コロナ後遺症？

1年以上続いた世界的なコロナ騒動が、我が国では先月やっと収束し、あらゆる規制が解除されました。私の好きな「たこ焼き屋」も「焼鳥屋」も通常営業に戻りました。また、トーストマスターズの例会もオンラインから対面へと元の姿に戻りつつあります。
とは言っても、マ・ケ・シだけは今でも続いています。つまり、マスクの着用、検温（ケンオン）そして手指の消毒(ショウドク)。この３つのことばは、毎日朝から晩まで耳にタコができるほど(귀에 못이 박이 도록)繰り返されています。そこで、この「タコ(굳은살→문어)」を「タコ焼き(문어구이)」にして「わる海苔(나쁜 김→분위기에 휩쓸림) ＜悪乗り＞」をふりかけてビールで乾杯しようと思います。
でも、一概に喜んでばかりもいられません。どうやら私にコロナの後遺症ではないかという症状が現れたからです。ちょっと心配になったのでかかりつけのクリニックに相談に行きました。
「どうされましたか、杉山さん」
「先生、どうも最近耳と膝の調子がよくないんです。コロナの後遺症でしょうか？」
「いつごろからですか？」
「ちょうど緊急事態宣言が明けたころからです。」
「では、耳はどんな症状ですか。」
「はい、例えば玄関チャイムの『ピンポーン』という音が『ヒンコ～ン（貧困）』と聞こえたり、駅前の焼鳥屋の呼び込みで『さあ焼き鳥いかがでしょうか』と言っているのが『シャッキントリ(借金取り→빚쟁이)いかがでしょうか』に聞こえてしまうんです。」
「うむ、お年のせいで耳の機能がかなりおとろえていますね。それで、膝の方は？」
「時々膝がぶるぶると震え出し止まらなくなることがあるんです。」
「ああ、それは医学用語で『貧乏ゆすり(다리를 달달 떨기)』というやつですね。ビタミンC（Chokin＝貯金）が不足するとそんな症状が出ます。いずれにしても、あなたの病気はコロナの後遺症なんかではなく、明らかに「キ～ンケツ～ビ－ンボーショウコウグ～ン（金欠貧乏症候群）」（チ～ン）です。当クリニックでは治せません。でも、心配ご無用。私が特効薬をお教えします。それは薬局では売っていませんが、処方箋なしで街角やネットで簡単に買うことができます。これです、「宝くじ(복권)」。一等に当選すれば瞬時に今の病状が改善します。効果は抜群なんですが、問題が二つあります。一つ、これにあたる確率がコロナに感染する確率よりもはるかに低いということ、二つ、一枚わずか300円と安いのでついつい買いすぎて病状を悪化させることがあります。気をつけてくださいね。」
「ありがとうございました。早速特効薬を服用したいと思います。」
とは言ったものの、彼は町内でも有名な藪医者(돌파리 의사)なのでこれをそのまま信じていいかどうかわかりません。一聞くところによると、この後遺症かどうかを見分けるには「PURSE検査」というのがあるそうです。その検査方法は、懐に手を入れて財布の厚みが1センチ以下なら陽性の可能性が高いというものです。また、予防のためにアメリカの「モテルナー(인기가 있네→모더나)」社と日本の「一時シノギ製薬(잠시 피하는 제약→시오노기 제약)」で新しいワクチンを開発しているそうです。
皆さんも私と同じような自覚症状がありましたら、迷わずこの特効薬を試してみてください。「コロナ後遺症もどき」をきちんと治して、楽しいクリスマスと輝かしいお正月を迎えましょう。トーストマスター！　　　　（改訂20版　1415文字）