名南将棋大会ブログ 名古屋

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SS1-1 四間飛車に右46銀急戦(4)

2023-04-04 | 基本定跡の研究

今日は後手の工夫を見ていきます。

これまでは52金左35歩32飛34歩同銀38飛45歩・・・という自然な手順でしたが、この図の後手には選択肢があります。

まず32金ですが、私は55歩としていました。(大学生の頃に考えました。)

持久戦になればこれからです。位取りになれば後手の32金は生きないだろうと考えていました。AIの読み筋は54歩37桂55歩同銀35歩

振り飛車が決戦して難しいと。評価値は+85です。もう少し掘り下げると、54歩52飛24歩同角53歩成同飛44銀54飛43銀成同金11角成36歩

こんな図を読んでいるようです。

戻って、32金には37桂が普通だとされています。

この図で評価値は+77。まあこれからの将棋です。居飛車から攻めるのが難しくなってはいますが、恐れる対抗策ではないでしょう。AIの読みは後手から54銀~45歩と攻めたいようです。定跡としては、先手が攻める方で、

後手が受けに回って、35歩からの攻めは難しくて、左美濃(天守閣美濃)にしてこれから、という結論だったと思います。大山先生が好みそうな作戦でした。

次の工夫は32銀。

手損ですが難しいとされていました。37桂43銀16歩52金左26飛54歩35歩

居飛車は右桂を跳ねてから仕掛けます。こういうのは2手損が利いているので(今ならば)先手よしのはず。AIの評価値は+214です。こんなことならば最初から43銀としなければ良いのですが、それは居飛車が別の攻め方を採用することになります。(明日から調べます。)

他の工夫としては、32飛35歩42金

金の位置を42にした方が受けやすいかどうかです。AIの評価値は+135、なぜか先手の評価が上がっていて、55歩を突いてゆっくり攻める手を読んでいます。42金のねらいとしては、34歩同銀38飛45歩

33角成同飛55銀43銀33飛成同桂

31飛~33飛成という順がないので難しく、評価値は-47.後手の工夫としては成功でしょう。

あるいは45歩で22角と引いてゆっくりというのもあります。

52金の形ならば45銀同歩22角成同飛34飛という攻めがあった(ゆえに54銀43銀36銀で準急戦になる)のですが、この図では45銀は同銀32飛成同金で銀損です。AIの評価値は+202、すぐに攻める手はないけれど、駒組に戻して不満なしと見ているようです。

他には54歩として、35歩に45歩

というところでしょうか。先手としては悩ましいですが、堂々と45銀と取って評価値+140。1局ではありますが有力な変化にはなりません。

 

初回に出した基本手順で後手が悪くはないので、こういう後手の工夫の評価は(後手にとって)高くならないです。後手の形によっては(藤井システムスタートだとか)考えても良い変化だというくらいの認識です。

とりあえず互いの工夫は書き尽くしたと思いますが、結論としては後手が自然に応じて不満なしだと思います。先手は居飛車穴熊を目指す途中で、後手の形によっては有力な攻め筋である、と覚えておくのが良いでしょう。

右46銀の急戦としてはもう一つ違う形があります。それは明日から。

 

 

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