A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

Recording Words 016

2009-07-27 16:15:16 | ことば
私たちは何かをひねり出すことがアートだと考えるが、じつはそうではない。逆に、すでにあるものに触れ、それを原稿用紙や大理石といった素材に「降ろす」のがアートという行為なのだ。このことはアートについて考える場合、きわめて重要な意味を持っている。
(ジュリア・キャメロン『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』菅靖彦訳、サンマーク出版、2001年、p.154)

 だから、「アーティスト」であるあなたはこんなブログなど読んでいないで、どこかの展覧会へ行ったり、コンサートや演劇やスポーツでもいいからどこかへ行くべきだ。公園に散歩でも、海でも山でも行けばいい。そうでなければ本を読んだり、音楽を聴けばいい。あそこのおいしいコーヒーが飲みたくて喫茶店に行くのもいいし、おいしい料理が食べたくてレストランに行くのもいい。そして、気をつけてほしいのは、自分が知っているものばかりを選ばないことだ。

 例えば、音楽をダウンロードで購入するのはやめてほしい。それは、あらかじめ知っている音楽しか聞かないということだ。そう、未だあなたの頭の中に存在しなかった「音」がこの地上にはある。ぜひ、それを探してほしい。そのためには、CDショップに行ってほしい。具体的には洋楽を多く扱う外資系CDショップやインディペンデント系CD・レコード店だ。これらの店にはバイヤーがおり、目利きが選んだ音がたっぷりと視聴できる。視聴できなくとも、ポップ(宣伝資材)に言葉でその魅力が書かれている。あるいは、フェスやDJイベントに行ってみてほしい。そこでは、あなたが未だ知らない「音」が鳴らされている。知らないから質が悪いなどと考えてはいけない。あなたの「感覚」と「身体」を信じてほしい。とくに「身体」が反応すればそれは確かだ。この世界ではマスメディアに出なくとも、ものすごい質を持った人などたくさんいるのだ。「有名」であることに価値を置くのはいいかげんやめにしてほしい。
 「アート」が見たければ、ギャラリーに行けばいい。ほとんど無料である。気がきく人がいれば冷えたお茶ぐらいだしてくれる。繰り返すが、どうか名前で判断しないでほしい。あなたは「作品」を見に行っているのであって、「人」を見に行っているのではない。「有名」であることに価値をおくのをやめ、むしろ選ばないでほしい。自分の知識などたかが知れているのだ。この世の中、アマノジャクなへそ曲がりばかりだから、あなただけは感覚や身体に素直であってほしい。たとえ、自分がこんなものをいいと認めたくなかったとしても、作品に反応してしまったら、それは事実なのだから、それをお土産に持ち帰ればいいのだ。とにかく「触れ」てほしい。

最後まで読んだなんて時間を無駄にしてしまったね。