私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

粗糙沼蝦(タイリクテナガエビ)?を釣るの巻   台湾釣(ガサ)行記⑤   釣査46種目

2016-12-30 22:16:46 | 台湾の魚たち
 2016年12月23日 金曜日

前回の続きである。
タイワンカワムツが釣れすぎないようミミズを転石のすき間の底にすばやく沈めてみる。
日本でもいろんな魚種を釣るために何度もやってきた釣り方だ。

少し待った後にアタリ。
黒茶色のテナガエビ類が釣れた。


お目にかかったことのないテナガエビだ。
体色はさておき、全体に寸詰まりでハサミを無視すればまるでザリガニである。
目の先に伸びているノコギリのような部分も短い。
それらの特徴と渓流域であることから「粗糙沼蝦(タイリクテナガエビ)」としておこう。




このテナガエビは台湾全域の上流域の転石の下で見られるらしい。
図鑑には、一生を淡水で過ごすとも書いていた。

それにしても、昨日といい今日といいテナガエビがよく釣れる。
台湾には15種類ものテナガエビがいるらしい。
養殖も釣り堀も屋台もみんな羅氏沼蝦(オニテナガエビ)のようだ。
生活に根付いているんだね。
しかも汽水域から上流域までそれぞれの環境に適応した種に分かれて広がっている。

まさにテナガエビ天国なのかもしれない。



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台灣馬口魚(タイワンアカハラ)を釣るの巻  台湾釣(ガサ)行記④  釣査45種目

2016-12-30 09:28:17 | 台湾の魚たち
 2016年12月23日 金曜日

魚名は、台湾での代表的な書き方(日本名)で書き表すことにする。
台湾に生息する魚なので台湾に敬意を示すのは当たり前だと思うからである。

高雄市から台東市へ高い山脈を避けるように続く南回りの道沿いの渓流でとりあえず1ヶ所やってみる。
「どこかよさそうなポイントがあれば言うてよお。」
馴れない左ハンドルに格闘中の友が言う。
「分かった。しっかり見とくけえな。」
乾いた石だらけの大きな渓谷が見える。
その支流を探しているのだ。

そして、忘れもしない2・3本目の渓谷を過ぎた何本目かの渓谷(忘れとるやないの!)である。


渓流のトロ場にかろうじて水がある。しかもよく澄んでいる。降りやすそうな階段もある。
「見てみようや。わっ! 魚がたまっとるがな。」
二人ともそそくさと車へ戻り、それぞれ釣り、水中撮影の準備にかかる。

第一投。タイワンアカハラである。


初めて手にしたが次々と釣れるために日本でカワムツを釣ってる気分になり感動が薄まる。
が、やっぱり日本のカワムツやヌマムツとは尾柄部の縦線がまったく違うねえ。


台湾固有種である。
全土に分布するが、本来北西部に多く東部へは人為的移入であるという。
「我的水中夥伴」2015刊・方力行著(今回たまたま購入)によれば(あくまで私の理解にすぎないけど)、
① 700万年前:温暖な時期による海水面の上昇で、淡水起源の淡水魚類は絶滅する。
② 150万年前:寒冷な時期による海水面の低下で、北部と南部の2ヶ所で中国大陸とつながる。
③ 南北に連なる3000m級の山脈により、西部と東部の河川が完全に分けられる。
④ 南部・東部へは黒潮の影響が大きく海洋起源の淡水魚類がウェイトを占めてくる。
⑤ このようにして地域ごとに特色のある淡水魚類相になる。
⑥ 以上が生息する淡水起源の純淡水魚47種のうち、37種が台湾固有種となった要因である。
らしい。

国土は九州程度と小さくても、日本での純淡水魚類相とよく似ていておもしろい。
純淡水魚の自然分布は進化のようすを物語ってくれる。
そこには壮大なロマンがある。
やたら放流したり環境破壊したりしちゃいけないなあ、とあらためて思うのであった。
東部でもたくさんいたもんなあ。
この日、南東部で友が採集したタイワンアカハラの成熟個体も載せておく。


こいつは人が移動させた名残なんじゃねえ。
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朝食バイキングも一新してたぞ!の巻    台湾釣(ガサ)行記③

2016-12-30 08:07:20 | 台湾の魚たち
 2016年12月23日 金曜日 朝

「朝食は期待せんとってなあ。」
今春、宿泊した経験のある友の言葉である。
高尾市中心にあるホテルを一泊朝食・駐車場付き一人300台湾元(約1100円)でのネット予約なのだ。
期待なんかするわけがない。
期待をするのは手配した友にも、この価格で提供するホテルにも申し訳がない。

朝食はバイキングであった。料理いっぱいならんどる。洋食もそろっとる。


「ありゃ! 良くなっとるがっ!」
「リニューアルしとるし、駐車場の位置も変わっとったけえ・・・・・・」
「こりゃうまいがな。ええでえ。」
友のはずんだ声が続く。
たしかにおいしい。何を選んでもおいしい。
味付けは基本「九州しょう油」をさらに甘くしたような味。
角煮などにピッタリ。日本では高級な湯葉も惜しげもなく煮付けている。
「ま、どこへ行っても塩を欲しがるけえなあ。」
そうなのである。
私は、もともとおかずが甘いのは得意ではない。
おかゆなどにはパッパッと塩をふりかけて食べるのがベストなのだ。
中国もそうだったが塩が食卓にないのだ。
「次は塩を持っていかんとな。」と思いつつ、すっかり忘れてしまうのだ。
にもかかわらずおいしい。
「いや、十分十分。十分すぎるわ。ラッキーや。」

さて、いよいよ台湾中南部河川めぐりが始めるでえ!
このとき、まだ自分がいくつもの幸運に包まれていたことは知る由もない。
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