大山将棋研究（86）; 位取り中飛車

昭和48年2月、丸田先生と第27期A級順位戦です。


大山先生の位取り中飛車。

丸田先生は袖飛車を見せてから玉頭位取り。しかしこれでは作戦分裂で、袖飛車は別にしても位取り中飛車に対しての玉頭位取りで成功した将棋を知りません。

大山先生はその位に向かっていきます。この時に後手の63銀62飛は働きがなく、大山先生のほうには無駄な手がないのですから、堂々とした作戦勝ちです。

36歩と突かれて取れずに桂馬を跳ねますが弱点が増えただけなのでつぶれそうです。こんなことなら23銀と引いて36歩同歩同銀に34歩と謝ったほうがよかったです。

銀が死にそうなので4筋を突くのですが、ここも弱点になります。

これで丸田先生は歩切れ。

歩がないので金も繰り出しても押さえられません。こうなれば大山先生が有利なので自然な好手がどんどん出てきます。まずは1枚はがして

玉頭に拠点を作り

またはがして

桂馬を取ります。

これで投了図。大山先生の快勝で、丸田先生には全くいいところがありませんでした。

こういう将棋を見ると位取り中飛車は優秀なのだなあと思います。気持ちよく並べられるでしょう。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割：平手　　
先手：大山9段
後手：丸田祐三8段
手数----指手--
1 ７六歩(77)
2 ８四歩(83)
3 ５六歩(57)
4 ３四歩(33)
5 ５五歩(56)
6 ６二銀(71)
7 ５八飛(28)
8 ４二玉(51)
9 ４八玉(59)
10 ３二玉(42)
11 ３八玉(48)
12 １四歩(13)
13 ７七角(88)
14 ５二金(61)
15 ６八銀(79)
16 ４二銀(31)
17 ６六歩(67)
18 ６四歩(63)
19 ６七銀(68)
20 ７四歩(73)
21 ２八玉(38)
22 ６三銀(62)
23 ４六歩(47)
24 ７二飛(82)
25 ８八角(77)
26 ３三銀(42)
27 ５六銀(67)
28 ３五歩(34)
29 ３八銀(39)
30 ４四歩(43)
31 ６八飛(58)
32 ６二飛(72)
33 ５八金(69)
34 ３四銀(33)
35 ９六歩(97)
36 ９四歩(93)
37 ６五歩(66)
38 同　歩(64)
39 同　銀(56)
40 ６四歩打
41 ５六銀(65)
42 ３三角(22)
43 ４七金(58)
44 ２四歩(23)
45 ２六歩(27)
46 ２五歩(24)
47 同　歩(26)
48 同　銀(34)
49 ２六歩打
50 ３四銀(25)
51 ２七銀(38)
52 ４三金(52)
53 ３八飛(68)
54 ２四角(33)
55 ３六歩(37)
56 ３三桂(21)
57 ３五歩(36)
58 同　銀(34)
59 ７九角(88)
60 ４五歩(44)
61 同　歩(46)
62 ４六歩打
63 ４八金(47)
64 ３六歩打
65 同　銀(27)
66 同　銀(35)
67 同　飛(38)
68 ３五銀打
69 ３九飛(36)
70 ３四金(43)
71 ４四銀打
72 ４二金(41)
73 ３五銀(44)
74 同　金(34)
75 ３四歩打
76 ４五桂(33)
77 ３三銀打
78 同　金(42)
79 同　歩成(34)
80 同　玉(32)
81 ４五銀(56)
82 ３六歩打
83 ４四金打
84 ４二玉(33)
85 ３六銀(45)
86 投了
まで85手で先手の勝ち