昭和48年6月、大内先生と第21回王座戦です。
大内先生が中飛車に
さらに穴熊です。大内先生の振り飛車穴熊はいつからでしょうか?端歩を受けてからでも穴熊にするのが大内先生らしいです。大山先生は6筋の位を取ります。対穴熊ということもありますが、7筋よりは6筋の位のほうが角を使いやすいので形がいいです。
この角が問題で、やりたくなるのもわかりますが疑問手です。45歩が王手になるのに金も締まらないうちにけん制はだめです。大山先生は時々こういう手があるのですが、わざと少し悪くしているというか、手詰まりを避けようとしているというか、相手の力を試すようにやってきなさいという手を指すことがあるのです。こういう時に自然な指し手でとがめられると指しにくくなります。だから中原先生に分が悪いのか、という気がします。
45歩に66銀左。これはあまり良い形ではありません。そして44銀。55歩がありますし、31角成には42金21馬51飛という筋で馬が死にます。私もかなり前にこの筋にはまり、困ったことがあります。
しっかり金を寄せて穴熊が大分堅くなりました。金の動きの制約(52金とできない)がある中飛車に穴熊は相性が良いです。一方大山先生の囲いは5筋が手厚いのですが、穴熊に対して85歩と伸ばせないので穴熊攻略はやりにくく、横から攻めるしかなくなります。端の突き合いがあっても86角を移動しないと端攻めはやりにくいのです。つまりは大山先生の作戦負け。しばらくは我慢するしかありません。
その我慢ができなくて37桂と使ってしまったので攻撃目標ができた大内先生は3筋から動きます。
詰められている端から攻めるというのが驚きます。14同香は15角27飛36歩があるので取れません。こういうところ、ごめんなさいと16歩というのはプロはやらないのですが、我慢するのもあるように思います。
2筋を破ったけれど25飛37角成32と では74桂もあるので自信なし。
成香を引かれて飛車が助からないので32と から取り合いしかありません。
大山先生は41とを使って攻め合いしかないです。横からだけしか攻められないので大内先生が有利。
互いに飛車と と金で攻め合い
香車が急所に入りました。大内先生が自然に優位を広げます。
派手な手が出ます。これで飛角総交換かと思ったら
大山先生が飛車を逃げ、大内先生も馬を寄せます。これで87の地点を狙う寄せを見ます。44銀が取られるので気が付きません。こうなるのなら大山先生は17飛成のほうがよかったということですね。
銀を取られても79銀は急所。
飛車も使って大内先生は4枚の攻めになりました。寄せ合いは駄目なので大山先生は受けようとしますが
香を捨てて
竜を切って銀打で決まります。
これで詰みです。
86角のけん制は振り飛車穴熊から見れば対応しやすく、早すぎました。85歩まで伸ばしてから86角ならよかったのですが。大内先生のほうから1筋の端攻めが好手、59角成から69馬というのも好手。怒濤流の名前のままの一気の寄せが見事です。大内先生の快勝譜です。上下逆にしてみてください。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山9段
後手:大内延介8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 5六歩(57)
8 5四歩(53)
9 2五歩(26)
10 3三角(22)
11 6八玉(59)
12 5二飛(82)
13 7八玉(68)
14 6二玉(51)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 6八銀(79)
18 7二玉(62)
19 5八金(49)
20 4三銀(42)
21 5七銀(48)
22 8二玉(72)
23 6六歩(67)
24 9二香(91)
25 6五歩(66)
26 9一玉(82)
27 6七銀(68)
28 8二銀(71)
29 7七角(88)
30 7一金(61)
31 8八玉(78)
32 5一金(41)
33 8六角(77)
34 4五歩(44)
35 6六銀(67)
36 4四銀(43)
37 6七金(58)
38 5三銀(44)
39 7八金(69)
40 6二金(51)
41 3六歩(37)
42 5一飛(52)
43 1六歩(17)
44 4四銀(53)
45 3七桂(29)
46 4一飛(51)
47 1五歩(16)
48 3五歩(34)
49 2六飛(28)
50 1四歩(13)
51 同 歩(15)
52 同 香(11)
53 2四歩(25)
54 1九香成(14)
55 2三歩成(24)
56 1五角(33)
57 2七飛(26)
58 1八成香(19)
59 3二と(23)
60 2六歩打
61 4一と(32)
62 2七歩成(26)
63 2五桂(37)
64 3七と(27)
65 1二飛打
66 1七飛打
67 4二と(41)
68 4七と(37)
69 5二と(42)
70 7二金(62)
71 2七歩打
72 8四香打
73 7七角(86)
74 5七と(47)
75 同 銀(66)
76 5九角成(15)
77 2二飛成(12)
78 6九馬(59)
79 4四角(77)
80 7九銀打
81 7七玉(88)
82 2七飛成(17)
83 6八銀打
84 同 銀(79)
85 同 金(67)
86 8七香成(84)
87 同 玉(77)
88 5七龍(27)
89 同 金(68)
90 8六銀打
91 同 玉(87)
92 7八馬(69)
93 5八飛打
94 8七金打
95 投了
まで94手で後手の勝ち
大内先生が中飛車に
