飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

問題行動の5段階

2020年01月26日 07時38分33秒 | 教育論
アドラー心理学によると問題行動に走る子どもたちには5つの段階があるという。
指導者は、その段階を理解し、できるだけ早い段階で手立てを講じる必要がある。
しかし、現実にはこの手立てが難しい。
一つには、子供集団によって様々な特徴があり、ふさわしい対処の仕方が何かが見極められえない。
間違った手立てをとるとさらに悪化し、やりなすのにも困難さが伴う。
もう一つは、学級という集団は子供と教師だけの価値観で運営できない時代になってきていいるということ。
昔は、教師が統率する意欲をもって学級運営にあたれたが、現在で学校の方針、(これは以前からだが)、保護者の意向、地域の意向を考慮した上で行う必要がある。
そうしないといったん問題が噴出した場合に、協力体制を得られないこととなる。

問題行動の第1段階、「称賛の要求」。
親や教師に向けて、いい子を演じる。
そして褒めてもらおうとする段階である。
この場合、褒めてもらうことが目的なので、褒めてくれる人がいなければ適切な行動をしない。
罰を与える人がいなければ、不適切な行動もとる。

問題行動の第2段階、「注意喚起」。
いいことをしても褒められない。
そうすると、ほめられなくてもいいから、目立ってやろうとする心理が働く。
この段階では、もう褒められなくてもいいから、自分の居場所をもとめるために目立つことをひたすらしようとする。

問題行動の第3段階、「権力争い」。
誰にも従わずに、挑発を繰り返し、戦いを挑む段階。
一言で言えば反抗である。

問題行動の第4段階、「復讐」。
かえがえのない自分を認めてくれなかった人、愛してくれなかった人に、愛の復讐をする。
憎しみを求める段階。
憎悪という感情の中で、自分に注目してほしいという気持ちの現われである。

問題行動の第5段階、「無能の証明」。
もうこれ以上、自分に期待しないでくれという思いが無能の証明である。

しかし、この段階になると専門家を頼るしかないという。
多くの場合は、第3段階の権力争いにとどまることが多いので、これより先に進まないように教育者はその役割を果たす必要があるという。

saitani
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