新型コロナウイルスの感染拡大を受け、3月19日夜に吉村洋文・大阪府知事と井戸敏三・兵庫県知事が打ち出した大阪―兵庫間の往来自粛。決断の背景には、最悪の場合、2週間後には両府県の感染者が3300人に達するとの「試算」があったという。
読売新聞Online 2020年3/20 10:48 によれば、 吉村知事は「専門家の提案を受け、事態を重く受け止めた」と自粛要請に至った経緯を説明した。根拠として挙げたのは、国から派遣された専門家から示されたとする「試算」だ。大阪、兵庫両府県では19日までの1週間で感染者が約80人増加。試算では、このまま放置すれば今後の1週間で最悪の場合、感染者が586人に増え、さらに1週間後には3374人に達するという内容だった、という。ーー
この試算というのが、政府の専門家委員会委員で北海道大学の西浦博教授の試算らしい。(この人は、北海道全域で先月25日の時点で感染した人はおよそ940人に上る可能性があるとする見方を示し、特に若い世代が知らないうちに感染を広げている可能性があると主張したとみられています。) そのような重大な内容が、秘密裏に大阪府知事だけに伝えられ、府知事は府民にも隣県民にも何ら説明することなく、相手である兵庫県知事とも協議することなく、大阪・兵庫間の往来自粛を要請したということです。はっきり言って、吉村知事は馬鹿ではないでしょうか。そして府民には何の説明もなく、それで効果があるのか、という声が聞かれているそうです。兵庫県の井戸敏三知事が不快感を表明するのは当然です。
何をやっているのでしょう? こんな調子で大丈夫でしょうか。
時事通信 2020年3/22(日) 15:52配信 によると、「トルコ政府は21日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、重症化のリスクが高い65歳以上や持病のある人の外出を禁止すると発表した。既に学校を閉鎖し、国民に対して外出自粛を呼び掛けていたが、対応を強化。レストランも店内での飲食は禁止される。」とのことです。
重症化しやすい高齢者の行動制限こそが的確で有効でしょう。感染は若者が媒介するというより、元気な中高年が拡散していると思えてなりません。しかし日本では疫学調査がまったく行われていないため、実態がわかりません。「無症状などの若い世代が知らないうちに感染を広げている」のではないかという憶測があるだけで、実際にそのような事例が報告されているわけではありません。これまでのところ、クラスターの中心にいるのは中高年です。
学校の一律休校や国民一律の行動自粛は、国民一般の活動を必要以上に抑制し、結果として経済に大打撃を与えています。感染爆発が起きてしまったら選択の余地はないかもしれませんが、新コロナの特性を的確に調査し、的確な対策を講じるのがいいでしょう。ヤミクモな施策は効果が少なくて弊害が大きく、信頼を失います。
地方自治体が、国民には情報を秘匿した状態で、行動自粛を乱発する。国民は不安になり、行政の情報や施策に不信が高まっていくことになります。本当に必要な時に、政府や自治体への信頼がない、ということは恐ろしいことです。
安倍ちんは頼りにならない、だからなおさら私たちがしっかりしなければなりません。
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