ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
これが、私(romani)の三種の神器です。~

グラナドス:「嘆きにくれるマハ」 by ロス・アンヘレス&ソリアーノ

2012-07-08 | CDの試聴記
昨日からの雨も、ようやく上がったようだ。
湿度は高いが、窓を開けていると比較的凌ぎやすい。
そういえば、今夏まだエアコンをつけていないなぁ。
おっと、昨年大騒ぎして買った扇風機も出していないぞ。
この時期に一度もエアコン等をつけていないで過ごしているというのは、我が家としては新記録かもしれない。
どこまで我慢できるか分からないが、節電にもつながるし、できるだけ団扇と扇子で頑張ってみよう。

さて、例によって今朝も珈琲を淹れて飲んだ。
豆は、コスタリカのロス・アンヘルス。
定期購入しているショップから送られてきた珈琲豆で、初めて飲んだが、香りがとても素晴らしい。
全体に柔らかな味で、いかにも私好み。
これは楽しみだ。
 

この農園の名前をみた瞬間に、音楽好きの方なら、きっとあのスペインの名花ヴィクトリア・デ・ロス・アンヘレスのことを思い浮かべるだろう。
私もすぐに彼女の歌が聴きたくなって、久しぶりに取りだしたのがこのディスク。
どの曲も魅力的なんだけど、とくに私が気に入っているのが、このグラナドスの「嘆きにくれるマハ」という歌曲。
マハという名前は巨匠ゴヤの絵で有名だが、本来スペインの下町に生きる小粋な娘のことで、その相手の伊達男のことをマホと呼んでいたらしい。
グラナドスは、連作歌曲集「トナディーリャス」の中で、愛するマホの死を悲しんだ若いマハの心情を3篇の歌曲にして表現した。
いずれも珠玉のような作品でグラナドスの魅力に溢れているが、私はとりわけ第1曲が好きだ。
「おお無慈悲な死よ、おまえはなぜ卑怯なやり口で、恋に燃えるあたしからあたしのマホを奪っていったの?
かれなしには生きていたくもない。だってこうして生きるのは死んでいることと同じですもの・・・(以下略)訳:濱田滋郎氏」

こんなストレートなマハの心情を、切々と歌いあげるロス・アンヘレス。
彼女の最大の特徴である優しさに溢れているとともに、スペインの女性らしい熱い情熱を内に秘めた、文字通りの名唱だと思う。
そして、ピアノのソリアーノが最高の伴奏で彼女をサポートしている。
それからライナーノートにもクレジットにも何も表記されていないが、この曲だけ木管(イングリッシュホルン?)が加わっている。
これがまた素晴らしい効果をあげている。

今日は新しい珈琲のお陰で、久しぶりにこの名盤を聴くことができて本当に良かった。

☆20世紀のスペイン歌曲集
<曲目>
1. 7つのスペイン民謡(ファリャ)
2. 嘆きにくれるマハ(グラナドス)
3. 君の上にはただ花ばかり(モンポウ)
4. 見習い水夫の歌(トルドラ)
5. えにしだの花(トルドラ)
6. 黒人の子守歌(モンサルバーチェ)
7. ファルーカ(トュリーナ)
8. 聖なる羊飼い(ロドリーゴ)
9. ポプラの林に行ってきた(民謡~ロドリーゴ編)
<演奏>
■ヴィクトリア・デ・ロス・アンヘレス(ソプラノ)
■ゴンサロ・ソリアーノ(ピアノ)
<録音>1960年12月、1961年12月
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする