すぜに先手の旗色が悪いのですが、振り飛車の変化のいくつかを検討します。
38飛に22角と引く手。この図は45銀と出ることができます。後手43銀に対して右46銀急戦ならば36銀と引くのですが
準急戦を考えていたのならば手得になるのでしょう。でもAIの評価値は-155で後手ペースです。31角46歩64角35歩・・・を考えているようです。
定跡の手は45銀43銀に32飛成同銀44銀と斬り込みます。
43歩33歩23銀(33同桂には23歩が痛い)
初めて見たら驚くのですが、43銀成同金41飛と攻め込んで、後手は32銀打と受けます。(他に42飛の受けもある。)
32同歩成同銀で飛が死んでいるのですが、71銀の王手。
71同金同飛成同玉と美濃囲いの金を王手で剥がす(後手から88角成の余裕を与えない)のが大きくて
22角成とした局面は先手優勢(評価値1600)です。駒を取れるし、後手玉が薄くなっています。後手が直線的に応じないかもしれませんが、先手ペースで、すぐに有利になるでしょう。
もう一つ43金と受ける変化があって、
一目は34飛同金43銀なのですが(私はこういう両取りが見えないのですが)45歩
とされて後手良し、ではなくて55銀と捨てる手があって難解です。AIの評価値は-12、55同角同歩33飛以下を読んでいます。
ということで飛を切るのではなくて35銀とぶつけます。
この後も面倒で、23銀34歩22角46歩
と進むのですが、渡辺明先生の推奨は46歩ではなくて59銀です(評価値87)。この図の評価値は83、先手ペースのようですがはっきりしません。昔の定跡書には34金同銀同銀と書いてありましたが、それも必然ではないです。ということで大山流の43金は難解です。
残りの主要変化としては、準急戦です。
2筋もつき捨てずに、38飛ではなくて35歩を打ちます。43銀に37銀引から
先手の理想としてはこういう図で、評価値は+130、でもまだ難しいのですね。
後手としては37銀引には34歩と反発することになっていて、
36銀35歩同銀45歩
33角成同飛36歩64角
37銀は35飛同歩36歩なので、37角42角
24歩同歩同飛23歩28飛34歩26銀32飛
手順は必然でもないですが、角銀の形が悪いです。評価値は+52でこれからですが。
こういう変化を嫌うと37銀引のところでは37銀上を選ぶのですが、
38歩同飛45歩
というさばきがあって、33角成同桂57銀35飛36銀32飛35歩64角
これも難しいです。評価値-7で、37角44銀64角同歩・・・を読んでいます。
他に右46銀急戦の時にAIが示した36歩は
評価値+1で全くの互角です。
消極的な後手の22角は先手が良くなりますが、大山流の43金でも難解でした。準急戦も居飛車が指したい感じではありません。どうも左46銀急戦は居飛車の旗色が悪いです。明日はもう少し工夫できないかを見てみます。