マラソン讃歌

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この村にサンタが…

2024年06月21日 | トーストマスターズ

この村にサンタクロースがやって来ない3つの理由

2024年6月20日 千代田TMC例会 

 私はいわば「浦島太郎」、「竜宮城」から帰って玉手箱を開けてから、はや25年が経とうとしています。最近、もう一つの玉手箱が届きました。これを開けるとおそらく今度は天国に行ってしまうでしょう。そこで、慌ててあの「竜宮城」いや、もとい「海辺の楽園」で起こったことを1冊の本にまとめて先日出版しました。

 時は1998年8月、私は「のろのろ亀さん」のバスに揺られて朝鮮半島北部の東海岸にある「琴湖」という「特別行政地区」に日本代表として初めて足を踏み入れました。そこでは日米韓3か国の共同事業で原子力発電所の建設が進められていました。私の他には、アメリカから代表が一人、そして、韓国からは代表2人と約600人の労働者が派遣されていました。

その年のクリスマスには、楽園内にあるキリスト教会で親しくなった信者さん達と交流する機会がありました。

「建設本部長のMr..Yun、あっさりお尋ねします。今年この村にサンタクロースはやってくるでしょうか?」

 「Good question!Mr. Sugiyama。ここは「地上の楽園」ですよ。サンタクロースだってそれくらいは知っていますよ。子供たちへの贈り物は、毎年2月16日の将軍様の誕生日にきちんと配られる訳ですから、外国人のサンタクロースからプレゼントなんか受け取るわけないでしょう。だからやって来ませんよ。」

 「なるほど。そういえば、先日看護婦として来ている尼さんが、寒さに凍える住民のために古着をわざと道に落として去ったそうですが、それが当局に見つかってしまい厳しく糾弾されたことがありましたね。住民に不足しているものはない、乞食に物を恵むようなことはするなということでしょう。ここにはプレゼントをもらう自由もないのでしょうか。」

「診療所のキム先生、ソウルのご自宅には毎年サンタクロースがやってくるとのことですが、こちらはどうでしょう?」 

 「あのね、杉山代表。あのそりを引くトナカイグループのリーダー・ルドルフ君なんだが、若いのに鳥目なんだよ。だから明かりがないと道がよく見えないのさ。それなのに、ここでは毎日夜8時から翌朝の5時まで一斉に停電するじゃないですか。だから暗闇の中では夜道が怖くて来れませんよ。」

 「そうですね、その事情はよく分かります。私が空港から5時間かけてここにやって来た時も、道路に街路灯は全くなかったし、通過する村からも明かりが漏れていませんしたからね。われわれが建設している発電所が完成すればおそらく停電はなくなるでしょう。」

  「テニス選手のシンさん、あなたはどう思いますか?」

 「チョーさん、サンタは大金持ちの資本家ですよ。つまり、この国では人民を搾取している犯罪者になるんです。当局に見つかったらすぐに捕まえられて強制収容所に送られてしまいますよ。そんな危ないところにくるわけがないでしょう。」

 「うむ、確かに。あれだけのプレゼントをただで配れる人物は、何か悪どい方法で金儲けをしていると疑われるでしょうね。」

 以上が、この村にサンタクロースがやって来ない3つの理由です。皆さんはどう思われますか?

私には、例えば入国査証の取り付けが難しいとか他にもいろいろと事情があるように思えて仕方がありません。

どうか皆さん、この本をお読みになって今一度考えてみてください。

(以上)

このスピーチに対して次のような一口論評をいただきました。

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1 コメント

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おめでとう! (チョーさん)
2024-06-21 11:10:13
最優秀スピーカー賞獲得おめでとう!
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