4月も半ばを過ぎ、このところご近所の方々との会話の中、そして陶芸教室での語らいにおいても「ゴールデンウイークはどのように過ごすの?」という会話が頻繁に交わされています。旅行や趣味三昧の予定を楽しげに話す皆さんの笑顔を見ながら、来たるべき連休へ向けて、毎日 ユルユルながらではありますがおもてなしへ向けて程々の準備を進めています。
ウチの工房の場合、ゴールデンウイークといっても陶芸教室自体は普段となんら変わりはありません。ただ唯一異なるのは、お越しになられるお客様の数が圧倒的に増えること…。年に数回ほどの長い休日に際して、ウチの工房でいかに楽しんでいただけるか、今からちょっぴり期待と不安の日々が続きます。
ご近所のお店仲間さんとの会話の中でも同じような感じで「この連休、お互いに頑張ろうね。お客様に喜んでもらえるようにしようね」と、エールを送り合う卯月の日々…。
ともあれ、来たるべきゴールデンウイークを約1週間後に控えた先日、久方ぶりに華のお江戸に「納品&ミーティングツアー」。
都内各所をまわって帰途につく途中、恵比寿ガーデンプレイス近くのお花屋「ルーモアズ」さんに立ち寄ってみました。このお店はワタシにとってはココロの友であるカメラマン・高岡雅之氏のお友達夫妻が切り盛りしています。
お花に関しては甚だ不案内なワタシですが、入口付近に展示販売されていたオリーブの樹の見事な枝ぶりにビックリ。四国の愛媛県松山市方面にて生産、ならびに手入れを施されてきたとのことで、価格はたしか5万円だったような…。単に5万円と聞くと高いように思いますが、価格の数倍以上の存在感、そして成長へ向けての「夢」が広がることは間違いありません。それにつけても、枝ぶりに見惚れてしまい、写真を撮り忘れてしまったことがつくづく惜しかったぁ。
恵比寿のオサレな雰囲気の街中に佇む「ルーモアズ」さんに「バイバイ」と手を振って、愛車メガーヌのシートに身を納めると、ドアミラーには「サッポロビール」の本社建物が映っていました。
「そうそう、ここ恵比寿はあのヱビスビール発祥の地」などと思い起こしながらメガーヌを駆っていると、アッという間に港区三田にある輸入雑貨のお店「イル ヴィアッジョ」さんに到着です。
店内には、ワタシの定番アイテムの豆皿をはじめ四角大皿やワインカップがディスプレイされていました。いつものことながら、このお店を訪れるたびに「購買意欲が湧き起こるディスプレイのヒント」のようなものをいただいています。
生まれてから40年以上も住み続けていた故郷・東京を巡るたびに「やっぱり東京は良い刺激を与えてくれるなぁ」との想いを強くしています。と同時に「でも、東京はたまに出て来るくらいがいいかなぁ。もう今は、身もココロも神奈川県民…」と軽く啖呵のひとつも口をついて出ます。az soon as、助手席に座っているウチの同居人さん ( この人は根っからの神奈川県民)から「アナタの県民度はまだまだ発展途上です」といなされて、「スミマセン…」しながら首都高横浜湾岸線クルーズのお供は3月にリリースされたサザンオールスターズのこのアルバム。
収録された全16曲中、特に「はっぴいえんど」「ピースとハイライト」「東京VICTORY」そして「栄光の男」の4曲がココロに沁みて沁みて、夜な夜な独りでしんみりと聴きこんでいます…。
「ピースとハイライト」と「栄光の男」に関しては、かつてこちらにて思いを記した記憶があります。
そして「東京VICTORY」の中のこのセンテンスは「たぶん、福島のあの街!?…」と思わずにはいられません…。「TOKYO」は「時よ…」を意味してることも明らかなようだし。
かの大震災から4年を経てもなお、福島の地に戻れない多くの人たちの中にはワタシの友人知人もいます。この曲を聴くたびに「福島のかの地で暮らしていた人たちにVICTORYを!」と思うのはワタシだけなのでしょうか…。
