飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

叱る 怒る 褒める

2024年03月10日 15時18分42秒 | 教育論
最近は褒めることが中心となり、叱ったり、怒ったりすることが少なくなった。
いや、むしろ怒ったり叱ったりすることは悪のような風潮さえある。
本当にそれで、子供達の成長に良い影響をおよぼすのだろうか。

子供達は、褒めるべき時に褒め、叱るべき時に叱る、そうして成長していく。
では、この似て非なる、怒ると叱るどう違うのだろうか。
こんな解釈がある。

怒る         叱る

感情的に       理性的に
自分のために     相手のために
過去に焦点を当てて  未来を見据えて
怒りと勢いで     愛と勇気で
自分が言いたいように 相手に伝わるように
感情に任せて怒る   試行錯誤しながら叱る

怒るは怒りの感情をコントロールしていない。
叱るは常に相手目線で願いを込めた愛情表現の一つ。

実際に、怒るは、相手が自分に迷惑をかけたり、自分が指示したようにやらなかったりして、結局自分の思い通りにならなかったことに腹を立てるのである。
そして、その感情を勢いのままにぶつける。

それに対して、叱るは相手が思い通りに行動しな勝ったとしても、相手をよりよくしようとする視点で注意やアドバイスを与える。
冷静さを心に秘めながらも、あえて大きな声を出したり、語気を強めたりする。

ある先生は、出会いの日にあえて次のようにいう。

「基本的に親も先生も君たちを叱ります」
「それはなぜだと思いますか?」
「君たちは、一人では成長できないからです。
 だから、叱ります。」

そして、叱ると怒るの違いを子供たちにわかりやすく説明する。
叱られ方も指導する。
①受容 受け止め、受け入れる。
②反省 したことがよかったのか悪かったのかを振り返る。
③謝罪 過ちを謝ること。
④改善 悪いところ改めてよくすること。
⑤感謝 叱られたことに感謝する。成長のきっかけをもらったことに感謝する。

このステップを最初に話し、繰り返し指導する。
そうすると子供達は変化する。
1番いけないのは、できません、わかりません、知りませんと相手の気持ちを受け入れないこと。

「あやまち」という詩がある。

過ちは誰でもする
強い人も弱い人も
偉い人も愚かな人も
過ちは人間を決めない
過ちの後が人間を決める
過ちの重さを
自分の肩に背負うか
過ちから逃れて
次の過ちを犯すか
自分を誤魔化し嘘をつくか
過ちは人生を決めない
過ちの後が人生を決める

叱るパターンにも三種類ある。

①叱るだけのパターン
②叱る→褒めるのパターン
③褒める→叱る→褒めるのパターン

どのパターンを選ぶかは、相手との人間関係の成熟度による。
まだ、年度当初人間関係ができていない時には、③。
中間段階なら、②。
成熟度も信頼関係も高い段階なら①。

なかなか、難しい時代になった。

saitani



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