A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

Recording Words 011

2009-07-05 17:54:13 | ことば
 自分自身に「私はなぜ働いているのか」と問うことがあります。すると、いろいろ考えた挙げ句、他者からのアテンションを求めているから、という答えが返ってきます。お金は必要ですし、地位や名誉はいらないと言ったら嘘ですが、やはり、他者からのアテンションが欲しいのです。それによって、社会の中にいる自分を再確認できるし、自分はこれでいいのだという安心感が得られる。そして、自信にもつながっているような気がします。
(姜尚中『悩む力』集英社新書、p.128)

「Attention」とは辞書によれば「1.注意、配慮、注目、世話 2.親切、心尽くし」という意味である。ここでは、自分が働いたことに対する応答、反応という意味でも解することができるだろう。会話はキャッチボールという例えがあるが、球を投げたら返すということだ。だが、現実は違う。自分が何かをしても、怒られるか止められるかされるならまだ反応がある方で、実際は無視されることがほとんどだ。現代は自分のことを最優先に考える人が中心だろうから、「自分を再確認」や「安心感」などそうそう得られるものではない。マイナス思考の私は、これからの時代、他者からのアテンションなどもうないと思ってしまうが、姜氏の言葉を模範として私は他者へのアテンションを怠らないようにしたいものである。