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京恋し

頑張った時のご褒美は京都。ずっと憧れ。

一葉忌

2006-11-23 22:23:39 | 季節のことば
廻れば大門の見返り柳いと長けれど、
お歯ぐろ溝に燈火(ともしび)うつる三階の騒ぎも手に取る如く、
                  …「たけくらべ」樋口一葉

         
         一葉が、兄、父を相次いで失い、一家を背負わなければ
         ならなくなって、18歳の時に移り住んだ本郷菊坂の家。
         細く急な石段は今も変わっていない。
         石段の向かって右の家に一葉が暮らしていた。


共同の井戸も当時のままに、今も使われている。

         
         赤貧の一葉がたびたび通った伊勢屋質店。
         商売はしていないが、建物は昔のままの姿。

一葉終焉の地は菊坂に近い円山福山町の鰻屋の離れ。
  ここで「大つごもり」「たけくらべ」などを次々に発表、奇跡の2年と
  言われている。明治29年11月23日、母と妹に看取られながら、
  24歳の生涯を閉じた。
  
  「たけくらべ」に登場する吉原大門あたりの背景には、一葉が菊坂に
  移る前に暮らしていた竜泉での経験がちりばめられている。

  樋口一葉の跡を辿ってみると、勁(つよ)く、聡明な一葉を感じて、
  その夭折がしみじみ惜しまれる。

        
        
        下町に老いて雛師や一葉忌   中村金鈴

        ……龍華寺の真如が我が宗の修行の庭に立出づる風説(うわさ)
        をも美登利は絶えて聞かざりき、……或る霜の朝水仙の作り花
        を格子門の外より差入れ置きし者のありけり、……真如が何が
        しの学林に袖の色かへぬべき當日なりしとぞ。

        高校生の時に買った文庫本、¥50となっています。
        真如さんをえらくいい男と思い描いていた幼い日でした。