ロイス ジャズ タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

2006年06月03日 | 徒然の記
「いま見えただろ。羽根の下の青いやつ。あれが松風毛だよ」
ふーん、と空を横切る鳩の胴体を見上げてなんとなく解ったような気がした。子供の時、先輩の鳩の飼い主に「まつかぜけ」とは何か?と尋ねたのである。六.七羽の鳩がグルグル、高く低く旋回していた。
後年になって、それは『松風系』と言って、日本有数の鳩の品種の呼称であるとわかった。「アントワープ系」などと同じである。東欧に「鳩主はアゴの下が陽に焼ける」という揶揄したフレーズがあるが、このあいだ毛越寺の傍の道を通ったとき傷ついた鳩を見かけて、大人しく捕まってくれたので家に持ち帰りダンボールの箱で回復させた。妙な足輪が二つ付いていたので、レース中に鷹に襲われたのかもしれない。
回復した頃、堤防に持っていって放すと、一度物凄い速さで旋回してから、あっというまに消えた。そのときしばらく空を見上げていて、二か月も飼った一瞬の結末に呆然と、アゴの下を久しぶりに陽に焼いたのであった。
鳩は、電話のない頃、貴重な通信手段で、中世の城郭には鳩小屋がある。寝るところと、食事の場所を分けて、あるいはつがいの一方を残し帰巣本能を利用した。地面に降りて啄む鳩はアウトで、寄り道せず一気に巣まで飛翔してこそ鳩である。十五羽飼った鳩が、地面に降りたりすると、子供心にガックリきた。
いまではどうでもよいが、一直線に消えた鳩は流石だ。

☆なんのアンプを使っています?とたずねると「えーっと、レシーバーです」と答えた客は宮城の某ジャズ喫茶のマスターであったらしい。そうと確定したのは二か月後。
☆昨日で四度目になる客も、「ルイ・ベルソンが.....」などとぽろっと言いながら、「明日、水沢のハーフ・ノートに寄ってきます」と申されていた怪しい客だ。
☆タンノイでジャズを聴く。これがどういったらいいのか、松風けのように、見えるものではないところが奥深い。



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