ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
これが、私(romani)の三種の神器です。~

バシュメット&モスクワ・ソロイスツ with 森麻季

2005-10-23 | コンサートの感想
昨日は一日中ぐずぐずした天気で、とくに夜中は雷雨だったようです。
恥ずかしいことに、私は爆睡していて全く気づきませんでした・・・。
今日はうって変わって、本当に爽やかな一日です。
朝は富士山がとても綺麗でした。

秋は何と言っても爽やかだし、うっとうしい花粉症もないし、ときに感傷にも浸れるので、一年中で一番好きな季節です。
そんなこともあって、仕事が忙しいといいながら、結構コンサートやオペラにも行っています。
昨日は、午後からバシュメット率いる室内オケのコンサートへ行ってきました。

<日時>10月22日(土)14:00開演
<場所>東京芸術劇場 大ホール
<曲目>
■J.S.バッハ:
ブランデンブルク協奏曲第6番変ロ長調
あなたがそばにいたら(アンナ・マグダレ―ナ・バッハの音楽帳より)
■ヘンデル:
オンブラ・マイ・フ(「セルセ」より)
シオンの娘たちよ、大いに喜べ(「メサイア」より)
涙の流れるままに(「リナルド」より)
つらい運命に涙は溢れ(「エジプトのジュリアス・シーザー」より)
■武満 徹: 三つの映画音楽
■モーツァルト: ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲
(アンコール)
シュニトケ:ポルカ
バッハ:メヌエット、サラバンド(無伴奏チェロ組曲第1番から)
モーツァルト:ディヴェルティメントK136から第3楽章
<演奏>
指揮&ヴィオラ:ユーリ・バシュメット
モスクワ・ソロイスツ合奏団
ソプラノ:森 麻季

読売日響以外のコンサートで東京芸術劇場に行ったのは久しぶりです。
バシュメットの凄いとしかいいようのないヴィオラはCDで体験済みですが、果たして生ではどんな演奏を聴かせてくれるんだろう。

最初のブランデンブルク協奏曲第6番、これは大好きな曲なんですが正直期待はずれでした。
ヴァイオリンなしの中低音楽器だけの構成、かつ少人数というこの曲特有の編成にしてはホールの残響が大きすぎるのが最大の原因だと思いますが、残念ながら最後までもやっとした印象が拭いきれませんでした。
続いては、森麻季さんの登場。
この人、ほんと舞台姿が美しいし華がありますね。ステージに現われただけで、周りがいっぺんに明るくなります。
聴かせてくれたアリアも素晴らしい歌唱でした。
どんなときもバロックの様式感を踏み外すことがないので、聴いていて何よりも安心感があります。コロラテューラの技術も素晴らしく、大きな拍手を受けていました。
オンブラ・マイ・フあたりは少し硬い感じもしましたが、私はとくにメサイアの「リジョイス」で聴かせてくれた華麗さと、「涙の流れるままに」(リナルドから)の深い情感に、大きな感動を覚えました。
オケもブランデンブルクに比べ編成が少し大きくなったせいか、随分活き活きと響くようになりました。

後半は、まず武満徹の映画音楽から3曲。
いずれも素敵な曲でした。武満さんの音楽は他の誰とも異なりますが、彼独自の音の響きは私も大好きです。
メインは、モーツァルトの「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲」。
バシュメットは弾き振りで、少し忙しそうでした。
またヴィオラの弓を使って指揮をするので、奏者にあたらないかしらと妙な心配をしながら見ていました。
テンポは総じて早め。流麗なモーツァルトでしたが、もう少ししっとりした感じがあってもいいかなとも感じました。バシュメットは以前ヴィオラ専任でN響とこの曲を演奏したことがありましたが、そのときのほうがしっとりした情感が感じられたような気がします。
ただ、ソロ・ヴァイオリンは名前も紹介されていませんでしたが、バシュメットとの呼吸もピッタリで素晴らしい演奏でした。そういえばデュメイにどこか似た風貌だったような・・・。

アンコールは、モーツァルトの協奏交響曲の第1楽章のカデンツァを再演奏したあと、上で紹介した曲を聴かせてくれました。
中でも最も印象に残っているのは、バシュメットのバッハです。
もちろんオリジナルはチェロですが、やっぱり上手い。圧倒的に上手いです。とくにサラバンドは深い感銘を与えてくれました。不思議なことですが、この曲を聴いているあいだ中、テナーサックスの音をずっと聴いていたような気がしました。音域が似ているんでしょうか。こんな経験は初めてです。
このバッハを聴いただけでも、今回のコンサートは値打ちがありました。



コメント (2)
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