漁業経済学者のひとりごと in 小浜

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最後のミズガニ

2015年03月12日 21時00分30秒 | Weblog


今日は越前町に調査に行って来ました。
越前がにの調査だったのですが,
福井は今,ミズガニの問題が注目されていて
そんな話も聞いて来ました。

京都は既に数年前からミズガニを禁漁しており,
石川県も昨年から禁漁になりました。

ここで,ミズガニというのは
脱皮してまだ殻の柔らかいカニを指します。

日本海のズワイガニの話をする時に,必ず最初に言うのは
(オリジナルは加藤先生)

日本海産のズワイガニは3種類あります。
オスガニ,メスガニ,ミズガニです。
オスガニは,殻が固いものしか指しません。
福井県で漁獲されたものは「越前がに」と呼ばれます。

さて,今日は「最後のミズガニ」を買って来ました。
3月10日が終漁だったのです。
お値段は写真のもので2000円。
大学で量ったら391gでしたので,キロ単価5115円!!

昨年度は一昨年度に比べてミズガニの浜値が157%の記録となりましたが,
今年度はさらに上回りそうです。
実際に3月10日のセリは史上最高値だったとか。

福井県では,ミズガニに需要があり,
ミズガニの方が越前がにより美味しいという人もいます。
ただ,両隣の県が禁漁になったので,
福井県もいずれは…という話も聞きました。

数年前に,質の良いミズガニをブランド化する研究を
加藤先生と画策したのですが
誰も「安いからミズガニの需要があるのに,ブランド化するなんて」と
相手にしてくれませんでした。

でも,キロ単価5000円超えだと
もう「安いカニ」とは言えず,ある意味ブランド品です。

今日買ったのは身入りも良くて,
本当に美味しかった。最高級のミズガニです。
殻が柔らかいので,その辺にあったハサミで切りながら食べました。
いやぁ,美味しかった。

お店の人には,1年後か2年度には禁漁になるかもと言われました。
だから本当に「最後のミズガニ」かもしれません。

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