大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

「第一回ハイスクールOMS戯曲賞」公募について

2012-11-16 11:03:54 | 評論
「第一回ハイスクールOMS戯曲賞」公募について


 わたしは、PCオンチで、検索すると、以下のものが出てきます。


 大変申し訳ありませんが、該当ページがございません。

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で、サイトの見出しを引用させていただきました。以下の内容です。
  
2012年11月5日 - 大阪府内の高校等に在学、または大阪府内に在住する高校生による創作(オリジナル) 戯曲作品※1で、平成24年4月から11月までに実際に演劇コンクール、HPF( Highschool Play Festival)、北摂高校演劇フェスティバル、文化祭などで上演された 作品に限ります。

 斜陽の高校演劇を、企業の取り組みとして応援してやろうという姿勢は、高く評価いたします。行政からは、そっぽを向かれ、一般の高校生や観客が離れていく中、私企業として、高校演劇を応援して下さることは全国を見ても希なことであると思います。

☆それが戯曲募集であることの問題
 他の文化部の活動、軽音やブラスバンドなどに企業が主催、協賛され、賞を出されることはあります。
 しかし、これらの分野で、創作作曲賞は寡聞にして存じません。おそらく無いのでしょう。

 なぜでしょう。作曲の難しさと畏敬の念をお持ちだからです。そのため、軽音でも吹奏楽でも、生徒はおろか、顧問でも作曲には手を出しません。軽音で若干、吹奏楽では、30年以上前に顧問による作曲があっただけです。

 戯曲は、これらの軽音や、吹奏楽の演奏曲にあたります。そして、戯曲というのは、作曲と同じほど、演劇の基本が分かっていなければ、できないことであります。
 高校演劇の衰退の原因の一つに、創作脚本の弱さがあります。一般の高校生や観客には分かりにくい未熟な作品が並び、役者として力のある生徒でも、その力を発揮できない状況です。
 OMS戯曲賞の関係者の方々は、むろん演劇について専門的な技能や知識、ご経験が豊富でいらっしゃいますので、以上、わたしが指摘してきたことはご承知されていると思います。
 わたしは、個人的には、高校演劇に肩入れしていただけるのなら、発表の場を提供していただきたいのです。OMS戯曲賞の関係者の方々なら、小屋を探したり、大阪ガスさんの力をもってすれば、コンクールの本選会場の提供も可能であると考えます。
 今、大阪府高等学校演劇連盟は、長年つかった、よみうり文化ホールが使えなくなり、来年からは、某ホールを使おうとなさっています。本来本選は、府の中心の交通の便が良く、大阪の東西南北のいずれからでも。交通アクセスの良いところがいいに決まっています。
 失礼な申しようになるかもしれませんが、内蔵に疾患がある患者に、スキンケアのサービスをすることに似ています。スキンケアでは、内蔵は良くなりません。
 本選会場の提供が無理なら、小ホールでも結構です「OMS・高校演劇祭」などの看板で、上演の機会を与えてはいただけないでしょうか。今の高校演劇は内向きに閉じており、一般の高校生や観客は、ほとんど見向きもしませんし、また連盟も外にひろげようとの意思もありません。そのことは、別のブログでも述べましたが、連盟のオフィシャルなサイトに、コンクール予選の日程も時程も載っていないことでも分かります。
 先日F地区の予選をご覧になろうとした方が、このオフィシャルな情報がないために、混乱したむねと、高校演劇を応援したいことをコメントでよこしてこられました。連盟は、こういうところからのてこ入れが必要です。そして、応援して下さるなら、高校生に上演の機会を与えてくださることです。

 むろん、私などが申し上げても「蟷螂の斧」であることは自覚しております。こんな野人のいうことでOMS戯曲賞が無くなり、会場提供の方向に代わるなどとは思っていません。
 一度決定し、社会的にも公表されたことですから、実施はされるのでしょう。
 願わくば、その審査にあたり、相対評価はとらないでいただきたいのです。水準に達しない作品しか集まらなければ、絶対評価で「該当作品無し」で臨んでいただきたいものです。経験の浅い高校生は、OMS戯曲賞を受賞しただけで、岸田戯曲賞……では、分かりにくいですね。そう、レコード大賞を取ったような気になり、その作品や、作風をサクセススタイルと誤解し、高校演劇は、低い水準のまま、低迷のラビリンスに迷い込んでしまいます。
 また、権威あるOMS戯曲賞そのものの値打ちを下げてしまいます。
 関西は、演劇そのものが低迷、劇団新感線のように、関西で生まれた劇団でありながら、東京にその拠点を移してしまったところが、いくつもあります。

☆中島陸郎さんから学べませんか
 昔のオレンジルームのプロデューサーであった、故中島陸郎さんは、自分で足を運び、関西で魅力や力のある劇団や、演劇人を発掘し、上演の機会や、役者と劇団、劇作家のコラボをやってこられました。中島さんによってイッパシの演劇人になった方が、大勢いらっしゃいます。
 こういう言い方をするから、お叱りをうけるのでしょうが、あえて申し上げます。OMSの中で、募集戯曲が送られてくるのを待っているのでは、なにも変わりません。
 ご自分で、足を運んで観てください。それも連盟から情報を得るのではなく、いっぱんのファンとして、ネットで検索して、足を運んでください。いかに大阪の高校演劇が内側に閉じているかがよく分かります。
 中島さんは、常に観客席上手の後ろで観客の反応こみで芝居を観ていらっしゃいました。つまらなければ、終演とともに小屋を出て行かれました。これがいいと思われたら、その場で「うちでやってみませんか」と声をかけられました。事務所で他人の評や送りつけられた本だけでは判断されませんでした。現場第一主義の方であられました。
 せっかく、高校演劇に目を向けてくださるのですから、中島陸郎さんのやりかたで、まず観て、発表の場を与えてはもらえませんでしょうか。
コメント
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