ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




塚越家住宅(現・上野桜木あたり)。台東区桜木2-15。2013(平成25)年11月6日

言問通りの上野桜木交差点は、吉田屋酒店を移築した「下町風俗資料館敷設展示場」と「カヤバ珈琲店」があり、その間を北に行くと「愛玉子(オーギョーチイ)」や「岡埜栄泉」などの店がある谷中の観光スポットである。最近、この地区に「上野桜木あたり」という観光スポットが加わった。隣り合った3軒の古い民家を、飲食店やコミュニティスペースとしたもので、2015年3月に開業した。
上野桜木あたり』の「concept」に、その歴史が述べられている。それによると、日本橋室町で「塚越商事」を営む塚越家は、昭和13年に、谷中斎場の跡地を合わせて自宅と借家2軒の「3軒家」を建てる。写真の家とその裏の家が借家、奥の門がある家(2枚目写真右奥)が塚越家だった。
「谷中斎場」については、『谷中・桜木・上野公園路地裏徹底ツアー>谷中・桜木』に「路地を挟んで下谷警察の支部〈現在は「下谷警察署谷中交番」と「台東少年センター」〉があるが、この辺りは、大正11年(1922)に森鴎外の葬儀が、昭和2年(1927)に小説家芥川龍之助の葬儀が、昭和4年(1929)には、新国劇の沢田正二郎の葬儀、大杉栄、伊藤野枝などの葬儀も行われた私設の谷中斎場だったところ」という記述がある。



塚越家の手前にある民家。桜木2-15。2007(平成19)年12月21日

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