大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

タキさんの押しつけ映画評

2012-11-11 05:57:38 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
「悪の教典」「シルク・ド・ソレイユ 3D」


 これは、悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に流している映画評ですが、もったいないので、本人の了承を得て転載したものです。


「悪の教典」
 三池崇史…とうとう ここまで来ちまいましたか。
  本作はご存知の通り、貴志祐介の本屋大賞作の映画化です。主人公は頭脳明晰な天才的サイコパス。  三池演出を見ていて、こういう読み方も有りか?とビックリしちまいました。奴はこう言っています「蓮実(主人公、サイコパス)はいい奴だ。そもそも“一般とか普通”ってな何? 蓮実はいつも自分の気持ちに対して真っ正直なだけじゃないか」……三池のこれまでの仕事を見ていると、こういう読み方をしていても不思議じゃないが、それを映画にしてしまうと いかにもグロテスクだ。
 原作にはここまでの肯定的表現は無い(と信じたいだけかもしれない)、単に殺した人数だけなら 大藪春彦の主人公の方が遥に多い、サイコパスで言えば T・ハリスのハンニバル・レクターなんてな先輩がいる。しかし、彼らには殺人に理由と目的がある。対して蓮実には…前半にはそれらしき物があるが、後半の大暴走は単なる大量殺人でしかなく、そこに美学も何も無い。
 こういう映画はこれまでもありましたけどね、ここまで殺人者を肯定した作品は無かった。「殺し屋1」みたいにファンタジーじゃない、漫画の「サイコ」みたいにホラーでもない。三池は「ほれほれ、お前らの心の中にもハスミンがいるぜ」と言いたいんでしょう……その衝動は理解しますけどねぇ……。
 ラストが“THE END”ではなくて“TO BE CONTINUE”になっている。???原作に続きは無いはず(有ったら教えて)っちゅう事は、物語の終わり方に引っかけたのか? ごめん!この点が解らない。

「シルク・ド・ソレイユ 3D」
 シルクが日本以外で展開している“KA”“O”なんてな舞台から見せ場を抜いて、一組の男女を狂言回しにして繋いである。監督は“タイタニック”のジェームズ・キャメロンです。
 まず、3Dの先頭にいるキャメロンですが、この3Dは出来が悪い。頭が痛く成ります。画像は綺麗のだが、なぜか構図に失敗があり(画面手前に人が立っていて邪魔…とかです)肝心なシーンが両断されていたりする。いつもなら2Dを見なさいと言う所ながら、こいつが 舐めた事に3Dしか公開されていない。
 よって 結論!ディスクになるのを待ちましょう。映画館へは行かんで宜しい。 しかし、人間の刺激を求める本能ってのは贅沢なもんです。私、何回かステージを見に行って、ディスクはほぼ全部もってます。各々見せ場を持っていますし、世界最高の水準にあるのは確かなのですが、初めて“キダム”を見た時の感動は有りません。「何を贅沢こいてやがる」と、自分でもあきれますが、正直に言うとそうなります。“ラ・ヌーバ”なんてな結構ワクワクしながらディスクを見ましたが、やっぱり“キダム”で受けたショックは再現されません。ほんま、贅沢こいとりますわい。
コメント
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