飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

四戒(驚懼疑惑)

2022年06月24日 08時32分47秒 | 教育論
剣道の柳生新陰流では四戒と言われるものがある。
それは、驚(きょう)、懼(く)、疑(ぎ)、惑(わく)、の四つを言う。
つまり、驚く、怖れる、惑う、疑うという心の動きである。
剣道の道場では、恐懼疑惑(きょうくぎわく)の教えとして伝えられている。

驚とは、相手との駆け引きの中で、予測しなかったことが起きたとき、それに驚きあわててしまい、平常心を失い、すきをうんでしまうことである。
懼とは、恐れることである。例えば、身体的に大きい人や名選手を勝負するときには恐怖心を抱き、気持ちが萎縮してしまう。
そうなれば本来の力が発揮できない。
疑とは、相手はどうでるか、どんな技をしかけてくるのか疑心暗鬼になり、判断を鈍らせる。
自分の気持に疑いをもち、自滅することである。
最後に、惑とは、相手の動きに自分はどうしかけるか、もしくはどう応じるか戸惑ってしまい、結局、十分な技が出せなくなること。

これらはすべて興奮状態から生まれるという。
どんな相手に対しても、どんな状況に陥っても、驚かず、怖れず、疑わず、惑わずに対応できなければ敗者となり、失敗することになる。

スポーツや武道では厳しい練習を行う。
その意味は、心の弱点を克服し、平常心を保てる精神状態を作り上げることにある。
そして、それは日常生活の中で応用されることとなり、教師としての技量にも影響してくる。

saitani
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