然な手です。
前の変化と少し違いがあるのは54飛に43竜。
58飛成63竜
この時に角に当たっています。63同銀61角成は後手玉が寄ってしまいます。ですからこの場合は54飛ははっきり先手よし。52歩から
竜を引いて持久戦です。
これくらいになれば歩を損しないで竜を作った分だけ得ですからやや先手よしです。
△ それ以外のゆっくりした手、75歩とか38銀とか48銀とかで持久戦も1局です。
△ 攻めるなら と金を作る52歩でしょうか。
直接51歩成を受ける手がありません。44銀に51歩成
53銀61角成同銀同と
攻め駒は3枚になりましたが小駒だけなのでどうか。71銀93玉62と と使われるといけないので44角と受けて、攻めが細く見えます。受けきれれば後手が勝ちます。はっきり言いきれないのですが、後手が有利なのだと思います。
○ 意外な手ですが、77桂が有力です。
穴熊のパンツ脱ぎです。桂馬を攻め駒に使おうという意味です。47角成は2枚換え。43角成同金同竜
少し囲いが薄くなりましたが、こういうのは歓迎です。27飛成の寄せ合いは38銀打同馬同銀同竜41竜
16角や62金を見て寄せ合い勝ちです。
77桂に54角は52歩
今度は44銀とするわけにはいきませんから、これも先手有利。
77桂には76角ということになるのですが
56竜94角65桂
52歩には53歩で十分。55歩には26竜とぶつけてしまえばいいでしょう。53桂成が残っています。
穴熊なら3枚の攻め駒でいい、と思ってもらうと困るのですが、受けを考えなくてよいという場合は強い攻め方ができます。4枚で攻められるようになれば優勢で、3枚で攻めているうちに受け間違いがあれば勝ってしまいます。だから穴熊が流行するのですが、受け間違いがなければ攻めは細いのです。かなりの技量を要求されます。だから特に級位者の場合はお勧めしません。有段者になって、読みが得意な方なら採用してもよいのでしょう。
竜を作っていれば持久戦にしてもよいです。その時には76の歩を取らせないほうが良いです。実戦の66歩ではなく58銀が自然でしょう。
攻め駒を増やすのに と金を作る52歩は飛角を捨てることになり、自信がありません。
歩を使えるのが5筋だけなので手をつなぐのは難しそうに見えます。
こんな時に77桂(パンツ脱ぎ)がたまに有効になることがあります。条件は桂馬を跳ねても玉の堅さで優っていること。さらに65桂と使って3枚目の攻め駒になります。
こういう手が有効になるというのは感覚だけではわかりにくいと思います。もう一枚攻め駒を増やしたい、77桂はどうか、と読んでみるしかありません。読まないで跳ねてしまえば悪くなることのほうが多いでしょう。
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