Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

エンゲル係数上昇は、「豊かさ」の証明?!

2018-02-03 | Weblog
先月末の参議院予算委員会で民進党の小川議員が、アベノミクスが始まってから家計の消費支出の中で、食費の割合を示す「エンゲル係数」が上がっていると指摘した。
「これは厳然たる事実です。国の行った調査でエンゲル係数が上がっている、国民の生活は苦しくなっている。それがアベノミクスの実質じゃないですか」
それに対して、安倍首相は、「有効求人倍率が上昇が景気回復の証拠だ」と唐突に言い出し論点をずらした上で、エンゲル係数上昇の原因は「物価変動のほか、食生活や生活スタイルの変化が含まれている」と、言い逃げた。
野田総務相も、高齢化や共働きの増加など、やはり「豊かさ」以外の要素がエンゲル係数の上昇に関わっている、との認識を示した。

「エンゲル係数」についてウィキペディアでは、

「エンゲル係数とは、家計の消費支出に占める飲食費の割合(パーセント単位)のこと。〜 一般に、エンゲル係数の値が高いほど生活水準は低いとされる。これは、食費(食糧・水など)は生命維持の関係から(嗜好品に比べて)極端な節約が困難とされるためであり、これをエンゲルの法則という」

となっている。

エンゲル係数はここ十年、上昇ペースがアップ、2016年には25.8%(前年比0.8ポイント増、2人以上世帯)と、1987年以来の高い数字を記録しているという。

安倍首相の言うとおり、エンゲル係数上昇の原因が、「物価変動のほか、食生活や生活スタイルの変化」のせいだとすると、景気が良くなって収入が上がり、飲食費をそれまでよりもたくさい使うようになったから「エンゲル係数」が上がった、という理屈になる。

ほんとうにそうなのか。

ハンパーガーは百円になり、牛丼の代金など、三、四十年前よりも安くなっている。
巷には300円前後の低価格の弁当が多く出まわるようになっている。
収入の少ない者がなんとかやっていけるように、低価格のものが出てきたのだということは、どこかでみんな認識しているはずだ。
明らかに「貧富の差」が強調される世の中になっているのだ。

国会での安倍「エンゲル係数上昇=豊かさ」発言後、ウィキペディアの「エンゲル係数」の項目が、ユーザーによって安倍政権に有利な内容に書き換えられ、わずか4時間後には差し戻されたことが注目を集めている。

確かに、総理のエンゲル係数発言のフォローのために急遽経済誌がアップしたのではないかと噂される、以下の記事もある。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180202-00024350-president-bus_all&p=4


さて、私はいまチェンマイにいて、食生活は豊かである。弁当にも出来る一食分のご飯類、麺類は、35〜40バーツ。120〜150円。
写真は、チェンマイの宿から一番近い食堂での夕食。三人で食べた。トムヤムクン、豚飯、鶏飯、シーフード炒飯。そして魚を揚げたものが高くて、全体の三分の一の値段を占める。で、これにビール大瓶二本入れても、千八百円しない。
エンゲル係数的には低いのかどうか。この国ではどうなのか。
ついでにいえば、タイ米は、日本のコメ不足の時にもお世話になったが、なにしろ沖縄では泡盛の主原料である。やはり沖縄から見ても、こちらの農産物が安いことは間違いないわけだ。

物の見方次第で、「豊かさ」についての考え方も、逆転してしまう。
どんな国でも、人はいつ危機に陥るか、わからない。
「おにぎり食べたい」と最後の言葉を残しながら亡くなった方もいる時代だということは、忘れないでいたい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする