何を目的に父は、猫の額よりも狭い面積の竹山を購入したのでしょうか。私も特別に其処の手入れはしませんので今は言わば荒れ放題と云って良いほどの状態です。それでも当時は何かのメリットがあったのかもしれません。確かに私が知る限りでも一時、海苔種付け時(?)の必要品として竹が重用されていたこともあり業者の方が買い求めておられたことはありました。ところで、昨日、竹の丈が10m程にも伸びたものが公道を横切って人家の屋根上に達しているのを除去する作業を行いました。その対象としたのは公道から見える1本だけでしたので私の負担は少なくて済む、と判断しました。
手で挽く竹専用の鋸、竹専用の鋸刃を装着したレシプロソーとその専用電池2個を携帯し、登山靴を履いて、崖に立てかけた脚立を上りました。崖と云っても幸いにその高さは低く、問題とするような存在ではありませんでした。脚立は梯子の代用です。
作業の対象と決めた竹の根本付近を探しましたが見つけ出せませんでした。その後、視線を上方に向けますと何と、3mほども上方に浮いた形で留まっていました。負担が少なくて済む、どころの話ではなくなりました。そのことで作業は行き止まりました。どのようにしてそれを手元に引き寄せるかの問題と変わり、沈思黙考に入りました。
思い巡らせた結果、対象竹の周りの竹、数本を先ず取り除く必要があることを考えました。中には直径が10cmを超すような大きな竹もありました。レシプロソーを使って1回につき約1mほどを切断しそれを繰り返していきました(この方法は私の常套手段です)。
その環境整備が終了しても対象竹が下がったのは僅かでまだまだ、私の手はそれに届きませんでした。その為、切断した竹の上に上りました。そして手で直接、対象竹を握り下へ引き寄せました。その後の対象竹に対する作業は前述の方法と同様で、切断した部分は捨て、残った長いものを1mほどずらして引き寄せ、それを又、切りとる。
作業終了までには1時間は要したようでした。短く切断した竹は公道側にも落とし、待機している妻がそれらを我が家の竹山の中に捨てる作業を続けてくれました。
転落事故もなく怪我することもなく無事に目的を達成できたことに大きな喜びが湧きました。山の神様に心からの感謝を捧げました。