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いやでも「物理」が面白くなる  志村史夫 講談社 ブルーバックス

2019年05月22日 09時00分00秒 | 雷日記
こんにちは。 落雷抑制の松本です。

志村先生、同じ時期に、「いやでも「物理」がも面白くなる」と「いやでも「数学」が面白くなる」の2冊を書かれていて、どちらも大げさな数式を使用せずに物理も数学も身の周りの身近な話題として優しく解説しているのですが、用語の定義については、キチンと筋を通され、たとえば、「速さ」と「速度」の違い。 これなど同義語として理解していても日常生活には大きな問題になりませんが、物理学的に言えば、「速さ」は「スカラー」で、「速度」は「ベクトル」。 

車の「速度計」という呼び方は、物理学的には間違いで「速さ計」というべきなのは、車は進行方向がアチコチで、たとえ同じ「速さで」運転していても向かう先が異なれば、「大きさ」と「方向」を表す「速度」という用語を用いるのは正しくなく、「速さ計」と言うべき。 こういう偏屈ジジイのようなご意見、大好きです。 ちなみに、英語で「speed]と言えば「速さ」、「velocity]と言えば物理学上の「速度」で、二つを区別しています。 まあ、日本語では、「スピード」も「速さ」も「速度」も違いを意識して使用している人はあまり多くはおられないでしょうが。。。

博識の志村先生は、熱力学の話も面白くされていて、「熱」と「金(カネ)」は似ている。熱は移動して温度変化を生じた時に熱としての仕事をしているが、お金も持っているだけではなく、それを移動させた時、即ちお金を使った時にそのありがたみが分かる訳で、両者は共に似ているが、熱は高い方から低い方にしか流れないが、お金はその所有が少ない「貧乏人」から「お金持ち」へと流れるところが自然界の大法則である、高い所から低い所に不可逆的に流れるのとは異なる不条理をみせている。 そこが、自然界は美しく、人間界は美しくないという思いをを強くする。。。これが如何にも物理学の先生の感想です。

学校時代に物理が好きであった方であれば、本書で解説されている程度の事は全てご存知かと思いますが、これは氷山のようなものです。 本書に述べられたことは水面に浮かんでいる部分。 これを表現するための知識は、水面下で全体の重さを支えている部分よりもさらに大きくなければ、このような易しく、面白く解説することはできません。 この易しく解説しようとするサービス精神に先生のお人柄も表れています。 ブルーバックスは、良い本を出版してくれていまして、私は、30年以上、毎月の新刊は楽しみにしています。 このシリーズ、大げさかもしれませんが、日本の宝の一つと思っています。

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