ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
これが、私(romani)の三種の神器です。~

モーツァルト 交響曲第14番イ長調 K114

2005-11-02 | CDの試聴記
今日は静岡出張でした。一連の全国主要都市で開催したセミナー行脚も今日が最終日。帰りの新幹線の中で、もう1人の講師と缶ビールでささやかに乾杯しました。「やっと終わったか・・・」が実感です。

さて、今日の1枚はモーツァルトのシンフォニーから。
モーツァルト15歳の年にザルツブルクで作曲されたこの14番のシンフォニーは、残念ながら知名度があまり高くないようで、モーツァルトの音楽を集めた書籍でも紹介されることはほとんどありません。
でも、地味だけど本当に素敵な曲なんですよ。
とくに絶対のお勧めは、レヴァインが指揮したウィーンフィルの演奏です。

<曲目>
■モーツァルト 交響曲第14番イ長調 K114
(交響曲全集から)
<演奏>
レヴァイン指揮 ウィーンフィルハーモニー
<録音>
1989年6月 ウィーン・ムジークフェライン大ホール

第1楽章冒頭の第一主題、何て素敵なフレーズ! 一度聴いたら誰でも好きになると思います。続く第二主題の弦楽器が絡み合う美しさも実に印象的。この素敵な曲を、レヴァインとウィーンフィルは最高のチャームで奏でてくれます。
これしかないという絶妙のテンポとアンサンブル、自然で柔らかな音色、ウィーンフィルの美質を改めて実感させられます。また両翼配置も素晴らしい効果をあげています。
第2楽章は夢見るようなアンダンテ。ここでもウィーンフィルの音色が美しい。
第3楽章はメヌエットですが、とくに中間部のフィガロの結婚のアリアを想わせる素敵なメロディがたまらなく魅力的。また3連符で奏されるオブリガードも聴き惚れるばかりです。
フィナーレはモルト・アレグロで、4分音符3発のフォルテで開始されますが、決してこのコンビはメリハリを利かせた威嚇するような表情は見せません。うっとりしている間に颯爽と走り抜けていく、そんな感じの演奏です。
何度聴いても、ため息がでるような素晴らしい音楽!

残念なことに、このレヴァインの全集はあまり評判がよろしくないようですが、なぜなんだろう。
私は素敵なモーツァルトだと思います。少なくともこの14番なんかは最高の名演だと自信を持ってお勧めできるんですが・・・。
そのほかでは、ピノックがイングリッシュコンソートと組んで1993年に演奏したディスクが、活き活きとした表現で若々しいモーツァルト像を感じさせてくれます。70年代にホグウッドが残した演奏と比較すると、20年の間に古楽器の演奏がどれだけ柔軟に表現できるようになったか教えてくれます。
この曲には、上記の2枚以外にもアーノンクール盤等優れた演奏がいくつかありますが、私はやっぱりレヴァイン盤だなぁ。
広く聴いていただきたい名盤です。

コメント (2)
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