マラソン讃歌

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この村にサンタクロースがやって来ない3つの理由

2024年06月08日 | 不動産事業

2024年6月7日 Letus Toastmasters出版記念例会 

 私は24歳から63歳までの39年間日本外交の最前線で働いていました。その間海外駐在は5か国7都市にわたり合計24年間国外で暮らしました。この中で一番印象に残っている国は何といっても北朝鮮です。その理由については先日上梓しましたこの本の中にかいてありますので、あとでゆっくりお読みください。本日はこの本の55ページにあります「ぼんくら外交官のつぶやき」の中からサンタクロースを例にとって私が住んでいた楽園の実態をお話したいと思います。

 今から26年前、私は北朝鮮での初めてのクリスマスを迎える・・・予定でしたが、残念ながら休暇で楽園を離れてしまいました。そこでどんな様子だったのか、現地に帰ってからた韓国の人たちに「突然お尋ね」しました。

 「この村にはサンタクロースが来なかったそうですが、それはどうしてですか?」

   最初に、教会で執事をしている韓国電力公社建設副本部長のユンさんが答えてくれました。

 「Well、Mr. Sugiyama、ここは地上の楽園ですよ。サンタクロースだってそれくらいは分かっていますよ。子供たちがほしがるおもちゃやお菓子などのプレゼントは、毎年2月16日の将軍様の誕生日にきちんと配られる訳ですから、誰もキリストの誕生日なんか祝いませんし、サンタクロースだって待っていませんよ。」

 「へへえ、そうなんですか。そういえば、先日看護婦で来ているカトリック尼さんが寒さに震える住民のためにと思って古着をわざと道に落として行ってところ、そのことを当局からとがめられたという事件がありましたね。乞食に物を与えるような態度が許せなかったのでしょうか。それにつけても自由という目に見えないプレゼントがもっと必要ではないかと痛感しました。」

 次に、医師でありクリスチャンのキムさんが意外な事実を教えてくれました。

 「あのね、杉山代表、あのそりを引くトナカイのリーダーのルドルフ君は、赤い鼻を照らしながら夜道を進むんだがね。実はあの鼻はわずかでも光がないと全く機能しないんだよ。どころが、ここでは夜8時から翌朝の5時まで一斉に停電するじゃないですか。だから真っ暗闇の中ではどこにも行けないんです。」

 「なるほど、その事情はよく分かります。確か空港からここまで未舗装の道を貸切りバスで5時間かけてやって来ましたが、ホテルで夕食を取ったらすぐに暗くなってその先の道には街路灯が全くないだけでなく、通過する村落も真っ暗でした。せめてクリスマスの日ぐらいは停電をやめてもらいたいものですよね。」

  最後に、テニス仲間のシンさんが付け加えました。

 「チョーさん、サンタは大金持ちの資本家ですよ。つまり、この国では人民を搾取する悪者とされているんです。当局に見つかったら捕まえられて収容所に送られてしまいますよ。だから、それが怖くてやって来ないのに決まってます。」

 「うむ、確かに。トナカイの尻を鞭で叩いて、小人の使用人を奴隷のようにこき使っていますからね。そう思われても仕方がないでしょう。それに比べればこの国の労働者は将軍様のやさしいお導きで残業などは全くなくのびのびと働いていますからね。ただ、資本主義に毒された私の目からはさぼっているようにしか見えませんが…。」

 このように、サンタクロースがこの村にやって来ない3つの理由は、

ひとつ、何不自由のない地上の楽園だから、ふたつ、電力不足で明かりがないから、みっつ、人民の敵として捕まえられてしまうから、だそうです。

皆さんはどう思われますか?

私にはもっと深い事情があるように思えて仕方がありません。どうかこの本を熟読して皆さん自身で考えてみてください。そして、次回例会で「突然お尋ねします」のであなたのお考えをお聞かせください。

(本文:1507字)7分23秒

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