鎌倉 佐助の風街便り

陶芸、街歩き、クルマ、オーディオ・・。思いのまま徒然に

逝く夏、来る秋「こまめ寄席」 浴衣の藍が花盛り。「さよなら夏の日」しじまに響く…

2015-08-30 23:55:28 | 日記

その暑さ、まさに「鬼の如く」苛烈だった夏もほぼ終わりを迎え、このところすっかり秋めいた日々が続いています。今年は秋の訪れも早いのか、もうすでに長袖が手離せないほど…。「もう、残暑もないみたいですね…」などとの会話を交わしながらの日曜午後の陶芸教室ではTOKYO-FMの超人気番組「山下達郎のサンデー・ソングブック」がユルリとオンエア―。というか毎週日曜日、この番組だけは、ほぼワタシの独断!?…という感じで陶芸教室内に流させてもらってます。大好きな山下達郎さんがナビゲートするこの番組ですが、先週、そして今週は彼の妻である竹内まりやさんとともに音楽やプライベートのあれこれを語り合う、この時期恒例の「納涼夫婦放談」ということで、ワタシばかりか会員さん達も熱心に聴いています。

番組オープニングで流れた竹内まりやさんと村田和人さんの名デュエット曲「サマーバケーション」でカツンとココロをつかまれてエンディングの「さよなら夏の日」を聴き終えて身も心も一挙に秋モードまっしぐら。

ふり返れば今から約30年くらい前に「サマーバケーション」という曲がリリースされた時、ワタシは30歳を目前に控えた人生の「夏の頃」!?。そしてそれからややあって今「サマーバケーション」を聴いているワタシは60歳目前の「人生の秋日和」!?。今年はどんな秋になるのでしょうか…。

秋本番を迎える前に、ご近所のお店仲間「甘味処 こまめ」さんでもこの時期毎年恒例のこちらのイベントが。

早いもので「こまめ寄席」は今年で7回目を数えるとか。わが家も毎回、三遊亭遊吉師匠の噺を堪能させてもらっていますが、あらためて自宅から徒歩2分で落語に親しむ場を用意してくれる「こまめ」さんに感謝、感謝!

「浴衣をお持ちの方は是非お召しになり ご来店下さい」とのことで、開場後の店内はあちらにもこちらにも浴衣姿の女性で鈴なり。

驚いたことに、ワタシは何故ゆえかいずれの浴衣美女とも顔見知りではありませんか。

この地に移り住んできたのは生業たる陶芸のため…と思っていたのですが、ふと気がつけば結果的に、錚々たるご婦人がたとの「縁助交際」?にいそしんでいたような感も…。少しばかりお断りしておきますが、かの悪名高き「援助交際」ではなく、あくまでも「縁助交際」です。くれぐれもお間違い、無きようにお願いいたします。

それはさておき、何処からともなく昭和初期に数多くの作品を発表した詩人・中原中也の「帰郷」という詩の中の「ああ おまえは何をして来たのかと 吹き来る風が私に云う…」という一節が浮かんできてしまい、思わず二ガ笑いしながら飲んだビ―ルはちょっぴり渋めの口当たりでした。

「こまめ寄席」の開演に寄せては、お店の女将・かえさんの「口上」からスタート。

「こまめ寄席」の沿革や遊吉師匠とのつながりなどをサクッと説明した後に「来年もウチのお店がありましたら、この『こまめ寄席』も引き続きご贔屓に…」と言って笑いを取るに及び、それは落語の「つかみ」以上に居合わせた客人の心をワシ掴みしたような一瞬でもありました。

そして、「こまめ」のかえさんはじめ、お店を支える「スリートップ」が勢揃い。

右側に佇むユウコさんは、ワタシがお店に立ち寄るたびにとびきりの笑顔で迎えてくれます。そして中央の女性は「こまめ寄席」の主人公たる遊吉師匠を表ではそっと支え、そして蔭ではビシッと鞭を入れているらしいマコ夫人。ちなみに以前も当ブログにて記述しましたが「こまめ」のかえさんと遊吉夫人のマコさんは幼馴染み。そしてこれまた異なもので、遊吉夫人のマコさんとワタシとは今から30年ほど前にベースボール・マガジン社での同僚でもありました。ゆえにワタシとしても「こまめ寄席」に寄せる思いはひとかたならぬものがあることは言うまでもない次第なのです。

前置きがすっかり長くなってしまいましたが、8月最後の日曜午後5時、薄暮の中でいよいよ三遊亭遊吉師匠の高座の始まり。

この日の演目は「城木屋」と「お血脈」の二題。あらすじはともかく、「城木屋」にて遊吉師匠が披露する「品川、川崎、保土ヶ谷、戸塚…。藤沢、小田原、三島に沼津」てえ具合に来て最後に「府中(不忠)…」で収まる軽妙な流れは、ビールを飲む手も思わず固まってしまうほどの流麗な響き‥。重ねがさね「今回もいい噺、聴かせていただきました」…。

演目の幕間、ご近所の友人から「去年のこまめ寄席のワンカット」と促されて、スマホ画面をチラッと。

「こまめ」のかえさんの赤い帯も凛々しい浴衣姿の横に佇む黒い影、すなわちウチの同居人さんの姿に少々、ドギマギ…。なんともあまり見たくない人影に、思わずそっと目をそらすワタシがいました。

「寄席」が撥ね、師匠や知り合いともども、三々五々の撮影タイム。

「浴衣で こまめ寄席」とのお言葉に乗せられてストライプ柄の浴衣で乗りこんでみたものの、記念写真はいささかモジモジ。顔見知りの母娘さんから「センセイ、一緒に撮りましょう」と促されて、照れまくりでワンショットしてもらったものの、その結果は見事なまでに鼻の下を伸ばした「バカボン状態」。されどされど、ワタシはこの一枚を「冥途の土産」として、ともにあの世に持っていきたいなあ、と思う秋の日 也.

両手に花の秋の入り サイドスローでストライプ


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