さらに穴熊です。大内先生の振り飛車穴熊はいつからでしょうか?端歩を受けてからでも穴熊にするのが大内先生らしいです。大山先生は6筋の位を取ります。対穴熊ということもありますが、7筋よりは6筋の位のほうが角を使いやすいので形がいいです。
この角が問題で、やりたくなるのもわかりますが疑問手です。45歩が王手になるのに金も締まらないうちにけん制はだめです。大山先生は時々こういう手があるのですが、わざと少し悪くしているというか、手詰まりを避けようとしているというか、相手の力を試すようにやってきなさいという手を指すことがあるのです。こういう時に自然な指し手でとがめられると指しにくくなります。だから中原先生に分が悪いのか、という気がします。
45歩に66銀左。これはあまり良い形ではありません。そして44銀。55歩がありますし、31角成には42金21馬51飛という筋で馬が死にます。私もかなり前にこの筋にはまり、困ったことがあります。
しっかり金を寄せて穴熊が大分堅くなりました。金の動きの制約(52金とできない)がある中飛車に穴熊は相性が良いです。一方大山先生の囲いは5筋が手厚いのですが、穴熊に対して85歩と伸ばせないので穴熊攻略はやりにくく、横から攻めるしかなくなります。端の突き合いがあっても86角を移動しないと端攻めはやりにくいのです。つまりは大山先生の作戦負け。しばらくは我慢するしかありません。
その我慢ができなくて37桂と使ってしまったので攻撃目標ができた大内先生は3筋から動きます。
詰められている端から攻めるというのが驚きます。14同香は15角27飛36歩があるので取れません。こういうところ、ごめんなさいと16歩というのはプロはやらないのですが、我慢するのもあるように思います。
2筋を破ったけれど25飛37角成32と では74桂もあるので自信なし。
成香を引かれて飛車が助からないので32と から取り合いしかありません。
大山先生は41とを使って攻め合いしかないです。横からだけしか攻められないので大内先生が有利。
互いに飛車と と金で攻め合い
香車が急所に入りました。大内先生が自然に優位を広げます。
派手な手が出ます。これで飛角総交換かと思ったら
大山先生が飛車を逃げ、大内先生も馬を寄せます。これで87の地点を狙う寄せを見ます。44銀が取られるので気が付きません。こうなるのなら大山先生は17飛成のほうがよかったということですね。
銀を取られても79銀は急所。
飛車も使って大内先生は4枚の攻めになりました。寄せ合いは駄目なので大山先生は受けようとしますが
香を捨てて
竜を切って銀打で決まります。
これで詰みです。
86角のけん制は振り飛車穴熊から見れば対応しやすく、早すぎました。85歩まで伸ばしてから86角ならよかったのですが。大内先生のほうから1筋の端攻めが好手、59角成から69馬というのも好手。怒濤流の名前のままの一気の寄せが見事です。大内先生の快勝譜です。上下逆にしてみてください。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山9段
後手:大内延介8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 5六歩(57)
8 5四歩(53)
9 2五歩(26)
10 3三角(22)
11 6八玉(59)
12 5二飛(82)
13 7八玉(68)
14 6二玉(51)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 6八銀(79)
18 7二玉(62)
19 5八金(49)
20 4三銀(42)
21 5七銀(48)
22 8二玉(72)
23 6六歩(67)
24 9二香(91)
25 6五歩(66)
26 9一玉(82)
27 6七銀(68)
28 8二銀(71)
29 7七角(88)
30 7一金(61)
31 8八玉(78)
32 5一金(41)
33 8六角(77)
34 4五歩(44)
35 6六銀(67)
36 4四銀(43)
37 6七金(58)
38 5三銀(44)
39 7八金(69)
40 6二金(51)
41 3六歩(37)
42 5一飛(52)
43 1六歩(17)
44 4四銀(53)
45 3七桂(29)
46 4一飛(51)
47 1五歩(16)
48 3五歩(34)
49 2六飛(28)
50 1四歩(13)
51 同 歩(15)
52 同 香(11)
53 2四歩(25)
54 1九香成(14)
55 2三歩成(24)
56 1五角(33)
57 2七飛(26)
58 1八成香(19)
59 3二と(23)
60 2六歩打
61 4一と(32)
62 2七歩成(26)
63 2五桂(37)
64 3七と(27)
65 1二飛打
66 1七飛打
67 4二と(41)
68 4七と(37)
69 5二と(42)
70 7二金(62)
71 2七歩打
72 8四香打
73 7七角(86)
74 5七と(47)
75 同 銀(66)
76 5九角成(15)
77 2二飛成(12)
78 6九馬(59)
79 4四角(77)
80 7九銀打
81 7七玉(88)
82 2七飛成(17)
83 6八銀打
84 同 銀(79)
85 同 金(67)
86 8七香成(84)
87 同 玉(77)
88 5七龍(27)
89 同 金(68)
90 8六銀打
91 同 玉(87)
92 7八馬(69)
93 5八飛打
94 8七金打
95 投了
まで94手で後手の勝ち
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