ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
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読響マチネ 《R.ホーネック・モーツァルト協奏曲シリーズⅡ》

2008-01-20 | コンサートの感想
今年初めてのコンサートに行ってきました。
今日のコンサートは、《R.ホーネック・モーツァルト協奏曲シリーズⅡ》と銘打たれた読響マチネーで、前半にモーツァルトのヴァイオリン協奏曲を2曲、後半にブラームスの3番というプロでした。

<日時>2008年1月20日(日) 午後2時開演
<会場>東京芸術劇場(池袋)
<曲目>
《R.ホーネック・モーツァルト協奏曲シリーズⅡ》
■モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第2番
■モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第3番
■ブラームス/交響曲第3番
<演奏>
■ライナー・ホーネック(ヴァイオリン)
■ヒュー・ウルフ(指揮)
■読売日本交響楽団

ホーネックは昨年のモーツァルトの4番がとても素敵だったので、期待して開演を待っていました。
まず冒頭のオーケストラの音が、引き締まったとても良い響き。うん、これは期待できるぞ。
そしてお待ちかねのホーネックのソロ。
柔らかい・・・。本当に柔らかな音色です。
まさにウィーンのモーツァルト!
聴きながら、私はずっと幸福感を味わっていました。
同じウィーンフィルのコンマスであるキュッヘルと比べると、幾分地味な印象を受けますが、この優雅な雰囲気はやはり得がたいものです。
ただ、マチネーコンサートの前半のステージで至福のモーツァルトというのは、意外な落とし穴があります。
それは睡魔。
3番の第2楽章を聴きながら、突然睡魔大王が私を襲いました。
ひょっとすると5分くらいは夢うつつだったかもしれません。(汗)
ホーネックの短いカデンツァの箇所で、ようやく大王から解放されました。
演奏者のみなさま、ごめんなさい。

後半は、ブラームスの3番。
指揮者のヒュー・ウルフは松葉杖をついての登場でした。
来日直前に自宅で骨折したとの噂ですが、ちょっと痛々しかったです。
でも、この人、いったんタクトを握ると、全然ハンデを感じさせません。
オケの統率力という点で、やはり相当の才能を持った人ですね。
ブラームスの3番の冒頭は、その雰囲気を大切にするあまりリズムがべったりしてしまう可能性があるのですが、ヒュー・ウルフのブラームスは、はっきりリズムがわかりました。
ブラームスらしさを失わずにリズムに弾力性を与えることは、とても難しいことだと思います。
とくに第3交響曲は、大いに盛り上がるんだけど、そのエネルギーは外に発散されずにひたすら内へ内へと向かいます。そんな、憂愁をぎゅっと凝縮して閉じ込めたような味わいを消してしまっては、ブラームスになりません。一方で、深いグレー一色に染めてしまっては重すぎる。
そのあたりのバランス感覚のよさを、ヒュー・ウルフから感じました。
奇をてらわないアプローチにも好感が持てましたし、是非また聴いてみたい指揮者です。
コメント (2)
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