ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
これが、私(romani)の三種の神器です。~

シェリング&へブラー/ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第5番『春』

2008-01-01 | CDの試聴記
明けましておめでとうございます。

旧年中はたいへんお世話になり、本当にありがとうございました。
12月は少々更新をさぼってしまいましたが、新しい年を迎えて、気持ちも新たに頑張っていこうと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、年末年始は、強行軍ですが、家族で関西の実家に来ております。
音楽を聴くのも、ipod+B&Oのイヤースピーカでしか聴けない状況なのですが、年末最後に聴いたのは、リヒャルト・シュトラウスの「ばらの騎士」から最後の3重唱でした。
昨年、突然私に微笑んでくれた「ばらの騎士」。
チューリッヒ歌劇場の来日公演が、そのキューピット役になってくれたのは間違いありませんが、いまや私にとって最も大切なオペラになった「ばらの騎士」で、この年の最後を飾りたいと思ったのです。

そして、新年最初に選んだのは、ベートーヴェンのヴァイオリンソナタ「春」。
演奏は、シェリングとへブラーのコンビです。
久しぶりに聴きました。そして感動しました。
なんと、瑞々しい語り口だろう。
渇ききったからだ全体に、水が自然に沁みわたっていくような音楽。
これほど、「春」の名にふさわしい演奏はないんじゃないでしょうか。
シェリングには、もう1枚、1958年にルビンシュタインと組んだディスクがあります。
シェリングのヴァイオリニストとしての運命を決めた記念すべき名盤ですが、このへブラー盤と比べるといささか構えた部分があって、この曲が求めている瑞々しさという点でへブラー盤に一日の長があるような気がします。
(しかし、併録されているクロイツェルソナタは、ルビンシュタイン盤も大変な名演!)

今年一年、この演奏のように、常に柔軟で瑞々しい感性をもって日々過ごしたいものです。

<曲目>ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調 Op.24『春』
<演奏>
■ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)
■イングリット・ヘブラー(ピアノ)
<録音>1978~79年


コメント (20)
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