昨日書いた手順に対しての工夫を見ていきます。
私が好んで指していたのは、
55銀ではなくて57銀と引く形です。金銀3枚の美濃囲いよりも、金銀4枚の舟囲いのほうが堅いのです。(AIの評価値は-58)
定跡書では43銀33飛成同桂31飛43銀
33飛成に44角があるから後手良しとされています。評価値は-26、飛と角桂の交換なのでまだひどくはないのですか。マイナスなので研究としては失敗です。
私の指していたのは、33飛成ではなくて34歩。かなり昔の将棋世界の付録に、この研究を有野芳人先生が書いていたのです。34同飛同飛同銀
31飛39飛22角43角。20年くらい前に全国大会に出た時に、この将棋になって勝っています。もちろん付録には43角という手はないのですが、評価値は122です。まあまあ通用すると安心したのですが、途中で落とし穴がありました。
Aiの指摘で39飛ではなくて22角。34飛成99角成66角98飛
88銀88角成同角99銀77銀84香。
評価値-450で後手有利です。79金に96竜から攻められるだけとは。ということで、この居飛車の工夫は失敗であるということになりました。
これは振り飛車からの工夫なのですが、
43銀と引いて飛をぶつける前に、角を打ち込むのが小阪昇先生の新手です。(ただし実際に指されたのは振り飛車が先手で64歩の形でした。)37飛49角成22角
ここで分岐するのですが、25銀33角成36歩
11馬37歩成同桂38飛68金寄36銀
これで寄せ合いへと移ります。評価値は67、案外にバランスが取れているのか。
実戦では25銀ではなくて36歩のほうで
36同飛35銀16飛46歩同歩16馬同歩39飛
評価値203ならば先手良しとして良いでしょうか。
途中をAIに聞いてみると
27角には28飛のほうが有力です。49角成44銀31飛33歩
これで評価値は158、なんだ、小阪新手は怖くなかったのか。私が右46銀の急戦をやめた原因でしたけど。
もっとAIであれこれ検証を進めていくと、
38飛とするのではなくて、36歩と打つのだと言います。相居飛車の早繰り銀の将棋ならばよく見かけるのですが。ここから54歩24歩同歩35銀23銀44銀22角35銀88角成同玉34歩46銀、あるいは43銀35銀22飛37桂~34歩46銀、あるいは45歩33角成同桂35銀、どれも難しい変化です。評価値は先手がプラスだけど、+100までいかないくらい。新しい手を教えてもらったけれど、まだ使えるというほどでもありません。
あとは古くからある変化ですが、
35歩と打って、銀を引いて立て直す順は準急戦と呼ばれます。
この仕掛けで+107、まあまあでしょうか。
ただし後手は36銀型を簡単に許してはくれなくて
37銀の時に15角。36銀34歩同歩同銀24歩同角44角
43銀33歩同角同角成同飛35歩
評価値+85、互角の戦いです。この変化は急戦策がうまくいかない場合の避難先として使えそうですね。
今日は居飛車の攻め方の工夫を中心に見てみました。次は玉の囲いを工夫する方向を見てみましょう。