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“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

落ちてくるのはヘリコプターだけじゃない。

2017-10-18 | Weblog
落ちてくるのはヘリコプターだけじゃない。
今日の共同通信によれば、防衛局によると、米海軍から訓練飛行中の電子戦機が太平洋上に燃料タンクを落下させたと連絡があった、とのこと。
なんでもかんでも勝手に落とすな。

一週間前、沖縄県東村の民間地に米軍普天間飛行場(宜野湾市)所属のCH53E大型輸送ヘリコプターが墜落、炎上した。
そして事故の原因も究明されぬまま、沖縄県関係者や政府の飛行停止の申し入れも無視して、今日は事故を起こしたのと同型のCH53型のヘリが高江の上空を飛んでいるという。

在日米海兵隊は、共同通信に対し、ヘリの一部に放射性物質が使用されていると明らかにしている。
放射性物質はインジケーターと呼ばれる複数の部品で使用されていた。沖縄県は、ストロンチウム90が含まれている可能性があるとして、有害物質の環境調査を始めている。海兵隊は、健康被害を引き起こすほどでなく既に全量を取り除いたとしている。
かつての沖縄国際大学でのヘリコプター墜落事故では、米軍ヘリにはローターブレードの傷を検出するためにストロンチウム90を使っている機種があることは普通に報道されていた。なぜ早く伝えない。
民間人や消火にあたった人たちに、接近すると危険であることを告げなかった?
放射能汚染などに詳しい矢ヶ崎克馬琉球大名誉教授が炎上現場の風下280メートル付近の牧草地など複数箇所で放射能測定したところ、1平方メートル当たり81ベクレルのベータ線が検出されたという。

在沖米軍のローレンス・ニコルソン四軍調整官は、この件について翁長知事に対する態度が強硬と伝えられている。
知事から呼び出しを受けて、「用があるならそっちが来い」と言ったとか、言わなかったとか。
彼は昨年十二月のオスプレイ墜落でもひどい態度だった。

あのとき、キャンプ瑞慶覧内の建物で始まった記者会見で、ニコルソン氏は米軍パイロットを「称賛」した。
「彼の行動は沖縄を守った」「あれだけの損傷で着陸を試みられたのはオスプレイの丈夫さを物語る」「市街地に落ちず、住宅や県民に被害を与えなかったことは感謝されるべきで、表彰ものだ」と言い、安慶田光男副知事からの抗議に反発、興奮して怒ったということだった。
安慶田副知事によると、ニコルソン氏からは「抗議書の中にパイロットに対する気遣いがあってもいい」「政治問題化するのか」などの発言も聞かれ、テーブルを叩いて怒りを示す場面もあったという。副知事は「謝罪も全くなかった。抗議文を渡す時も顔色を変えて怒っていた。人間性を疑う」と憤っていた。

あのときのオスプレイ墜落現場は、ジュゴンの目撃の多いことでも知られる、安部集落から、数百メートルしか離れていない海岸。海縁りのホテルからもほど近く、陸から八十メートルしか離れていない場所だったという。辺野古、キャンプシュワブにも近い。
そもそも米軍機は22時から翌朝6時までは飛ばないことになっていたはずだったが、その時間は過ぎていた。高江と辺野古のほぼ中間地点。だから高江での演習からの帰りかもしれなかった。オスプレイの降りる伊江島と地理的に結べば、名護市街地上空も墜落危険地帯である。

沖縄タイムスの北部報道部・伊集竜太郎記者はニコルソン会見報告の記事の最後に、「県民意識とのあまりの乖離に頭に血が上り、悔しくて涙が出た」と書いていた。
あのときは同じ日、オスプレイ一機が普天間基地に胴体着陸していた。
オスプレイは、オートローテーション機能のない欠陥機。日本の航空法上では、航空機として認定されないはずだという。今回のCH53E型よりも危険なのだ。

沖国大のヘリ墜落事故の教訓は、全く生かされていない。
危険物を積んだ新幹線一両ぶんに近い大きさの鉄の塊が、落ちてくる恐怖。
米軍に訓練をさせている以上、これだけの「人災」が起きていることが、「当たり前」だというのか。

沖縄に押しつけ、やんばるに押しつけてきた、悪夢。
落ちてくるのはヘリコプターだけじゃない。


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