A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記336 「Steinbildhauersymposien 1968-2000」

2009-11-19 21:01:30 | 書物
タイトル:SHINJI SAKAI : Steinbildhauersymposien 1968-2000
編集・発行:酒井信次
印刷・製本:株式会社オノウエ印刷
発行日:2001年6月16日
内容:
「私の彫刻シンポジューム」酒井信次
図版
作家略歴

頂いた日:2009年10月20日
頂いた場所:ギャルリー志門
 ギャラリーの方から頂いたもの。ありがとうございます。ギャラリーに行った際、<天の果実―新たな共生の芸術を求めて―>という画廊企画の展覧会が行われていた。そこで、ギャラリーの方とその時の展示作家のはらかずみ氏と話をさせて頂いた際、Vol.6で展示を行う酒井信次という人物は変わり物ですごい作品を作るという話を聞いた。そんな話の流れから本書を頂くことになった。ちなみに、私はそれまで知識のなさから酒井氏の存在を知らなかった。
 なお、この企画は、茨城大学教授・美術評論家の小泉晋弥氏の企画によるもので、シュタイナー思想を背景に芸術を考察しようという意図から企画されたようである。6人の出品作家を1人1週間づつ展示し、酒井氏は最後だった(2009年11月1日―11月6日、ギャルリー志門)。実際、展示を見ると、期待していたほど感銘も感動もなかったが、おとなしいギャラリーのフローリングの床に対して、どこか外れた展示を展開しようという意志を感じることはできた。

*「Steinbildhauersymposien」とはドイツ語で「石の彫刻家シンポジウム」のこと。

東京6区 vol.6 唄ものの夕べ

2009-11-18 22:50:14 | お知らせ
DJイベントやります。

<東京6区 vol.6 唄ものの夕べ>
2009年11月29日(日)
17:00~22:00
Loop-Line(千駄ヶ谷)
Charge:¥500
DJ's:いなりずし、ちんかーべる、PIЯATA、ペコ

今回は秋恒例のポストロック、エレクトロニカメインの内容です。
会場はカフェですので、まったりごゆるりとお過ごしください。


未読日記335 「L_B_S」

2009-11-17 21:17:20 | 書物
タイトル:名和晃平/L_B_S
アート・ディレクション:犀
会場撮影:豊永政史 表恒匡(表紙、p.14-15)
制作・発行:エルメス財団
発行日:2009年
内容:
2009年6月19日―9月23日にメゾンエルメス8階フォーラムにて行われた<名和晃平/L_B_S>展のカタログ。

「映像と実体のはざまで」浅田彰(批評家)
“Between Image and Substance” Akira Asada(Critic)
作品図版9点、作家略歴

入手日:2009年10月18日
入手場所:メゾンエルメス8階フォーラム
エルメスは展覧会ごとにリーフレットを制作しているが、撮り下ろし写真によって制作されるため、完成はいつも会期中か会期終了前後になるようだ。毎回リーフレットが出来ていない頃に足を運ぶためか、いつももらい忘れてしまう。本展のリーフレットの存在は、9月20日にトーキョーワンダーサイト本郷で行われた浅田彰、名和晃平参加のシンポジウムに行った際に、浅田氏の発言からわかった。その後、「ジャン=ミッシェル・アルベロラ」展を見にエルメスに行った際に本書を頂いた。
本展で印象に残っているのは<LIQUID>である。この温泉が沸騰しているような、たこ焼き状の泡がおもしろくて見入っていた記憶がある。看視の方によれば、指を入れてしまうお客さんもいるということだった。
ちなみに、大阪・ギャラリーノマルにて開催された<名和晃平:Transcode>(2009年9月19日―10月17日)のレヴューをカロンズネットにて書かせて頂きました。よろしければご覧ください。
http://www.kalons.net/j/review/articles_1614.html


未読日記334 「Draw」

2009-11-16 21:54:16 | 書物
タイトル:Draw
Published by : YUTAKA KATO
Catalogue Design : KOJI YOSHIIKE(ATOZ)
価格:400yen(without tax)
内容:
ペインティング/イラストを描く加藤豊によるZINE。
http://www.simplepages.jp

購入日:2009年10月17日
購入店:waiting room
購入理由:
三軒茶屋のオートロックマンション内にあるギャラリー「waiting room」にヤンミー・キョン個展を見に行く。見終わった後、ギャラリー内にあるショップ棚を見ていて、気になって購入。B4サイズに街の情景、花などが写実的に描かれているスケッチブックである。ギャラリーの方から聞いたところでは、加藤氏はマクドナルドでスケッチをすることをライフワークとしているという。これらのスケッチもマクドナルドから見た光景から生まれたものだという。描かれたスケッチからはマクドナルドなどまったく関係ない光景に見えるが、実にユニークなアイデアに興味がつのった。アーティストにとって、どの場所で制作するかに比重があるのだとしたら、マクドナルドでスケッチしたっていいわけだ。しかし、そもそもなぜマクドナルドなのかいづれ聞いてみたいものだ。
ちなみに、加藤氏は今年の2月にwaiting roomで個展を開催している。都市の夜景を描いたその展覧会タイトルが「NIGHT SHIFT(夜勤)」とは気が利いている。

Recording Words 048 いい仕事をするとは

2009-11-15 20:11:55 | ことば
いい仕事をするとは、他人の痛みや悲しみがわかること、その苦しさをほんの少しでも和らげようとすることです。そしてできれば、人に小さな喜びや希望を与えようとすることです。だから本当の痛みや悲しみの意味を知り、生きづらさと闘ってきた人のほうが、いい仕事のできる可能性は、絶対に大きいんです。
(玄田有史『14歳からの仕事道』理論社/YA新書、2005年、pp.165)

