私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

短吻紅斑吻鰕虎(Rhinogobius rubromaculatus)をガサで採るの巻      台湾釣(ガサ)行記㉚

2017-02-01 09:36:58 | 台湾の魚たち

 2016年12月25日 日曜日

タニノボリ類に会うことは絶望的である。
数種の幼魚を採集後、そそくさと場所移動である。

到着したのはこんな細流。


この風景を見て確信したのである。
雨季・乾季による水量変化だけでなく、日本の河川の上流域・渓流域とは決定的に違うことがあるのである。

それは地質である。
岩石が堆積岩、おそらく泥岩や頁岩なのである。
火成岩であれば、いくら流速が速くてもこれほど丸くなる訳がないのである。
・採集した殆どの河川に細かなシルトが堆積していたこと。
・水がたいがい濁っていたこと。
これらもはじめは生活排水や河川工事の影響と思っていたけれども泥岩形成であれば納得がいく。

日本に戻った後調べてみた。
確かに南北に連なる山脈に沿って
「台湾北部を例外にして古生代に形成された泥岩・頁岩帯が東西に広く分布している」のであった。

淡水魚(特に底生タイプ)にとってたいへん暮らしにくい環境にあるのである。
乾季には侵食された細かな泥が沈殿するために底石が埋まってしまうのである。
この時期には、本流の深みでじっと耐えているのだと思う。
雨季には流速が増し沈殿物が次第に撹拌され運搬されていくのである。
この時期の初め頃に支流へと侵入していくのではなかろうか?

あくまで推論に過ぎないけれど、
台湾南部の淡水魚採集をするのに乾季は適さないと思ったのである。
生息密度が低すぎるのであった。

で、このポイント上流のタマリで必死こいてガサをした。

短吻紅斑吻鰕虎( Rhinogobius rubromaculatus )である。


小さいのを、それもたった1匹しか採れんかったのである。
が、ムッチャ嬉しかったんである。
なんせ以前紹介した「Goby Pedia」という台湾淡水ハゼ図鑑の表紙を飾っとるヨシノボリなのである。
当然台湾固有種である。

以前この図鑑の写真について、あまりの美しさに「加工しとるのでは?」と書いた。
それは実に浅はかな思考回路であったと反省し訂正せんといけんのである。
「すいません。実に美しいヨシノボリでした。」





コメント
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