手作りのお茶を楽しもう
昨日第121回滋賀の食事文化研究会、平成23年と食事リレー発表会で下記を発表してきました。
おばさんの料理教室では、山に自生しているお茶の葉を摘み採り、自家製のお茶を楽しむ事を、毎年恒例としています。摘み採る時期は5月初旬、遅れると渋みが出る。
茶の木 摘みたての茶葉 新芽を摘み採り茹でる
● 作り方
① 5月1日(88夜)頃、お茶の新芽を摘み採る、若い芽はアミノ酸(テラニン)が数日で虫から身を守るため、タンニン(カテキン)に変化するので、旨みの一番茶は早目に摘み採る。摘み採った葉はすぐに処理しないと、蒸れて変色するので要注意。
② 多めの湯を沸かして、水洗いした茶葉を20秒殺菌程度に、緑色が変色しないうちに引き上げ、冷水で冷やす。
③ 冷水で冷やしのち、30g宛てビニール袋に詰めて冷凍保存する。
袋詰め 冷凍保存
● 召しあがり方
冷凍保存した茶葉30gをミキサーに入れ、水を加えてすり潰し、茶濾し等で濾して、冷水を加えて2ℓのペットボトル一杯分にして冷蔵庫に保管。
ミキサーで粉砕 茶こしで濾す 2ℓに薄めて出来上がり
◎ 冷たいお茶を湯吞みに入れ、電子レンジで温めると、色も変わらず、お茶の香りがたち大変美味しい飲み方も出来る。
◎ 取り除いた微細な粉は料理に使う。
*自家製のドレッシングに混ぜるとコクが出て美味しくなる。
*ゼリーや寒天を使って羊羹を作るとか、クズ湯に入れても良い。
寒天で羊羹を作る
◎参考文献
お茶は、805年最澄が中国から種を持ち帰り、比叡山麓の日吉大社周辺に播いた事が始まりと伝わる(その由来は京阪坂本駅の広場に掲示してある)。その後、温度差が大きい内陸部に生産地域が広がり、甲賀・土山等が現在は生産が盛んです。
●お茶の効用
お茶を沢山飲んでいる地方の方は、認知症・癌患者が少なく、長生きで病院通いも少ないとか。
日本に於いて掛川市(お茶を多く飲む地方も同じ結果が出ている)は長寿日本一、その理由は深蒸し茶(蒸し方は普通の2倍)、細胞を破壊した、もろもろのお茶を沢山飲むかららしいです。
お茶の成分はカロチン・クロロフィル・ビタミンE・カテキン・カフェイン・食物繊維・抗酸化剤・葉緑素が含まれ、ダイエット効果・腸内に善玉菌が多くなり便秘がなくコレステロール低下・血圧低下等。
お茶の効能を増すには、お茶の細胞膜を潰し有効成分を体内に取り入れる事が良いとの事。
我々の手作りのお茶は摘み採り熱処理して冷凍保存し、必要な時ミキサーで潰し、濾過して飲用し、その粕は食用(羊羹・ふりかけ・ドレッング等)として食べている事は、理に叶っているようで、我々の生活には確かに病院通いはあまりない。
茶葉を摘み採る時期が異なるお茶の比較
お茶の葉は5~6月の摘み採った物を新茶・7月摘みは二番茶・秋は番茶と云われる。美味しい茶は摘み採る時期は5月初旬が良い、摘み採る時期が遅れると、渋みが出るが、6月以降の茶葉も摘み採って新芽と比較してみました。
6月以後は茶葉が固くなり、それ以後は、葉は固く汚くなり汚染される。
5月初旬茶葉 6月中旬摘の茶葉 出来たお茶の色、右は6月の葉
● 作り方
④ お茶の葉を5月初旬と6月中頃に摘み採る。
⑤ 茶葉を30~45秒茹で、緑色が変色しないうちに引き上げ、冷水で冷やし、30gずつビニール袋に詰めて冷凍保存する。
● 比較の仕方
冷凍保存した茶葉30gと水を適量入れ、ミキサーで2~3分間回して、濾して、2ℓのベットボトルに冷水を加えて一杯にする。
出来たお茶を色や味を比較する。
*温度が高い水では色が茶色くなる。
* 濾し滓は、若い芽は微粒子で、6月以降の葉は繊維質が多い多孔性。
判定結果
5月初旬・・甘みがあり色は浅い緑。
6月中旬・・渋みがあるが美味しく飲める、色は濃緑。
*皆さんの判定は、矢張り5月初旬の摘み採りが甘みとコクが美味しい。
*昨年の茶葉摘み取り4月29~5月15日・・・10kg