サ カ タ の ブ ロ グ 

やぁ、みんな。サカタだよ。

吉野家

2022年12月21日 | サカタだよ

ときどき吉野家で朝ごはんを食べる。朝4時から11時まで「朝牛」と称するお得なセットがあるようなのを、店先の告知で見て入ったのが最初だった。コスパだけなら牛丼小盛がベストなんだろうけど、メニューをよく見て「アタマの大盛」(たぶんごはん普通盛で肉と玉ねぎのアタマだけ増量してあるやつ)を頼むことが多い。そして小鉢は生卵か温泉卵にする。肉と玉ねぎのアタマだけ何口か味わい、ごはんを少し食べて、残りの牛丼に卵と醤油をといて入れ、卵かけ牛丼っぽい混ぜごはんにして食べるのが定番だった。それもいまや、過去の幻になった。

ある朝のこと、牛丼に飽きたのでメニューをさらによく見て「納豆牛小鉢定食」なるものを所望してみた。朝牛セットのアタマの大盛より安いのに品数が多い。牛小鉢(アタマ少々)がついて、納豆とごはんとみそ汁のみならずサラダまでセットになっている。お得なのではないだろうか。牛小鉢とサラダを交互に食べて前戯を終えたところで、おもむろに納豆をかきまぜタレとからしを加えて、ごはんとみそ汁と共に「三角食べ(学校給食スタイル)」を行なう。はじめはそうしていた。やがて、牛小鉢とサラダの前戯のあと本番として納豆もごはんもみそ汁も一緒くたに混ぜて猫飯にすることが増えた。吉野家は(サカタが朝に寄る店舗は)みそ汁が熱すぎるので、納豆とごはんで温度を慣らしたほうが食べやすい。

朝の吉野家には夜通し飲んだ朝帰りの酔客などもいて、生ビール、冷酒、ハイボールの注文が通る機会も少なくない。それはべつに不思議じゃないけど、これから出勤しそうなサラリーマン風の中高年が「朝牛セットをアタマの大盛で、小鉢は生卵。それと生ビールをください」などと律儀に注文してアタマをツマミに生ビールをあおり、それから卵かけ牛丼かっこむ姿など見ると、まるで自分が会社に行く前に飲酒行動してるようでドキドキする。まじめそうな窓際族そうなおじさん(年下かもしれない)どういうわけで生ビールを? もしや毎日そんなことを?

そうかと思えば、牛すき鍋膳とかいう比較的に豪華なメニューを朝から頼んで、1日3食は食べてなさそうな貧しそうな若い人(といっても30代の後半かもしれない)が、鍋膳のごはん大盛とおかわりが無料なのをいいことに、あれよあれよと大盛ごはん3杯かっこんで、「ごはんがおかずで牛すきがごはん」みたいな逆転の嵐が吹きすさぶのを見かけるのも、吉野家の醍醐味といえば醍醐味である。ちなみに醍醐とは古代に大陸から伝わった乳発酵食で、いまの言葉にするとチーズだから醍醐味はチーズ味ということになる。もちろんここでいう醍醐味は慣用句なのでチーズ味ではない。蛇足ですみません。大陸の人が牛すき鍋膳を注文して「つゆだく」と指示を出し、店の人から「鍋はつゆだくできないんですよ」と諭されたのも見たことある。

朝じゃないけど、鰻重みそ汁牛小鉢セットを奮発したことも一度あるし、肉だく牛カレーをいただいたこともある。しかしやっぱり、現在のところ朝メニューの納豆牛小鉢定食がマイフェイバリット吉野家メニューだろう。田舎から出てきた右も左も分からない若い女の子を無垢、生娘のうちに牛丼中毒にする「生娘シャブ漬け戦略」が批判の的になりマーケターとしても有名な常務取締役が解任された出来事は記憶に新しいけど、お子様セットもあるし、子供から中高年まで虜にしようという姿勢がむしろ頼もしい。マクドナルドが子供をオモチャで引きつけて虜にしようとしているのに比べると、まだしもではないだろうか? 食育の仮面の下に銭ゲバがある資本主義の社会において素顔で銭ゲバを論じた役員の舌禍を思い出しつつ、ときどき吉野家で朝ごはんを食べるサカタなども朝のシャブ漬け戦略にハマっているっぽい。

コメント
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