「栄光の男」という作品に際しては、はじめて曲を聴いたときに「なんで、この詞が入ってくるの?。ちょっと意味不明…」と、ウチの同居人さんから少々問い詰められたことがありましたっけ。
でもね…。かつてオトコの端くれだった当時の記憶をたどれば、元々たいしたことない立場はさておき「酔ったフリしてさ 足が触れたのは故意とだよと」なんてことは、確かにあったような気がしないでも。今ではその気力も勇気もすっかり失せてしまったことへのあきらめや達観した感じ…を表わしているように思えるのですが、オンナの人にはたぶん解らないかも。
「う~ん、ボクの県民度は発展途上ですが、キミの『オンナのオジサン指数』もまだまだ発展途上!」とひとり勝手にやり込めた気分になるのが関の山、ということなのでしょう。
そして「はっぴいえんど」…。
JTBのCMのバックに流れていることもあり、瞬く間にファンの心をとらえたようで、ウチの陶芸教室に来る方々の間でも話題になることが多く、サザンの名曲になりそうな予感がいっぱいです。その「はっぴいえんど」というタイトルのバックグラウンドをはじめ、早くもいろいろな「神話」が生まれ始めていますが、ウチに来た方々の多くが「♪旅の途中で羅針盤 キミに預けて…というあの曲ですね」と、目を細めながら自ら歩んできた人生をふり返っているようです。ちなみにわが家の場合、羅針盤は同居人さんが最初から操っています。その羅針盤がワタシの手元にゆだねられることは永久に無いように思います…。
しばし閑話休題。
そしてワタシとしては自分勝手に、桑田さんがライフワークたる音楽活動の同志として、そして同時に日常の同居人たる妻・原由子さんに初めてこの曲を歌い聴かせた時、彼女の頬には一筋の涙が流れたのでは…、などと思ってみたりします。さらには、詞の中にさりげなくサザンのメンバーへの感謝の言葉をちりばめていたりして、その心遣いがニクい、ように思います。桑田さん自身、この曲に込めた想いを語る中で「やっぱり人間関係。ひとりじゃ生きてこれない。みんなのおかげ」と振り返っているようです。「人間関係」そして「みんなのおかげ」とはまさに、ワタシが常日頃、とても大事にしていきたいなと思っていること。なんだか、嬉しい気分でいっぱいです…。。
このアルバムの「葡萄」というタイトルを巡っては「女優・大空真弓さんからの葡萄の樹」をはじめ、さまざまな由来が語られているようです。おそらく、そのほとんどが的を得ているのでしょう。そのような中、ウチの同居人さんがこの「はっぴいえんど」という曲を始めて聴いた時にふと洩らした「きっと、たわわに実をつけた葡萄がやがて芳醇なるワインへ進化する過程を、自らの人生にオーバーラップさせたのかな。その想いのすべてがこの『はっぴいえんど』に込められているような気がする‥」などと、珍しくもっともらしいことを言っていました。恥ずかしながら、その説に「なんとなく、ごもっとも」でもあります。
とにもかくにも、アップテンポでありながら妙にココロに響く至極の4曲。愛車メガーヌを運転しながら聴くたびに、なぜか目から勝手に涙がこぼれ落ちてしまいます。この日も涙を流しながら運転するワタシを見た助手席の同居人さんは「なにふざけてるの…」と苦笑いしながら、ハンカチを手渡ししてくれました。
ワタシの心持ちが伝わったのか、フロントガラスにもポツリポツリと春から初夏への移ろいを告げる? 雨がひらひらと。
夕刻の帰宅後、サッポロ「赤星」ビールと芳醇なる「葡萄」サウンドに酔いしれて深酒の挙句、翌朝は久しぶりの二日酔いに見舞われたことは言うまでもありません。
ここで一句。
美味しい葡萄を満喫すれば、其処は朝から はっぴいえんど…。
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