ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
これが、私(romani)の三種の神器です。~

ワルターのブラームス

2005-01-13 | CDの試聴記
カラヤンのヒストリカルレコーディングに触発されたわけではありませんが、ワルターのSP時代の演奏からブラームスの交響曲第一番を聴きました。

●ブラームス 交響曲第一番

<演奏>
ワルター指揮 ウィーンフィル 
(1937年5月3~5日録音)

ブラームスの交響曲第一番を最初に聴いたのはもう随分前で、確か高校2~3年生の頃です。
そのときの演奏は、前回アンチと言ったばかりのカラヤンのレコードだったと思います。
第一楽章冒頭から、何てかっこいい開始なんだと思わず引き込まれていきました。

ティンパニーが大地の鼓動のように音をしっかり刻んでいく中、弦楽器・管楽器がそれぞれ半音階的に逆の進行をしながら進んでいきます。(なんと新鮮な響きなこと!)
その後、美しい第二楽章、素朴な第三楽章と進み、ドイツの深い森を連想させるホルンの響きが印象的なフィナーレがやってきます。そのあとは、何度もモチーフが繰り返され劇的なコーダを経て圧倒的なエンディングを迎えます。

ワルター ウィーンフィルの演奏は、当然ですが何より第二楽章が美しい。
でも、一番ビックリするのは、実は終楽章です。
テーマの歌わせ方は、さすがにワルターウィーンなのですが、随所に現れるアチェランドは「これって本当にワルター?」というくらい強烈です。
そう、まさにフルトベングラー顔負けの激しさなのです。アンサンブルの乱れも気にせずに、やりたいことをやりつくしている。晩年のコロンビア交響楽団と組んだ録音の印象でこの演奏をきくと、とても同一人物とは思えません。

でも、あの温厚で人類愛に満ちたワルターが、昔はこんな情熱的な演奏をしていたのかと考えると、とても痛快ではありませんか。
今回聴いたアルバムは、HISTORYレーベルから販売されていた10枚組のアルバムです。
これも、例によって10枚組で2千円くらいの激安価格だったと思います。(今も売っているのかなあ?)
音質もまずまずで、その後再録音されていない曲も含まれており、なかなか魅力的なアルバムですよ。

コメント (2)
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