そうありたいものです。


未読日記333 「文楽―人形浄瑠璃への招待」

2009-11-14 23:25:32 | 書物
タイトル:國文学10月臨時増刊号 特集:文楽―人形浄瑠璃への招待―
発行:學燈社
発行日:2008年10月25日
内容:
特集:文楽―人形浄瑠璃への招待―
人形の役作りとかしら割り―吉田文雀師に聞く
舞台鑑賞「本朝廿四孝」
太夫・三味線・人形
三人遣い
舞台が開くまで
文楽研究とその周辺―近松/歌舞伎/あやつり人形考古学など

頂いた日:2009年10月17日
文楽への入門書として本書はわかりやすく、テーマも広く楽しい。来年こそは文楽年にしたい。それまで本書を読んで学ぶこととしよう。
ちなみに、雑誌・國文学は本年7月号で休刊となってしまった。これも時代のせいとはいえ、残念なことである。


Recording Words 047 ちゃんといいかげんに生きる

2009-11-13 21:03:29 | ことば
十代や二十代の若者は「いっぱいいっぱい」とよく口にします。仕事にも生活にも余裕がなくなり、もうこれ以上何かするのは無理ということなのでしょう。でも、できることなら、そう簡単にいっぱいいっぱいになってほしくない。自分のなかに、どこか遊びやのりしろを残しておいてほしいんです。(中略)
だからよく仕事道を歩んでいくには、真面目さだけでも気楽さだけでもなく、その両方を自分のなかに持って生きるようにすることです。仕事道に必要なのは、「ちゃんといいかげんに生きる」ことなんです。

(玄田有史『14歳からの仕事道』理論社/YA新書、2005年、pp.150)

まだ、いっぱいいっぱいにはなっていません。


未読日記332 「落語美学」

2009-11-12 22:04:12 | 書物
タイトル:落語美学
著者:江國滋
カバー写真:橘蓮二
カバーデザイン:倉地亜紀子
発行:筑摩書房/ちくま文庫
発行日:2006年9月10日
内容:
落語がひとつの頂点を極めていた昭和30年代に、落語に深く関わった江國滋の『落語手帖』に続く落語随筆。落語の魅力…誇張、リアリティ、場面転換と省略のテクニック、題名の妙味…などをさまざまな角度から解析し、落語に流れる庶民の哲学に目を向ける。また、親交のあった芸人のいかにも「落語的」な様子を描く。現代の落語ファンにとっても、格好の導きとなる一冊。解説 色川武大 布目英一
(本書カバー裏解説より)

頂いた日:2009年10月17日
頂いた江國滋の『落語手帖』に続く落語随筆。いまだ読んでいないので、江國氏の著作について語ることはできないが、落語好きなら悪い人ではないだろう。
いま、落語や歌舞伎、浄瑠璃などの古典芸能に親しむことは、西洋思想・文化にどっぷりと浸った自分の思考につねに新鮮な風を入れてくれる。美術は西洋思考(志向)が中心だから、東アジアの思考・思想や日本の伝統文化・芸能はあまり顧みられないのが残念である。かといって、ジャンルとしての「日本美術」がいいとは思わないが・・。

Recording Words 046 働くことは自分の弱さを知ること

2009-11-11 21:42:57 | ことば
働くことは自分の弱さを知ることだといっても、「自分の弱さなんて働かなくても十分にわかっている」という人もいるでしょう。でも、そんなことはないんです。あなたがまだ自覚していない、あなたのダメな部分はまだまだある。そして、同時に、あなたがまだ自覚していないあなたの才能も、そこにはあるんです。
働くことの意味なんて、たったそれだけ、弱さの自覚ということだけです。

(玄田有史『14歳からの仕事道』理論社/YA新書、2005年、pp.145-146)

今日も明日もこれからも自分のダメさに直面していきます。

未読日記331 「落語手帖」

2009-11-10 22:18:54 | 書物
タイトル:落語手帖
著者:江國滋
カバー写真:橘蓮二
カバーデザイン:倉地亜紀子
発行:筑摩書房/ちくま文庫
発行日:2005年7月10日
内容:
世界に稀有な「落語」という芸が、ひとつの頂点を極めていた昭和30年代中期。落語に淫した随筆の名手が、その楽しさをさまざまな角度から愛惜をこめて描く。客席から見た、昭和の名人たちとその芸。落語があざやかに人間を描く様。服飾や食べ物、特殊な言い方など、知っていればさらに落語鑑賞の愉しみが深くなる知識。現代の落語ファンも必携の一冊。解説 矢野誠一 瀧口雅仁
(本書カバー裏解説より)

頂いた日:2009年10月17日
落語好きと言いつつ、落語に関する本はほとんど読んだことがない。落語を聞く(見る)前に知識が先入観で入るのが好きではなく、遠ざけていたところがあるのだ。落語は大衆芸能であるから、私も無知な大衆でいたいなどと考えてしまう。これから先、落語評論をする気もないし、いくつもの噺や噺家の名前を憶えて人に語るような落語通を気取ることもしたくない。だが、今年もあと2カ月を残して思う。今年はどんな年だったかと言えば、落語を聞いてきた一年だったと。ならば、今年の総決算で落語を復習してみるのも悪くはない。そんなことを頂いたこの本から考えた。