昭和48年4月、高島弘光先生と第22期棋聖戦です。
大山先生の四間飛車に高島先生は玉頭位取り。
1手前の44歩がうっかりでしょう。62飛とするのが常識です。この歩が取れなくなりました。
高島先生の我慢。打ちたくて打つ人はいないでしょう。
中央を押えて、大山先生が十分な序盤戦です。
6筋の歩を交換して
8筋を攻めます。
高島先生としては角が使えていないので苦しく、金をもってきて守るのですが
7,8筋を制圧されて1筋に代償を求めます。
これで大山先生が駒得になりそう。
高島先生は1筋で香車を取れば一応バランスはとれています。
73のと金で82の金を取るのが普通ですが、63と と使うほうが筋がよいですね。
高島先生の61香は2筋に使いたいのですが仕方なく打った手。
香車を捨ててさらに金を捨てて飛車をさばこうという勝負手です。ここで大山先生は63と だったのですがやや危険。73銀成のほうが安全でした。
75銀が両取りになり
大山先生は角を見切って(銀を取り返さずに)寄せを目指します。
高島先生が2筋を清算して歩を謝るくらいしかないのでは大山先生が勝ちのように見えるのですが
角を打たれてみると先手玉も危険です。
大山先生は15の角を抜いて大丈夫だとみたのです。(角を抜くまでの手順もぴったり)
ここからのしのぎなのですが
連続王手の千日手に逃げられました。
反則負けになるので金打で
金が無くなったので詰みません。
大山先生が作戦勝ちになり、そこから7,8筋を制圧してしまいます。高島先生の端攻めや香金と捨てる手順も見事でした。そこから1手争いの終盤に入ります。結論だけ見れば大山先生が1手勝ちを読み切ったということなのでしょう、でもどこから?早い段階で勝ちだと読んでいるならとんでもない強さです。棋聖戦だと持ち時間が短い方でしょうから、時間切迫の終盤戦で67角の当たりから勝ちを読み切ったのなら強いプロです。
終盤が読めなければ、角は渡さないで73銀成とするでしょうし、角を取られても銀を取り返してゆっくり行くところでしょう。香を持っていれば67角は58香で受かりそうなので安全な勝ち方です。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山9段
後手:高島弘光7段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 8四歩(83)
5 7八銀(79)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 5四歩(53)
9 4八玉(59)
10 4二玉(51)
11 3八玉(48)
12 3二玉(42)
13 6七銀(78)
14 4二銀(31)
15 2八玉(38)
16 1四歩(13)
17 1六歩(17)
18 5二金(61)
19 3八銀(39)
20 5三銀(62)
21 5六歩(57)
22 3五歩(34)
23 5八金(69)
24 3三銀(42)
25 6五歩(66)
26 8五歩(84)
27 7七角(88)
28 3四銀(33)
29 6六銀(67)
30 4四歩(43)
31 5五歩(56)
32 6二飛(82)
33 5四歩(55)
34 同 銀(53)
35 6七金(58)
36 5三歩打
37 5六金(67)
38 4二金(41)
39 4六歩(47)
40 4三銀(54)
41 5五歩打
42 2四歩(23)
43 7五銀(66)
44 3三角(22)
45 6四歩(65)
46 同 歩(63)
47 同 銀(75)
48 6三歩打
49 7五銀(64)
50 2五歩(24)
51 8六歩(87)
52 8二飛(62)
53 8八飛(68)
54 8六歩(85)
55 8四歩打
56 7四歩(73)
57 8六銀(75)
58 6二金(52)
59 8五銀(86)
60 7三金(62)
61 7五歩(76)
62 同 歩(74)
63 7四歩打
64 7二金(73)
65 6六角(77)
66 1五歩(14)
67 同 歩(16)
68 2六歩(25)
69 同 歩(27)
70 2五歩打
71 7五角(66)
72 2六歩(25)
73 8三歩成(84)
74 同 飛(82)
75 8四銀(85)
76 8二飛(83)
77 8三歩打
78 9二飛(82)
79 7三歩成(74)
80 1八歩打
81 同 香(19)
82 1七歩打
83 同 香(18)
84 7三桂(81)
85 7四歩打
86 1六歩打
87 同 香(17)
88 2五銀(34)
89 7三歩成(74)
90 1六銀(25)
91 8二歩成(83)
92 同 金(72)
93 6三と(73)
94 7四歩打
95 6四角(75)
96 6一香打
97 6二歩打
98 同 香(61)
99 同 と(63)
100 8三金(82)
101 6三と(62)
102 8四金(83)
103 同 飛(88)
104 7五銀打
105 8一飛成(84)
106 6四銀(75)
107 2四歩打
108 同 角(33)
109 2五歩打
110 1五角(24)
111 2四香打
112 2七歩成(26)
113 同 銀(38)
114 同 銀成(16)
115 同 玉(28)
116 2二歩打
117 1二歩打
118 6七角打
119 2二香成(24)
120 同 玉(32)
121 1四桂打
122 3三玉(22)
123 2四銀打
124 3四玉(33)
125 1五銀(24)
126 4九角成(67)
127 3八角打
128 1六銀打
129 同 玉(27)
130 3八馬(49)
131 2七銀打
132 同 馬(38)
133 同 玉(16)
134 4九角打
135 3八角打
136 1六金打
137 同 玉(27)
138 3八角成(49)
139 2六玉(16)
140 投了
