昭和48年2月、富沢幹雄先生と第22期棋聖戦です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/e8/c9c35e20764f2256c5db2d8fbd1a90db.png)
大山先生の向い飛車。当時は42玉は危険だと思われていました。少し前に中原先生は64歩を突いてから囲っていましたね。それが共通認識だったかどうかはわからないのですが、この後を見る限りは富沢先生の研究とは思えません。
富沢先生といえば富沢キックといわれる急戦が残っているので研究家のような気がするのですが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/12/0d56c34de18e3ce3e168a48786badcac.png)
これが王手になるのが問題。
今では86歩の時に77角成同銀86歩同銀74歩で向い飛車がつまらないということになっています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/c1/870b17d8339c7ac641ea5352b58850dc.png)
83歩とたたいて飛車が横に逃げて(取り合いでは悪い)また角をぶつける。いかにも振り飛車が上手く指しているという手順です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/e0/ee42d86b54899b0ee76be7c57c676d65.png)
この歩を突くのに違和感があります。74歩を嫌ったのですが、必要もないような。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/3e/81767c2a289629588365ef44f78f0e3a.png)
その歩が浮いたので取られることになりました。こういうところ、大山先生の序盤が雑なことがあるのですが、歩損よりも手得がいいと思っているようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/cf/5bfbf0fdc3eb5607fdb3bb4e24364b13.png)
銀を中央に使うのが少し変に感じるのですが、歩越しの飛車なので7筋は怖くない、戻らせてはいけないという手。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/cb/5a9dd496664ef9fe6dc12f033dac77f1.png)
富沢先生の底歩は飛車交換に備えて85飛を狙う意味。でも損な手です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/40/560a27db5f86244930ea1b8e0bc9d9f0.png)
大山先生は軽く歩を成り捨てて、飛車を追えば捕まえられます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/23/a840de071e2952d0f49ee3ee773375a8.png)
飛角交換から角の打ち込み。ここでは互角に見えます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/b6/785c08db82c6b68ffbcc85abbd2bb107.png)
馬を作られて2歩損、富沢先生がうまくやったように見えるのですが、飛車を切られてしまうので、94角成95歩84馬と指して追うほうがいいです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/7e/6c510b2b08ea87fcd5f75f26396a9221.png)
遠見の角がありました。次の61飛と合わせて受け方に困ります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/a2/b8d4c0850cf96a07c03408224541fa77.png)
富沢先生は手順に玉を固めて飛車を合わせます。歩を打たれてここで間違えました。金で取ればまだ長い戦い。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/66/9cebc1bb57bfe5142d6f9173051f7beb.png)
すぐあとに自陣飛車で耐えることに。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/ca/12e08ad9123bd4973d2fef240e8113e5.png)
でも角を切って金を打てば寄が見えてきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/79/367a086274c88bec3283cf5efaf16997.png)
攻め駒2枚では足りないので3枚に増やします。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/5a/2659aae771efc10437bfad137997597a.png)
3枚の攻めですが、守備駒が少ないのでこれで寄っています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/aa/b68f5cb9e747557f8072b79a6b371423.png)
投了図。
序盤に富沢先生が失敗して苦しい展開、でも大山先生も持ち歩が少ないのでよい対応ではなかったようで、中盤は互角です。角を飛を交換、そのあと飛と馬を交換したところでも互角に見えるのですが、遠見の角が好手になりました。富沢先生が悪い手でもないような疑問手が数回。大山先生もあまり良い将棋ではありません。凡局にちかいです。98角だけ見ておけばいいでしょう。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山9段
後手:富沢幹雄7段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 8八飛(28)
8 3四歩(33)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 8六歩(87)
12 同 歩(85)
13 同 角(77)
14 3二玉(42)
15 8三歩打
16 5二飛(82)
17 7七角(86)
18 4四歩(43)
19 7五歩(76)
20 4二銀(31)
21 6六歩(67)
22 5五歩(54)
23 同 歩(56)
24 同 飛(52)
25 4八玉(59)
26 7二金(61)
27 6七銀(68)
28 7五飛(55)
29 5六銀(67)
30 7四歩(73)
31 3八玉(48)
32 7三桂(81)
33 4八銀(39)
34 3三角(22)
35 6五歩(66)
36 8一歩打
37 8二歩成(83)
38 同 歩(81)
39 6六角(77)
40 7六飛(75)
41 6七銀(56)
42 6六飛(76)
43 同 銀(67)
44 4五歩(44)
45 8六飛(88)
46 8三歩(82)
47 5五歩打
48 6七角打
49 9六歩(97)
50 5六歩打
51 5八金(49)
52 8五角成(67)
53 同 飛(86)
54 同 桂(73)
55 6四歩(65)
56 同 歩(63)
57 9八角打
58 2二玉(32)
59 6一飛打
60 3二金(41)
61 6四飛成(61)
62 6二飛打
63 6三歩打
64 同 飛(62)
65 同 龍(64)
66 同 金(72)
67 6一飛打
68 7三飛打
69 3二角成(98)
70 同 玉(22)
71 5二金打
72 3一銀(42)
73 9七桂(89)
74 同 桂成(85)
75 同 香(99)
76 8七角打
77 4一飛成(61)
78 2二玉(32)
79 4三桂打
80 同 角成(87)
81 同 龍(41)
82 6二金(63)
83 7三龍(43)
84 同 金(62)
85 4一飛打
86 9九飛打
87 5三角打
88 投了
