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私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

ヤマメ Oncorhynchus masou :幼魚をガサで

2022-08-17 17:35:01 | 純淡水魚
2022年8月17日(水)

ヤマメ幼魚 Oncorhynchus masou masou

20220717 体長70mmほど

管理事務所の方に念のための許可をもらって、休憩がてらのガサ。
まだ新しい親水公園、きっと夏休みにはたくさんの子どもたちでにぎわいそうだ。

と、1回目のガサでカワヨシノボリ斑紋型が採れ👇
カワヨシノボリ Rhinogobius flumineus の斑紋型

2匹目をと、もう一度近くの新しい転石の浅瀬で

2回目のガサをしたら・・・あっけなくタモ網に入ってた。
休憩のためのガサだから体をほぐす程度のこと、タモ網も市販の口径40cmほとの安物。

まさか、こんな所で、こんなたやすく採れるとは思いもしなかった。
私は、カワヨシノボリ斑紋型のメスをねらった採り方をしてたのだから、網の左右にいくらでも逃げ場はあっただろうし。

あわてて、撮影に入る。
まず、膝に手作り観察ケースをのせ、親指とともにおおまかなサイズがわかるように


遊泳中を撮りたいけれど、すぐにケースが曇ってしまう。


何度も曇りを拭うから、ヤマメも落ち着かなくて

こんな間の抜けた画像になってしまう。

まるで、村上康成さんの絵本に出てくる『ヤマメのピンク』そっくりだ。
なるほど、この絵本に出てくるピンクも幼魚の体型だったんだ、と感心したりもする。

正面から


背側から

一通り撮影を済ませた。

というのも、たまたまとはいえ
タモ網ガサでヤマメ(サクラマス河川残留型)を採ったのは初めてだったから。
海へと下ってくサクラマス幼魚=スモルト(銀毛ヤマメ・降海型)は、若い頃投網で採ったことがある。
もちろん釣ったこともある。(どちらも許可を得た上で)

で、曇りに四苦八苦していたとき、散歩から戻った知人が「曇らない撮影ケース」を貸してくれ(私はヤマメ幼魚を貸した)
この写真と

最初の1枚を撮ることができたのでありました。

なお、このヤマメ幼魚が在来なのか放流なのかはわからない。
ヤマメ・アマゴ・イワナといった渓流魚は、日本各地で、移入・放流が行われているからだ。
他の地域からの移入なら、地元で長くふれあってる人には、しばらくの間、在来ヤマメとの判別がつくかもしれない。
でも、やがて交雑が進み、いろんな中間形態をもつハイブリットが代を重ねていく。
ましてや、地元の流域で人工ふ化させた稚魚放流ならば、見分けがつくとは思えないもんな。

ま、なんにせよ、所用の疲れがわずか30分ですっかりとれたのでありました。

カワヨシノボリ Rhinogobius flumineus の斑紋型

2022-08-05 17:51:44 | 純淡水魚
2022年8月5日(金)

カワヨシノボリ Rhinogobius flumineus 斑紋型

20220717

所用を済ませた後、河川公園で30分ほど一休み。
もちろん自由に川遊びできる公園みたいだけど、念のため事務所を訪ね管理人さんの笑顔と許可をいただいてのこと。

階段を下り、水深30cmほどの人工的に敷石をしていた清流ですぐ採れた。


このカワヨシノボリ斑紋型は、吉郷(2011,2015)が提唱していて

従来のカワヨシノボリ無斑型とは、形態も分布域も異なるカワヨシノボリとされている。

今のところ、カワヨシノボリは1種とされているけれど
通し回遊魚である他のヨシノボリ類が十数種に及ぶほどの種分化をしている訳だし
純淡水魚化してるカワヨシノボリは、河川系ごとに陸封され、永年にわたる隔離の状態なのだから
より種分化は進んでいると考える方がまともな気がする。

実際、赤石型,富士型,壱岐佐賀型などなど、いくつかの型が提唱されている段階みたい。
ま、形態的特徴がそのまま遺伝子解析の結果とつながらなかったりすることも多いし
結論を急ぐことはないけど、地域・流域ごとの「特色ある生き物」は「その地域の宝物」であることに変わりない。

もう一度、斑紋型を載せて


同じ中国地方で割と近くの流域にいた無斑型と比べてみる
コイツも無斑型


割と体の模様がカラフルなコイツも無斑型


ついでに我が町の無斑型(夜撮影)


もうお分かりですよね?
第1背びれに青白の模様が入るか否かで判別するのが一番ラクみたいです。

もちろん、撮影終えたら元の場所へ感謝とともに放すのは当たり前の礼儀。

カゼトゲタナゴの思い出:ナンテンを添えて

2021-12-25 17:23:03 | 純淡水魚
2021年12月25日(土)

十数年も前、北九州への出張を早々と切り上げ、友と水路をめぐった。
そのとき、友が採って撮った写真の一部を切り取って・・・

カゼトゲタナゴ 体長4cm

水路では親子が楽しそうにタナゴ釣りをしていた。

友の撮ったこの写真が、あまりにもさり気ない美しさで・・・
「デジカメ撮影をはじめよう!」と、思ったきっかけになったんだよなあ。

私たちの地域に生息するスイゲンゼニタナゴとは遺伝子的には亜種レベルの関係らしい。

(国の認定する保護繁殖施設にて)

何種類も何台もデジカメ代えながら、ちいたあ撮影もましになったかなあ?