まで139手で先手の勝ち
大山先生の四間飛車に高島先生は玉頭位取り。
1手前の44歩がうっかりでしょう。62飛とするのが常識です。この歩が取れなくなりました。
高島先生の我慢。打ちたくて打つ人はいないでしょう。
中央を押えて、大山先生が十分な序盤戦です。
6筋の歩を交換して
8筋を攻めます。
高島先生としては角が使えていないので苦しく、金をもってきて守るのですが
7,8筋を制圧されて1筋に代償を求めます。
これで大山先生が駒得になりそう。
高島先生は1筋で香車を取れば一応バランスはとれています。
73のと金で82の金を取るのが普通ですが、63と と使うほうが筋がよいですね。
高島先生の61香は2筋に使いたいのですが仕方なく打った手。
香車を捨ててさらに金を捨てて飛車をさばこうという勝負手です。ここで大山先生は63と だったのですがやや危険。73銀成のほうが安全でした。
75銀が両取りになり
大山先生は角を見切って(銀を取り返さずに)寄せを目指します。
高島先生が2筋を清算して歩を謝るくらいしかないのでは大山先生が勝ちのように見えるのですが
角を打たれてみると先手玉も危険です。
大山先生は15の角を抜いて大丈夫だとみたのです。(角を抜くまでの手順もぴったり)
ここからのしのぎなのですが
連続王手の千日手に逃げられました。
反則負けになるので金打で
金が無くなったので詰みません。
大山先生が作戦勝ちになり、そこから7,8筋を制圧してしまいます。高島先生の端攻めや香金と捨てる手順も見事でした。そこから1手争いの終盤に入ります。結論だけ見れば大山先生が1手勝ちを読み切ったということなのでしょう、でもどこから?早い段階で勝ちだと読んでいるならとんでもない強さです。棋聖戦だと持ち時間が短い方でしょうから、時間切迫の終盤戦で67角の当たりから勝ちを読み切ったのなら強いプロです。
終盤が読めなければ、角は渡さないで73銀成とするでしょうし、角を取られても銀を取り返してゆっくり行くところでしょう。香を持っていれば67角は58香で受かりそうなので安全な勝ち方です。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山9段
後手:高島弘光7段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 8四歩(83)
5 7八銀(79)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 5四歩(53)
9 4八玉(59)
10 4二玉(51)
11 3八玉(48)
12 3二玉(42)
13 6七銀(78)
14 4二銀(31)
15 2八玉(38)
16 1四歩(13)
17 1六歩(17)
18 5二金(61)
19 3八銀(39)
20 5三銀(62)
21 5六歩(57)
22 3五歩(34)
23 5八金(69)
24 3三銀(42)
25 6五歩(66)
26 8五歩(84)
27 7七角(88)
28 3四銀(33)
29 6六銀(67)
30 4四歩(43)
31 5五歩(56)
32 6二飛(82)
33 5四歩(55)
34 同 銀(53)
35 6七金(58)
36 5三歩打
37 5六金(67)
38 4二金(41)
39 4六歩(47)
40 4三銀(54)
41 5五歩打
42 2四歩(23)
43 7五銀(66)
44 3三角(22)
45 6四歩(65)
46 同 歩(63)
47 同 銀(75)
48 6三歩打
49 7五銀(64)
50 2五歩(24)
51 8六歩(87)
52 8二飛(62)
53 8八飛(68)
54 8六歩(85)
55 8四歩打
56 7四歩(73)
57 8六銀(75)
58 6二金(52)
59 8五銀(86)
60 7三金(62)
61 7五歩(76)
62 同 歩(74)
63 7四歩打
64 7二金(73)
65 6六角(77)
66 1五歩(14)
67 同 歩(16)
68 2六歩(25)
69 同 歩(27)
70 2五歩打
71 7五角(66)
72 2六歩(25)
73 8三歩成(84)
74 同 飛(82)
75 8四銀(85)
76 8二飛(83)
77 8三歩打
78 9二飛(82)
79 7三歩成(74)
80 1八歩打
81 同 香(19)
82 1七歩打
83 同 香(18)
84 7三桂(81)
85 7四歩打
86 1六歩打
87 同 香(17)
88 2五銀(34)
89 7三歩成(74)
90 1六銀(25)
91 8二歩成(83)
92 同 金(72)
93 6三と(73)
94 7四歩打
95 6四角(75)
96 6一香打
97 6二歩打
98 同 香(61)
99 同 と(63)
100 8三金(82)
101 6三と(62)
102 8四金(83)
103 同 飛(88)
104 7五銀打
105 8一飛成(84)
106 6四銀(75)
107 2四歩打
108 同 角(33)
109 2五歩打
110 1五角(24)
111 2四香打
112 2七歩成(26)
113 同 銀(38)
114 同 銀成(16)
115 同 玉(28)
116 2二歩打
117 1二歩打
118 6七角打
119 2二香成(24)
120 同 玉(32)
121 1四桂打
122 3三玉(22)
123 2四銀打
124 3四玉(33)
125 1五銀(24)
126 4九角成(67)
127 3八角打
128 1六銀打
129 同 玉(27)
130 3八馬(49)
131 2七銀打
132 同 馬(38)
133 同 玉(16)
134 4九角打
135 3八角打
136 1六金打
137 同 玉(27)
138 3八角成(49)
139 2六玉(16)
140 投了
まで139手で先手の勝ち