まで87手で先手の勝ち
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/e8/c9c35e20764f2256c5db2d8fbd1a90db.png)
大山先生の向い飛車。当時は42玉は危険だと思われていました。少し前に中原先生は64歩を突いてから囲っていましたね。それが共通認識だったかどうかはわからないのですが、この後を見る限りは富沢先生の研究とは思えません。
富沢先生といえば富沢キックといわれる急戦が残っているので研究家のような気がするのですが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/12/0d56c34de18e3ce3e168a48786badcac.png)
これが王手になるのが問題。
今では86歩の時に77角成同銀86歩同銀74歩で向い飛車がつまらないということになっています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/c1/870b17d8339c7ac641ea5352b58850dc.png)
83歩とたたいて飛車が横に逃げて(取り合いでは悪い)また角をぶつける。いかにも振り飛車が上手く指しているという手順です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/e0/ee42d86b54899b0ee76be7c57c676d65.png)
この歩を突くのに違和感があります。74歩を嫌ったのですが、必要もないような。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/3e/81767c2a289629588365ef44f78f0e3a.png)
その歩が浮いたので取られることになりました。こういうところ、大山先生の序盤が雑なことがあるのですが、歩損よりも手得がいいと思っているようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/cf/5bfbf0fdc3eb5607fdb3bb4e24364b13.png)
銀を中央に使うのが少し変に感じるのですが、歩越しの飛車なので7筋は怖くない、戻らせてはいけないという手。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/cb/5a9dd496664ef9fe6dc12f033dac77f1.png)
富沢先生の底歩は飛車交換に備えて85飛を狙う意味。でも損な手です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/40/560a27db5f86244930ea1b8e0bc9d9f0.png)
大山先生は軽く歩を成り捨てて、飛車を追えば捕まえられます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/23/a840de071e2952d0f49ee3ee773375a8.png)
飛角交換から角の打ち込み。ここでは互角に見えます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/b6/785c08db82c6b68ffbcc85abbd2bb107.png)
馬を作られて2歩損、富沢先生がうまくやったように見えるのですが、飛車を切られてしまうので、94角成95歩84馬と指して追うほうがいいです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/7e/6c510b2b08ea87fcd5f75f26396a9221.png)
遠見の角がありました。次の61飛と合わせて受け方に困ります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/a2/b8d4c0850cf96a07c03408224541fa77.png)
富沢先生は手順に玉を固めて飛車を合わせます。歩を打たれてここで間違えました。金で取ればまだ長い戦い。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/66/9cebc1bb57bfe5142d6f9173051f7beb.png)
すぐあとに自陣飛車で耐えることに。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/ca/12e08ad9123bd4973d2fef240e8113e5.png)
でも角を切って金を打てば寄が見えてきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/79/367a086274c88bec3283cf5efaf16997.png)
攻め駒2枚では足りないので3枚に増やします。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/5a/2659aae771efc10437bfad137997597a.png)
3枚の攻めですが、守備駒が少ないのでこれで寄っています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/aa/b68f5cb9e747557f8072b79a6b371423.png)
投了図。
序盤に富沢先生が失敗して苦しい展開、でも大山先生も持ち歩が少ないのでよい対応ではなかったようで、中盤は互角です。角を飛を交換、そのあと飛と馬を交換したところでも互角に見えるのですが、遠見の角が好手になりました。富沢先生が悪い手でもないような疑問手が数回。大山先生もあまり良い将棋ではありません。凡局にちかいです。98角だけ見ておけばいいでしょう。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山9段
後手:富沢幹雄7段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 8八飛(28)
8 3四歩(33)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 8六歩(87)
12 同 歩(85)
13 同 角(77)
14 3二玉(42)
15 8三歩打
16 5二飛(82)
17 7七角(86)
18 4四歩(43)
19 7五歩(76)
20 4二銀(31)
21 6六歩(67)
22 5五歩(54)
23 同 歩(56)
24 同 飛(52)
25 4八玉(59)
26 7二金(61)
27 6七銀(68)
28 7五飛(55)
29 5六銀(67)
30 7四歩(73)
31 3八玉(48)
32 7三桂(81)
33 4八銀(39)
34 3三角(22)
35 6五歩(66)
36 8一歩打
37 8二歩成(83)
38 同 歩(81)
39 6六角(77)
40 7六飛(75)
41 6七銀(56)
42 6六飛(76)
43 同 銀(67)
44 4五歩(44)
45 8六飛(88)
46 8三歩(82)
47 5五歩打
48 6七角打
49 9六歩(97)
50 5六歩打
51 5八金(49)
52 8五角成(67)
53 同 飛(86)
54 同 桂(73)
55 6四歩(65)
56 同 歩(63)
57 9八角打
58 2二玉(32)
59 6一飛打
60 3二金(41)
61 6四飛成(61)
62 6二飛打
63 6三歩打
64 同 飛(62)
65 同 龍(64)
66 同 金(72)
67 6一飛打
68 7三飛打
69 3二角成(98)
70 同 玉(22)
71 5二金打
72 3一銀(42)
73 9七桂(89)
74 同 桂成(85)
75 同 香(99)
76 8七角打
77 4一飛成(61)
78 2二玉(32)
79 4三桂打
80 同 角成(87)
81 同 龍(41)
82 6二金(63)
83 7三龍(43)
84 同 金(62)
85 4一飛打
86 9九飛打
87 5三角打
88 投了
まで87手で先手の勝ち