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京恋し

頑張った時のご褒美は京都。ずっと憧れ。

京都 ― No.4 鶯宿梅

2018-03-22 22:50:42 | 京都
京都冬の特別拝観に参加している寺院のほとんどが18日が最終日でした。

              
              相国寺の塔頭・林光院。初めての一般公開のお寺です。立看板に
              書かれている「鶯宿梅」を見たいとやってきたところ、ラッキーな
              ことに「満開」と書かれている!

              
              山門をくぐって…

        
        拝観券を買って…正面玄関を入ってすぐが拝殿。お寺の由来と仏様の説明を受けたのち
        正面に向って左側の襖。まっ黒な虎が描かれています。表の立看板を見た時はネコかと
        思ってしまいました。申し訳ないことにこの猫に見える虎の事を知らなかったのです。
        
        作者は藤井湧泉(ゆうせん)、名付け親は梅原猛氏、中国から若冲に憧れて来日したと聞き
        ました。まだ五十代の若い作家さんですが、この寺の住職に気に入られて、本堂中の絵を
        4年かかって書き上げました。くだんの虎の絵、近寄ってみると、ビックリ! 毛並みのリアル
        な事! 本物よりふかふか見える。思わずなでてみたくなる位。今にも目を覚まして動
        き出すのでは、と思える程、スゴイ! また見たいと思うけれどもう公開はしないらしい。
        隣の部屋の「虹の松原」と題する松の木も、松葉の細かいこと! 外の絵も見たくなりました。

        
        私のメイン、鶯宿梅の咲く庭の見える部屋に。華奢だけど大きく枝を伸ばした古木の梅は
        「おもいのまま」といい、花びらが36枚もあるとか、まさに満開状態でした。

        村上天皇の時に、御所の清涼殿前の梅が枯れてしまいました。西の京に美しい梅がある
        と知ってその梅を清涼殿の前に移し植えたところ、その枝に歌が結び付けてありました。
        「勅なればいともかしこし 鶯の宿はと問はばいかが答へん」
        (天皇様のおおせならば恐れ多いことですが、もし春に鶯がやってきて私の宿はどこ?と
        聞いたならばなんと答えましょう)
        紀貫之の娘である紀内侍(きのないし)のこの歌に、天皇はいたく感じ入って、梅の木を
        返したということです。この梅が「鶯宿梅」と呼ばれた所以です。

        「おもいのまま」は白い花の中に薄ピンクの花が突然に咲き出すとのこと、その枝は毎年
        同じではないのだそうです。


        残念ながら玄関から中は撮影禁止。虎も梅も目にしっかりと焼き付けてきました。
        門の脇に2本の子孫の木が植えられています。それは撮影OK。

        
        一部にピンクの花が付いていました。基の木のように立派な姿になるには何年かかるので
        しょうね。

        優雅な物語のある梅の花のしかも満開の日に会えて、想いがかないました。