Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

あまりにも見透かされている

2014-02-20 | Weblog
衛藤晟一首相補佐官は、昨年12月26日に安倍晋三首相が靖国神社に参拝したことに対する米政府の「失望」声明を、逆に批判した。
「米国が「失望」と言ったことに対して、むしろ我々の方が「失望」だ。米国は同盟関係の日本をなぜこんなに大事にしないのか。米国はちゃんと中国にものが言えないようになっている。「我々は失望しているんだ」と中国に対する言い訳として言ったに過ぎない」というのがその内容。
衛藤補佐官はその前の11月米国でラッセル国務次官補らに「首相はいずれ参拝する。ぜひ理解をお願いしたい」と伝えたという。12月初めに在日米大使館にも行き、「(首相の参拝時に)できれば賛意を表明してほしいが、無理なら反対はしないでほしい」とも伝えたらしい。首席公使からは「慎重に」という言葉が返ってきた。
首相自身もバイデン副大統領にそのようなことを伝えているという。
衛藤補佐官は「ユーチューブ」にアップした自身のその発言を撤回、動画を削除した。
といっても自ら進んで削除したのではなく、菅義偉官房長官がこの件について「政府の見解ではないと明言したい。首相の靖国参拝については謙虚に、礼儀正しく、誠意を持って説明し、理解を求めていく」と言い、「首相補佐官は内閣の一員であり、個人的見解は通用しない」と取り消しを指示されたからだという。
安倍首相の参拝は本人、政府自民党が「不戦を誓うため」「中国、韓国の人々の気持ちを傷つけるつもりは全くない」とし、その後の対応についても「対話の窓はオープン」と言いつのっているが、中韓、欧米等からの不信を招いている。
菅氏は今後の日米関係への影響を問われ「取り消したので、そこはないと思っている」と言うが、それは楽観的に過ぎないか。

米下院のロイス外交委員長ら訪日議員団は安倍首相の靖国神社参拝について「中国を利することになるのではないか」と述べた。これは「婉曲表現」というべきで、中国と悶着があっても自己責任であり責任はとれないと言われているのである。
この国の愚かさは極まり、子供じみた表面的な対応じたい、あまりにも見透かされている。

就任会見での従軍慰安婦問題や特定秘密保護法などをめぐる発言が問題になった籾井勝人NHK会長は経営委員会で、「取り消しているし、どこが悪いのか。素直に読めば理解できるはずだ」と開き直った。何の反省もしていない。そして「取り消したのだからいいだろう」という言い方が衛藤補佐官と共通している。
麻生太郎副総理は19日の衆院予算委員会で、安倍晋三首相の昨年末の靖国神社参拝に対する海外の反応について「外務省に正式に抗議が来たとかいう話を、私どもは聞いたことがない」と、とぼけている。

結局「国内向け発言」「取り消したのだからなかったこと」ですむと思っている。
このインターネット社会では、「公式発言」も何も、全ての発言が世界に知らされてしまうし、誰も守ってはくれない。「本音は違うが今回は我慢しておこう」「今は問題を大きくしたくないので謝っておこう」というおためごかしも全て翻訳されていてバレていることになぜ気づかないのか、私はずっと不思議である。
「裸の王様」でさえない。全世界に見透かされている。
ダボス会議で「アベノミクス」も見限られ、過去2年間、日本経済の景気回復を主導してきたとされる偽装された「内需」は落ち込み、先行きにかげりが見られるのは諸方面の指摘を待つまでもない。
日本の孤立は誰にも止められない。

この件で衛藤補佐官が辞職するなら、その責任と失態を認めるなら、当然だが安倍総理も続くべきだ。とっくに自分からそうしているべきだ。ほとんど同じことをより拡大した形でしているからだ。
コメント
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