今日は居飛車の玉の囲いの工夫を見ていこうと思います。
この図のAIの評価値は41でした。では天守閣美濃にして
この図になったら評価値は174、ずいぶん上がっています。玉が堅くて攻撃力があれば優秀なのです。この構想は昔からあったのですが、藤井システムが出現して消えたのです。
この図の評価値は244、あれ?上がっていますね。AIだと攻められても玉の乱れを気にしないから評価が下がらないのかもしれません。でももう少し前から調べると
71玉が甘いようで、62玉63銀の形は評価値97です。41飛~72金~85歩同歩81飛の構想を考えている模様。AIは藤井システムは工夫が足らないというのですね。とりあえず天守閣美濃の構想はボツです。
では所司和晴先生が押していた箱入り娘はどうか。評価値は170、ずいぶん上がりました。
でも64歩を54歩に代えてみると、
45歩33角成同桂37銀22飛
この図を難しいと考えているようで、評価値は116です。居飛車が1手囲うと難しくなるようです。
この頃は金無双の形も見かけるようになりましたが、評価値は56、箱入り娘よりも低いです。45歩よりも32飛と応じる方が良いと考えている模様。先手玉が堅くないと読んでいるのですね。
もっと昔ながらの68銀の形ならば評価値は71、金無双よりもましですが。
この頃流行しているのがエルモ囲い。評価値は58、上がりませんね。ただしもう一手59金としたいところではあり、後手が64歩を突いてくれるならば得で、評価値は167に上がります。45歩33角成同桂37銀の変化で64角を打てるかどうかが関係しているようです。
では居飛車穴熊まで組めたらどうか。評価値は283、穴熊を過大評価しないAIでもさすがにこの図ならば先手の作戦勝ちだと見てくれるようです。まあ振り飛車が工夫をするので、ここまで組ませてくれることはないでしょうが。
藤井システム関連を見ておくと、
この図で評価値164、振り飛車が藤井システムばかり考えていた時には、特効があります。
82玉が64歩に代わっていても+178、端の位を取られていない方がさらに高いとは。これをもう少し掘り下げて、後手番で急戦を仕掛けた場合は
先手が46歩を突いている形が多いでしょうか。78飛76歩同銀72飛65歩77角成同飛55銀67銀77飛成同桂76歩同銀79飛71飛77飛成67角
初日の検討と同じ手順で進めた時にはほぼ互角の戦いだったのですが、ここから46銀と歩を取れるのが大きいようです。81飛成79竜34角51桂67銀55角
この図は評価値-454、後手有利なのです。振り飛車が先手番だと、その一手を何に使うかが問題なのでした。
今日のところをまとめると
居飛車が玉の囲いを工夫しても効果は見られにくい。ただし、振り飛車が不用意に待っていると効果がある。
ということです。最後の変化が象徴的ですね。まだまだ使える戦法なのでしょう。
明日は振り飛車の工夫を見てみます。