今日は、クリスマスらしい写真を撮ろうと散歩に出たものの
寒くて寒くて、近くの公園まで行くのが限界で・・・

ご近所の庭木をちょこちょこと・・・

ナンテン

20211225

ナンテンは「南天」と書くのだが、古くからダジャレ好きっぽい日本だもんな。
「難転」と語呂あわせして「難を転ずる」縁起物に仕立ててる。


ま、Xmasらしいということで・・・

はてさて、今日の記事は「何点」だろうなあ?
いつも「難点」ばかりのくだらんブログだもんなあ。



混在流域に至る!:B線上のアブラハヤ④ 

2021-12-07 17:19:57 | 純淡水魚
2021年12月7日(火)

案内してくれた地元の職員さんと別れ、アブラハヤの分布西端となる境界線上の流域をさらに下る。
数カ所でスカをくらいつつ、日暮れが近づいても若い知人はあきらめない。
興味半分・手伝い半分でひょいひょい同行した私と違って、責務がからんでるもんな。

で、ついにアブラハヤとタカハヤの混在する地点へ。
知人の両手が遠くで目一杯大きな丸を描いた!
「いました~っ!」

若魚のアブラハヤ 体長4cmほど

20211114

さらに成長したアブラハヤ 体長6cmほど


成体のアブラハヤ 体長9cmほど


そして、混在していた証としてタカハヤを1尾加えて


「こうして上からみるとアブラハヤってワカサギみたいですね」
「ほんまじゃね~」

かくして、アブラハヤの分布西端付近の流域で、タカハヤとアブラハヤの生息域の境界線上を目の当たりにしたのであった。
境界線はボーダーライン(Border Line)、つまり『B線上のアブラハヤ』に出会えたわけだ。
バッハの『G線上のアリア』に劣るとも勝らない地味な地味な快挙なのだ!

もともと日本列島も東北日本と西南日本の2つに分断されてて
大まかな話でいうと、西にある糸魚川静岡構造線と東にある柏崎千葉構造線の間はもともと海。
純淡水魚の移動はほぼ不可能なのである。

その間の海が、数千万年前からのフォッサマグナという地層の堆積によってつながり
今の日本列島の形になってったわけだから
西と東で純淡水魚類の種類はかなり違っててもおかしくないし
何より自分で川を越えて移動できない「純淡水魚たち」は、日本列島成立の生き証人となるんだな。

ま、そんな話はさておいて・・・
下の左の画像だけみつめてみてね。
1匹混じってるタカハヤがどれかわかるよね?


お見事!  (このテーマ 完)

スナヤツメ幼生だっ!:B線上のアブラハヤ③ 

2021-12-06 16:23:54 | 純淡水魚
2021年12月6日(月)

スナヤツメ幼生 4cmほど

20211114

まだ、かなり小さくて今春生まれなのか?1才半なのか?
スナヤツメは成体になる秋まで3年半かかるらしいから。

地元の職員さんに案内してもらった次のポイント。
アブラハヤの分布西端となる境界線上の流域なのだ。

ただ、このとき若き知人のガサで採れたのは、このスナヤツメと
カジカ大卵型


カワヨシノボリやアブラバテなどとともに
タカハヤばかりで


アブラハヤの姿をみることもなく・・・
「残念ですね、この夏に何匹か子どもたちが採ってたのに・・・」と職員さん。
「もう少し下流をあたってみます」と、いくつか地点を教えてもらい、ここでお別れ。

ま、スナヤツメの初期段階のアンモシーテス幼生をみるのも久しぶりだし・・・

撮影ケースへ入れるとしばらく横たわり・・・




急に元気にクネクネと泳ぎだし、珪藻などを食べる口元を写したくて
うまくピントが合うとへっちょこ向くし・・・


スナヤツメは環境省レッドデータの絶滅危惧Ⅱ類。
淡水域で一生を過ごすスナヤツメと海から川へと遡るカワヤツメともに環境の悪化に弱い。

ちなみにスナヤツメ成体をついでにみてみたい人は下の記事👇
スナヤツメ成体とアユカケ若魚に会う

ただ、「ヤツメウナギ科」の原始的な魚類で、まったくウナギ科とは無縁なのだ。
無縁ということはウナギ科とは「継子(ままこ)」の関係ともいえるわな!

つまりだ!

昨日の記事の花が

「ウナギツカミ」なのか「ママコノシリヌグイ」なのかは、はっきりしないけど・・・

アブラハヤが採れぬまま、この「スナヤツメ幼生」を採った若き知人のことを
私は今はっきりとこう呼ぶぞっ!
『ママコノウナギツカミ』とっ!

お後がよろしいようで・・・さ、次のポイントだ。