Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

原発事故は「進行中」である

2019-04-23 | Weblog

この国に生きている者の多くが、原発事故が「進行中」であることを意識しない日が多くなっていないだろうか。

関西・九州・四国の電力3社の川内(鹿児島県)、玄海(佐賀県)、高浜、大飯、美浜 (いずれも福井県)、伊方(愛媛県)など再稼働した原発が、新規制基準で義務づけられている原発のテロ対策施設の建設が設置期限 に間に合わないため、停止を迫られる可能性があると聞いた。テロ対策施設は、航空機の意図的な衝突の際などに遠隔で原子炉を制御するものだという。当初の設置期限は新基準の施行から5年だったが、2015年、再稼働に向けた原発本体の工事計画の審査を終えてから5年以内に設置する条件が定められた。

なぜ攻撃されるのか。そこに原発があるからだ。原発を攻撃すればこの国の機能の大きな部分を止められるからだ。そこにいる労働者の抱えるリスクは大きい。そもそも管理不全が多い原発で、次なる震災の被害があったとき、事故が起きる可能性は高い。

事故にせよ、攻撃を受けるにせよ、被ばくせざるを得ない労働者たちがそこにいる。

 

解決などほど遠い「原発事故」、アンダーコントロールに置かれず冷却作業を止められない福島第一原発では、トリチウムなど高濃度の放射性物質を含む汚染水が発生し続けている。 

漁業の本格操業を求める漁師たちの反対を押し切って、日本政府は、そのトリチウム水を海に流す、海洋放出という「処分方法」を検討しているという。

風評被害も実際の汚染も重なって、不安定な未来の見通しにも苦しめられている労働者と市民がそこにいる。

 

そこから離れたところに生きている人たちは、「自分の直接関わることではない」と無関心なのだろうか。

そんな人たちが沖縄の辺野古反対を選び続ける県民の意識に、応えられるはずはない。

 

この国の人間たちは被爆が進行中で解決策がないというこの現実を、忘れてしまったのだろうか。

いつ戦争してもいいという国に向けてより大きく旋回している目の前の出来事の持つ意味を、認識できないでいるのだろうか。

 

(備忘録として進行中のことを記す)

 
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